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蕎麦湯ぶれいく

西ノ湖千手ガ浜コース

2017年6月5日

 東武日光駅着8時22分。
 湯元温泉行バスは8時40分があるが、ゆっくりと東武日光駅の駅弁が食べたい。次の9時5分のにする。東京方面から来る次の特急が着くのは9時20分。9時5分のバスの方が空いているだろうという判断もあった。

 東武日光駅には駅弁の売店が二軒あって、それぞれ扱っている駅弁の種類が違う。今回は一軒の方がまだ店を開けてなくて、迷うことなくもう一軒の方から選ぶことになった。
 ひときわ豪華なのが1,300円する、日光東照宮400年式年大祭記年弁当。売店の人に「徳川家康の好物ばかり集めて作った弁当ですよ」と言われて購入。
 弁当に入っていた紙によると、甘鯛の西京焼、日光揚巻湯波煮、茄子の地野菜甘味味噌添え、酒蒸海老、赤飯、錦糸玉子入りちらしご飯、鶏のももきじ焼き、日の出蒲鉾、鶏のつくね、かくや(紫蘇巻唐辛子)、蓮根の酢漬け。パプリカピクルス、黒豆、日の出人参、勝ち栗、さつまいもの甘煮。
 ふ〜ん、そうだったんだ。徳川家康って、パプリカのピクルスが好物だったんだ。知らなかった。
 それぞれの素材を、それぞれの調理法で作った、なかなかニッコーケッコーな駅弁でした。

 9時5分のバスに乗車。いろは坂を登り中善寺湖温泉。しばらく停車したあと、湯元温泉に向かって再び走り出す。
 赤沼でバスを降りる。寒い。こんなに寒いとは思わなかった。丸3年前に日光に来たときは、暑いくらいだったと記憶していたから、この寒さには驚いた。目の前に赤沼茶屋という土産物なども売っている店に飛び込む。ウインドブレイカーを一着買いたい。
 店にはたった一枚だけウインドブレイカーが残っていた。それがなんと鮮やかなピンク。背なかには、Ferrari と、自動車メーカーのロゴマークで書かれている。ものすごく恥ずかしいが、このままでは風邪をひいてしまいそうなので、やむなく購入。この日泊まった宿のスタッフに、「フェラーリがお好きなんですか?」と言われてしまった。「ええ、私の愛車はフェラーリで、いつも乗っています」と答えればよかった。

 赤沼からハイブリッドバスに乗り換える。
 さほど乗客は多くないだろうと思っていたが、あとからどんどん入ってきて満員。立っている人もいる。
 今回の予定は、ネットに出ていたハイキングコース、西ノ湖千手ガ浜(さいのこせんじゅがはま)コースを歩くというもの。3年前と同じく終点の千手ガ浜まで行って、西ノ湖まで遊歩道を歩き、西ノ湖のハイブリットバスの停留所から、帰りのバスに乗るつもりだった。ところが運転手さんのアナウンスによると、今日は朝から大勢の人がハイブリットバスを利用していて、満員だと乗れずに通過することもあるとのこと。これでは西ノ湖バス停から帰れなくなる恐れが大きい。予定を急遽変更。西ノ湖バス停で降り、西ノ湖を見て、千手ガ浜に向かうという逆コースにする。

 私と同じ考えの人が多かったのだろう。西ノ湖バス停でたくさん降りた。
 西ノ湖へと向かう道は広くて気持ちがいい一本道。高い樹が道の両側に聳え立っている。なんて気持ちいい道なんだ。来てよかったという思いでいっぱい。

 西ノ湖方面には吊橋を渡る。フワンフワンフワンと縦に揺れる。下りてもまだ酔ったような揺れが収まらない。
 川の上流の山々の景色が素晴らしい。
 しぱらく歩いたところで突然湖が目に入って来た。
 西ノ湖は気落ちするほど小さな湖。ひょっとすると雨の多い時期はもっと水が多いのだろうか?
 水はかなり澄んでいて、覗き込むとオタマジャクシが一杯泳いでいた。そういえば、辺りは蛙の鳴き声とエゾハルゼミの大合唱だ。

 西ノ湖から引き返し、今度は千手ガ浜へと向かう。こちらの道はまるでジブリのアニメのような世界。夢の世界のような森のなかを歩いて行く。
 ベストシーズンはツツジがきれいな5月から6月と書かれていたが、今年は暖かい日が多かったらしく、もうほとんどみんな散ってしまっていた。この寒さはここ2〜3日だけのことだいう。
 ひたすら平坦な道で歩きやすく、コースタイムが2時間となっていたが、ずっと早く千手ガ浜に着いてしまった。
 千手ガ浜からは3年前、中禅寺湖南岸ハイキングコースを歩いたが、軟弱ハイカーの私はメゲてしまったのだった。今回はハイブリットバスで帰ろう。

 ふと桟橋の近くの小屋を見たら、これは遊覧船のキップ売場。午後3便だけだが菖蒲ヶ浜までの船が出ている。しかもそこから先、乗り継いで立木観音まで行かれるではないか。これは満員のハイブリットバスなんかに乗るよりよっぽどいい。しかも私はまだ一度も中禅寺湖を船で渡ったことがないのだ。

 それにしても3年前に比べて人が多い。どうしたんだろうと思ったら、みんなクリン草を見に来たのだという。クリン草。そういえば3年前に来た時に、ここでクリン草を見たのを思い出した。周りを囲った庭のようなものを作っていて、そこにクリン草が少しだけ咲いていた。はは〜、あのときここをクリン草の名所として観光目的で造成していたんだと気が付いた。今では観光客がワンサカ押し寄せているということらしい。
 せっかくだから今回もまた見に行った。3年前よりもクリン草の数も増え、庭も整備されていた。

 船着き場に戻り、船に乗り込む。かなり大きな船で、これはハイブリットバスなんかよりも、はるかに輸送力がある。こっちにしてよかった。

 菖蒲ヶ浜からは、別の船に乗り換えて立木観音まで行くか、パスに乗り換えるかだが、私は第3の方法を選択した。菖蒲ヶ浜から立木観音まで歩くという手だ。まだ陽は高いし、ホテルにチェックインするにも早い。中禅寺湖の北岸には、気持ちがいい遊歩道が続いているのだ。

 中禅寺湖を右に眺めながら、湖畔の遊歩道を歩いて立木観音。
 湖を回り込むようにして歩き、今夜の宿、[星のリゾート 日光 界]の看板を見て左に入って坂を登った。

6月7日記


日光東照宮 記念弁当。豪華でおいしかった


赤沼茶屋。ウインドブレイカー売っててよかった


なんて気持ちがいい道なんだ


西ノ湖に向かう吊橋。気持ち悪く揺れる


西ノ湖。カエルとセミの大合唱


水のなかにはオタマジャクシ


千手ガ浜までは、さまざまに変化する景色が楽しめる


千手ガ浜到着


クリン(九輪)草。日光新名物ですね


遊覧船。これには助かった〜


静かなお喋り 6月5日

静かなお喋り

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