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■ WHITE SNAKE ★ WHITE SNAKE (1987) ■
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DAVID COVERDALE - Vocals
JOHN SYKES - Guitar,Vocals
NEIL MURRAY - Bass
AYNSLEY DUNBAR - Drums
JOHN SYKES加入がこのバンドに与えた影響はいろんな意味でほんとに大き過ぎた。
彼の加入こそが成功の最大理由であり、
また、彼をクビにしたことがその後コケた最大の理由であると言ってしまって良いと自分は思うが、
(いや、個人的には"Slip Of The Tongue"も決して悪いアルバムではないのだが、)
おそらくこのラインナップで続行できない大人の理由があったのだろう。。。
ともあれJOHN SYKESとは不思議だ。
余りに深く正確にかかるヴィヴラートは非常にテクニカル、だが別にエモーショナルではない。
後の活動となるBLUE MURDER〜SYKESではCOVERDALE張りの抜群の歌唱力を発揮。
プレイヤーとしてもコンポーザーとしてもそのポテンシャルの高さは証明済み。
だが彼という人間からは、音楽的なソウルやパッションといったものを何故か余り感じない。
なんでだろ。
彼は「できる」から、すんごい才能を持っているから、きっとこの道を当然のごとく歩んできた。
それ以上のところは、見えない彼の心の中にある。自分から見たJOHN SYKESは、そういう人だ。
今作品の話に戻ると、
僕にとって、ツェッペリンのパクリがどうこうということに関しては、あまり興味がない。
あと、AYNSLEY DUNBARの一音一音まことにしっかりしたスネアアタックは素晴らしい。
現代音楽ではもう出会えない、あのゲートとリヴァーヴにやさしいコンプ、コンクリ壁のガレージ感が良い。
80年代のロックドラムサウンドのゴージャスさを伝えたいとき、自分はまずこの作品を取り出すだろう。
あとねぇ、コレの30th ANNIVERSARY EDITIONのリマスター盤をわくわくして購入したんだが、
どんなにヘッドフォンでヴォリューム大にして聞き比べても、原盤とちがいがわかんねーんだ。
これはあんまりじゃないか? COVERDALEがずるいやつとは言いたくないんだが、
なんか、あのひと、やっぱり、 ずるそう。笑
(2019/06/05改)
● track list ●
01. Crying In The Rain
02. Bad Boys
03. Still Of The Night
04. Here I Go Again
05. Give Me All Your Love
06. Is This Love
07. Children Of The Night
08. Straight For The Heart
09. Don't Turn Away
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■ DEF LEPPARD ★ HYSTERIA (1987) ■
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STEVE CLARK - Guitars
PHIL COLLEN - Guitars
RICK SAVAGE - Bass
JOE ELLIOTT - Lead Vocals
RICK ALLEN - Drums
徹底的な音へのこだわりと、曲作りのうまさ(緻密なアレンジ)が光る。
コピーしてみると分かるが、コレと言ったスゴテクを必要としない、
割とシンプルなフレーズが多い。しかしそれらが絶妙に噛み合わさると、
おそらくこれ以上望めないであろう、彼らオリジナルの楽曲が完成する。
そして強力なパートナー、ジョン・マット・ラング(P)が施す、
オーヴァー・プロデュースとも評された音作りは、イコール、デフ・レパード・サウンドとして
耳に焼き付いているファンも多いはず。
この時代の彼らの作品における「音の素晴らしさ」っていうのは、
所謂現代のデジタルレコーディングによるところの、ガチガチに充てたコンプサウンドとか、
抜群のF特性によるクッキリした輪郭、抜け、分離といったものではない。
一つ一つの音色そのものが厚く太く濃く、かと言って繊細緻密(なんじゃそりゃ?笑)、
やはり他に類を見ない存在感だった。
このバンドに関しては、ブリティッシュサウンド然としているのはこのアルバムが最後だと思う。
それはとても湿っぽく、哀愁に満ちたサウンド。
この"音"自体が強烈なアイデンティティをもって、音楽そのものを作っていた。
商業的に莫大な成功を収めた今作、実は発表当初、本人たちが焦るほどに売り上げの伸びが
スロースタートだったと言われる。
それってやっぱり、オープニング曲 "Women" の影響だろう。
(幕開けのくせに?)スローでかなり重々しい楽曲であるのに加えてそこそこの長尺、かつ
最後のコーラス後JOE ELLIOTTの「Women〜!!」のシャウトから、さらにGソロへ展開していってしまう あの場面、
今でこそ聴き慣れてなんとも思わんが、当時NWOBHM時代から彼らを追っていたファンなんかは特に、
あそこを大作指向のサインと受け止めちゃって、かなり覚悟したんじゃないかと思う...。
不慮の事故によりRICK ALLENが片腕を失うという、バンドにとっての大きな悲劇を乗り越え、
長い歳月をかけついに完成したアルバムだったが、
今作の発表後、更に大きな悲劇が待っていたのだ。
そう、STEVE CLARKの他界である...。
それはさておき、これ以降のサウンドを聴くと、どうも彼らは
アメリカ市場に魂を売ってしまったようだ。。。
(2019/06/05改)
● track list ●
01. Women
02. Rocket
03. Animal
04. Love Bites
05. Pour Some Sugar On Me
06. Armageddon It
07. Gods Of War
08. Don't Shoot Shotgun
09. Run Riot
10. Hysteria
11. Excitable
12. Love And Affection
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LINK .
TOTOの最高傑作 .
王者Yngwie Malmsteen .
King Crimson(Metal-Era) .
スラッシュメタル相関図 .
ヘアメタル義兄弟伝説 .
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■ QUEENSRYCHE ★
OPERATION:MINDCRIME (1988) ■
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GEOFF TATE - Voices,Keyboards,Whistles,Blurbs
CHRIS DE GARMO - Electric,acoustic,steel,synth guitars
MICHAEL WILTON - Electric,acoustic,ripley guitars
EDDIE JACKSON - Bass
SCOTT ROCKENFIELD - Drums,percussion,keyboards
SEを多用した、非常に完成度の高いコンセプトアルバムであるが、
一曲一曲を紐解いてみると、超ハイクオリティーな正統派HMのオンパレード。
少年がヒーローアニメに熱狂するがごとく、メタルという音楽は
元来「赤ちゃんぽさ」を内包している。それはかの鋼鉄神が発した金字塔、
"PAINKILLER"にも大いに言えることは、多くの方に納得して頂けると信じるが、
こちらは打って変わって「大人のHM」と評するのが妥当ではないかな。
もちろんそれは優劣を意味するものではない。ただ今作においてはかなり稀有で、
ピュアメタルでありながらとても高い独自性を持った、先鋭的かつ繊細なアルバム。
曲を編むことの緻密さにおいては本家をも越えているのではないか?
デビュー当時「JUDAS PRIESTの知的後継者」などと言われていたこともしみじみ思い出す。
それにしても、GEOFF TATEってものすごいボーカリストだ。
彼を得た時点で、このバンドの勝利は決まっていた。
そしていつの時代も強力なボーカリストというのは、バンドにとって「諸刃の剣」なんだなと、
ホントつくづく思いますよ..。
(2018/11/05改)
● track list ●
01. Remember Now
02. Anarchy-X
03. Revolution Calling
04. Operation: Mindcrime
05. Speak
06. Spreading The Disease
07. The Mission
08. Suite Sister Mary
09. The Needle Lies
10. Electric Requiem
11. Breaking The Silence
12. I Don't Believe In Love
13. Waiting For 22
14. My Empty Room
15. Eyes Of A Stranger
このアルバムの発表に伴って発売されたビデオ、”VIDEO:MINDCRIME”は、
アルバムと同様、恐ろしく完成度が高いものであった。
僕は元々、ビデオクリップ物はあまり好きではないのだが、
このビデオに関しては例外で、音と映像が織りなす世界にぐいぐいと引き込まれ、
最後まで興奮と緊張の糸が途切れることがなかった。
これもやはり、コンセプトアルバムならではのなせる技なのだろうか。
いや、このビデオの持つ力は、決してそれだけではないはずだ。
音と映像の2段攻撃で僕に2度の衝撃を与えたアルバム。恐るべし。
(2000/05/20)
この後彼らは多様にサウンドの趣を変えて行くが、
このアルバム全編を後々までライブで再現し続けるなど、
最高傑作を自認していることは確かだ。 しかし、
2006年に発表した 続編"OPERATION:MINDCRIME II" の内容は、
自分としては、あまり喜んで聴けるものではなかった。
(2009/06/25)
一連の『GEOFF TATE解雇』、『2つのQUEENSRYCHE 』騒動は本当に残念で泣きなくなる。
要は”聴く者”として、やれ記事上で騒がれるコトの経緯やメンバー間の感情の問題、
ましてマネージメントを身内で固める愚行の末路など、
そんなもの本当に二の次三の次で、
どうやっても揺るがぬはずのこの『傑作』を今、自分がまったく聴く気もしないという事実。
こんな音楽的悲劇はなかなか経験がなかったよね。
俺の青春のサウンドトラックが一つ潰されたんだ。
まぁ、一時的かもしれないけど、こんなことって、あるんだね。
高校生の頃、夜一人部屋を真っ暗にしてオーディオの前に座り通しで何回も聴いた、
あの"セピア色"にまで"当事者という他人"が入ってきて台無しにしてったような感覚。
なんとも表現し難く、なんなんだこれ?、でも誰のせいとかホントどうでもいいんだって。
そういうことじゃなくてただ、俺の気持ちが元に戻ってくれりゃ..。
あなた達はあなた達で当然事情があるんだろうし、俺個人の"気持ち"がどうこうというのと、
あなた達は無関係だろう。 が、俺はこれから自分が目を通すことになる様々なメディアの中で
あなた達の発言も活動情報もその姿もしばらく見たくない。
繰り返すと、あなた達が悪いとかそんなんじゃなくて、
そういう"気持ち"だから仕方ないんだ。
(2013/06/06)
以下、2016年ごろの記事による____
EDDIE JACKSON、MICHAEL WILTON、SCOTT ROCKENFIELDの3人が、
GEOFF TATEと袂を分かち長い法廷闘争がやっと終わりを迎えたのが2014年。
WILTONは言う。
「俺は、あらゆる物事にそうなる理由があると思っている。
どんな理由だったにせよ、何かが起これば、それがまた別の何かを引き起こし、
その連鎖で俺達はここまで導かれてきたと思う。
今、俺達は幸せだ。バンドはまた兄弟の絆を取り戻した。
ジェフも元気にやっていてくれることを、俺達皆、願っているけどね。
今の彼は自分の好きなところに行き、自分の好きなことをやることが出来る。
それが重要だ。人生はあまりに短くて、不幸になっている暇はないから。
一緒に過ごした時間がずっと最悪だったとは思わない。
俺達はそんな風には考えていない。
俺達は自分達が誇りに思える最高の音楽を入れたレコードを出そうと頑張った。
ただ、それは苦難の道のりで、人間関係を擦り切れさせていくんだ。
でもこれから何もかも上手くいくと思う。」
まさに経験した者、乗り越えた者の感情の一定量を露わにした、
あまりにリアルで有機的なメッセージ。
そうやって彼らは熟したのだと一つ安堵し、
そこに何処かで幾度も見てきたような人生の縮図たるものを見、
自分の歴史のある箇所にピースのように重ねて、
彼らの胸中を推し量ってみたりもするのだ。
一方これは人間の持つ"忘却"という機能の重要性を強烈に思い出させる。
むろん皮肉でもなんでもない。
人は「忘れる」ことで前進し、「忘れる」からこそ進化する。
それ以前に「忘れる」から、生きられるのだ。
(2018/04/28)
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次点としては、”JUDAS PRIEST / PAINKILLER (1990)””ANGRA / ANGELS CRY (1993)”
”DREAMTHEATER / IMAGES AND WARS (1992)””W.A.S.P / CRIMSON IDOL (1992)”
あたりだろうか。これらを見ると、結構年数の浅いリスナーであることがバレる(><)。
(2008/12/08)
なんて書いてから早5年が経った―――。
最早上記アルバムもメタル史に残る名盤、所謂 "メタルクラシック" に入っちゃう?
もう己を振り返ってみても「年数の浅い・・・」なんて言ってられない
(というか、怒られるんでしょ。笑)世代だかんな...。 いや、はやい としか言えない...。
2014年現在、ANGRAが 20th Anniversary DVD を出し、Europeが 30th Anniversary DVD を出す。
後者がよっぽど大先輩という印象だったが、こうして数字が並ぶと結構なヴェテラン2組で...。
だからそんだけ時が経っちまったんだよ、はよ気付きなさい!笑
(2014/03/29)
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