March.30,2005 ゲバゲバ猫

        毎年、春と秋のお彼岸には霊園に墓参りに行く。去年の秋に行ったときに石材屋さんの前に黒猫がいたので、撫ぜ撫ぜしてきたのに味をしめてしまった。そのときの猫の写真は、去年の9月のこのコーナーに載せた。今度もいるかなあと思って楽しみにして出かけた。石材屋に近づいていくと、何やら茶色い物体が見えてきた。猫だ。猫が座っている。去年の秋の猫とは違うやつ。けっこう丸々と太っている。近づいていっても逃げようとしない。「君も触らせてくれるのかな」と言って、しゃがみこんで、撫ぜ撫ぜしてあげたが気持ち良さそうにしている。そのうちに気がついたのだが、この猫、舌が出しっぱなしなのだ。「おいおい、君、舌が出ているよ」と、舌を指先で、チョンチョンと突いてみたら、一旦引っ込めて、また出した。



        猫はときどき、舌を出して、引っ込めるのを忘れることがある。その舌を指先で摘むというのも、猫を飼った事のある者だけの楽しみなのだが、舌を出しっぱなしにした猫というのは、どこか間抜けた感じで面白い。

        ところが、ときどきいるのだが、常に舌を出しっぱなしにしたままの猫というのが存在する。どこか筋肉に異常があるのだろうが出しっぱなしになってしまっている。ときどき舌が乾くのか、中に引っ込めて湿りをつけると、また外にだしてしまう。常にゲバゲバ90分猫というのは、どことなく可愛い。


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