LIVE REPORT 2003

布袋寅泰
2003.12.7(Sun) @静岡市民文化会館 大ホール
HOTEI ROCK THE FUTURE 2003-2004 DOBERMAN TOUR


中学校の時は熱烈なボウイファンだった。そして、ボウイファンはかならず氷室派か布袋派に分かれていたが、僕は布袋派だった。
そんな僕のフジロックの豊洲以来、2回目の生ホテイだ。

布袋の静岡公演は毎回ソールドアウトになるが、今回は惜しくもそうはならなかったそうだ。しかし、会場はほぼ満員だ。
客層は若いのから40歳くらいの人まで幅広く、男子割合が圧倒的に高い。(男:女=8:2)
ニューアルバム「DOBERMAN」にあわせてのツアー。今回のコンセプトは布袋兄貴曰く「音で殺す」で、逆にステージはいたってシンプル。ステージ上には布袋の他にギター・ベース・ドラム・コンピューターの4人だけだ。
ライブの1曲目は、ニューアルバムの1曲目「ドーベルマン」。その後もアルバムの曲目通りにセットが進んでいく。
昔の曲で何をプレイするかが、オールド・ファンとしては大きな関心事なのだけれど、今回は中ほどで1stアルバム収録の布袋の(昔の)名刺代りの曲「ギタリズム」を披露。これは意外な選曲で、懐かしさと同時にびっくりした。生で聴けるのを期待していた「さようならアンディ」「ロンリー・ワイルド」を2曲ともバッチリやってくれた事が、個人的にうれしかった。特に「ロンリー〜」は、僕の大学生時代のテーマ曲みたいなもんで、当時のいろいろな事がフラッシュバックしてきて感無量だった。

ここ数年の布袋は、音楽的に「保守的になった」とか「丸くなった」と言われ続けているが、まったくその通りだ。今井美樹とつるみ始めたあたりから、僕としてはヤバクなってきたと思っている。
それを世間的にはある意味馬鹿にしている風潮があるのだが、今回ライブを目の当たりにして「はたしてそうだろうか?」という思いがしてきた。今回のツアーは40数本だそうだが、布袋ほどキャリアのあるビッグ・アーティストとしては必要以上に全国津々浦々まわっている回数だ(皮肉にも氷室と比べてみればその差は一目瞭然)。ソロになってからの布袋の活動を振り返るに、布袋ほどコンスタントに音楽制作・ツアーを繰り返しているベテラン・アーティストもめずらしいのではないだろうか?そんな布袋に、僕は、いまだにアマチュア・バンドだったころの感覚を持ち続けている音楽バカの姿が見える。いちミュージシャンとして健全に歳を重ねている布袋に、尊敬の念を感じた。

今回うれしかったのがベースが松井常松(ex−ボウイ)だったこと。メンバー紹介の時も、彼への声援はひときわ大きく、ファンの思い入れは今も薄れていないことが分かった。
しかし「ダウンピッキングの鬼」と呼ばれていた松井も、もう鬼の姿はない。今では顔つきもふっくらとし、他のバンドのメンバーと同じようにコーラスも取り、ダウンピッキング一辺倒でなくSETの半分くらいはフィンガーピッキングで、ピックを使うときも時折アップピッキングも織り交ぜていた。(これはかなりショッキングだった)
「音で殺す」というコンセプトだが、その言葉通り、コンピュータの人がギターやパーカッションもやり、曲によってはギターを同時三本鳴らして厚い音作りをしていた。

3列目ということでピックが飛んでくるのを期待していたが、ピックは殆ど飛んでこなかった(2枚くらいしか飛んでいない)。
唯一、布袋が飲んだ水コップの水が飛んできた。

【2003.12.26】




JITTERIN’JINN
2003.11.9(Sun) @静岡SUNASH
CARAMBA! Tour


今回のJITTERIN’JINNは、新作ミニアルバム「CARAMBA!」にあわせての全国ツアー。

今回のツアーで興味深いのは、新作「CARAMBA!」がファンクラブ&ライブ会場限定発売だということだ。
過去の栄光とはいえ、ヒット曲「夏祭り」「プレゼント」のジッタだ。まさか、メジャーの流通に乗れないほどの苦戦を強いられているはずはあるまい。多分、何らかの意図があって、こういう発売形態にしたのだろう。
あまり知られていない事だが、ここ数年のジッタは、地元の奈良をベースにして、まさに「DIY」という言葉が似合う、マイペースな音楽活動を展開している。「今」のファンを大事にしつつ、周りからの干渉を受けない為の手段が、今回のリリース形態につながったのだろうか?とてもジッタらしいと思う。
新作が流通に乗っていないという事で、マス媒体やレコード店等でのプロモーションは行われていない。そんな訳で、観客も少ないのではと思っていたら、僕の予想に反してSUNASHは大満員!いいことだ。
ジッタのライブに来るのは、昔を懐かしむ年配の世代が中心と思ったら、大きな間違い。今のジッタのライブに来るのは、20歳前後の若い子が中心だ(逆に僕より年上の感じの人は数えるほどしかいない)。昔のファンからしたらちょっと居場所がない感じだけど、これが最新型のジッタだ。
1年前のツアーでは、初期の曲は一切やらずに最近の曲のみのセットを組み、おおいに盛上った。近年の曲が充実している事もあり、全然違和感はなく、今のジッタには昔の曲は必要ないと感じさせられたのを思い出す。

ジッタのライブは、1曲目が予期しない意表をついた曲で始まることが多い。
今回は何の曲で始まるのか期待していたら、超ビックリ、往年の名曲「エヴリデイ」でスタートだ。昔の曲はもう特別な時にしかやらないものだと思っていたので、第1ラウンド立ち上がりからいきなり強烈な一撃を喰らった感じだ。
2曲目は「プリプリダーリン」。これも2ndアルバム「HI-KING」に入っている、懐かしい曲だ。

その後は、最近のアルバムからの曲をプレイ。親しみやすいメロディーを持ったロカパンク・ナンバーが会場を揺らす。
みんな、飛ぶ!歌う!跳ねる!僕も跳ねっぱなしだ。明日の筋肉痛が心配になる。
毎回感心するのは、入江さんのドラムの上手さだ。たまにしか入れないオカズは、焦らされた後にもらうご褒美のような、妙な快感さえ感じさせる。
さすがベテランだけあって、バンドの演奏は安定している。逆に、その安定感がやや落ち着いた雰囲気を醸し出していて、ちょっと残念な感じもした。前回はもっとはちゃめちゃだったな〜。
そしてMCの後、CARAMBA!からの曲を数曲プレイ。タイトル通り、メキシコっぽい(?)雰囲気を持った曲達だ。もちろん初めて聴く曲だが、悪くない!

今回のライブは観客とバンドとの一体感が抜群で、盛上り方も半端なものではなかった。象徴的だったのは、アンコールを求める観客の声援が、バンドが再び現れるまで途切れなかった事。おざなりなアンコールが散見される昨今、これにはちょっと感動した。
アンコールでプレイされたのは、初期の名曲「アニー」と「SINKY-YORK」。
この選曲も涙ものだった。

ライブ終了後、さっそく「CARAMBA!」を購入。シングル・レコード型のジャケットがポップかわいい。
家に帰り、熱も覚めやらぬまま期待を込めて聴いたら、意外にも(?)ちょっといまいちな感じ。
それだけ、ライブでのプレイが圧倒的だったということだろうか?

【2003.11.15】




氣志團
2003.6.16(Mon) @静岡市民文化会館
もっと!氣志團現象 〜夢見る頃を過ぎても〜

今回は氣志團ちゃんの静岡県で3度目のGIG。
僕的には、久々の「ホール」ライブ&「人気バンド」ライブ。いろんな意味で興味津々だ。
僕の席は1階の9列目の真ん中あたり。ステージ全体を見るにはほど良いところ。

まず最初にビックリしたのは、お客の女の子の多さ!男気溢れるバンドの割には、男女比は3:7くらいで圧倒的に女子だ。
次にビックリしたのは、コスプレ人の多さ!僕の前の女の子はピンク色のセーラー服着てるし(多分手製か?)、その前方には、明らかに「自分で作った」氣志團シャツを着ている。なんだか難しい漢字がいろいろ縫ってある。その他、学ラン&リーゼント集団等、数えればきりがない。


ライブは、オープニングを告げるインストの曲から始まった。
次の曲で、いきなり周りの観客がタオルの如くパンティーを振り回しはじめたのにはビックリした。みんな自分が普段はいているのを持ってきて回しているのかと思い、見ていてドキドキしてしまった。(実は物販で売っていた)

ビデオなどでおなじみの通り、観客はみな翔やんの振り付けを真似して踊る。
目の当たりにする前はバカにしていたのだけど、せっかくなので実際やってみたら、これが妙に楽しい。
もうパラパラを馬鹿にできないね。

3時間という長いライブだったけど、曲を演奏しているのは正味半分くらいで、残り半分は会場大爆笑のトークだ。
ネタは、ターミネーター(裸で登場)・井上陽水(お元気ですか〜)・CM「がぶ飲みしたい時〜」パロディーから鉄拳まで多数。元ネタの時代が微妙に今時でない一昔前が多いというのが、また可笑しかった。

見た目はイロモノだが、やっている音楽はツボを心得た本格派。ライブも予想以上に音が太く、しっかりしていて気持ちがいい。
ドラムがツーバスなのはBOOWYの高橋まことの影響だろうか?

【2003.7.14】




ROCKING TIME
2003.6.1(Sun) @沼津GAIA
w/SIDEBURNS


日本のロックステディ・バンド、ROCKING TIMEが、静岡初ライブを沼津GAIAでおこなうという。
あまり詳しくないジャンルのバンドだけど、最近、スカ・レゲエを好んで聴いていることもあり、当日券で行く事にした。


サポートバンドは富士宮のSIDEBURNS。去年の朝霧JAMにも出演した、9人編成のスカパラのようなバンドだ。
その筋の人達にはかなり評判がいいそうで、DETERMINATIONSの次を行く期待の若手ポジションにいるらしい。
肝心の音楽はというと、スカパラの曲に比べてソロパートに重点を置いたような感じ。MCなどは、まだまだアマチュアっぽい。
中盤、けっこういい感じの曲もあり、今後に期待といったところだった。

ROCKING TIMEのやるロックステディとは、スカとレゲエの中間のゆったりした音楽。
CDを聴いた印象は、「静かで大人しい」感じで、どちらかというとチルアウトによさげなイメージ。果たしてライブは盛り上がるのか、と余計な心配をしてしまうくらいだ。
しかし実際のライブは、意外にも大盛り上りだった。
「CDとライブは別物」の典型のようなライブで、まずCDに比べてかなり音がラウド。CDはダブっぽいスカスカした印象もあったのだが、ライブはV、G×2、B、Key、Dというバンド編成で演奏も分厚く、その上ヴォーカルの人が手を左右に振ってHIPHOP並に盛り上げる。また、予想以上に歌モノ中心で、これも来ているオーディエンスにはポイントが高いようだった。


最終的にROCKING TIMEのライブの時点で、GAIAはほぼ満員。
個人的には、この手の音楽:コアなスカ、レゲエ を好きな人はあまり多くいないのでは、と偏見(?)を持っていたのだが、日曜日にもかかわらずこの盛況ぶりは、目から鱗だった。しかも若い人が多く、みんな楽しそうに踊っていた。
自分の知らないところで、こういう元気な音楽シーンがあるのを確認すると、他人事ながら嬉しい気がする。

【2003.6.1】




HAWAIIAN6
2003.4.12(Sat) @静岡SUNASH
FOR UGRY FOR BEAUTIFUL #19 w/MOGA THE \5, H・K, Verry Good Man, Jr.MONSTER


日本のハードコア・パンク・バンド、MOGA THE ¥5(モガ・ザ・ファイブ・エン)の主催するツアー。
出演は5バンドと多く、演奏の順番はJr.MONSTER(静岡)>Very Good Man(山梨)>HAWAIIAN6>H・Y(静岡)>MOGA。
大半の客の目当てはHAWAIIAN6かMOGA。で、僕の目当ては勿論HAWAIIAN6。

HAWAIIAN6は3ピースのメロコアバンド。個人的には、今の日本のバンドで、最も熱いバンドのひとつだ。
音楽スタイルはハイスタを彷彿とさせるが、もう少しハイスタを男っぽくした感じ。どちらかというと女子より男子に人気が出そうなバンドだ。
このバンドの特徴はなんといっても、クラッチ(Vo&G)の荒々しいボーカルと哀愁のある歌メロ!演奏はラフでないカッチリしたプレイスタイルで音に重量感があり、技術的レベルはかなり高い。昨年出た1stフル・アルバム「SOULS」は、たくさんいるジャパニーズ・メロコアバンドの中から頭ひとつ抜けた印象の、充実作だった。
今回のライブは、当然アルバムの曲が中心となったが、やる曲全てが粒揃いの佳曲!(特に「AN APPLE OF DISCHORD」「CHURCH」「FLOWER」は素晴らし過ぎる名曲。メロコア好きは必聴) 期待通りの熱いライブだった。
残念な点が二つ。演奏曲数(時間)が少なかったのと、音があまり良くなかったこと。夏にミニアルバムを出し、レコ発ツアーでは静岡にワンマンで来てくれるらしいので、今から楽しみだ!
SUNASHは天井が低い事もあり、激しいバンドが出演する時はダイブ・クラウドサーフィンを禁止する場合が多いのだけど、今回はなぜか禁止なし。そのせいかHAWAIIAN6の時はダイブが多発して、これにはちょっと困った。逆にモッシュは発生せず。ちょっと不思議な気がした。
MCはほとんどドラムの人がやるんだけど、これがけっこう面白かったです。

トリのMOGAは、大阪のハードコア・パンクのバンド。
観客は人数こそ多かったものの、疲れてしまったのか反応がかなり大人しく、バンドにとってはちょっとかわいそうだった。
今回の中では一番のベテラン・バンドということもあり、MCで「おっさんだけど頑張りま〜す」と言っていたのが、胸にしみた。

【2003.4.13】




THE ROLLING STONES
2003.3.15(Sat) @東京ドーム
LICKS JAPAN TOUR 2003


結成40周年記念、歴史的なストーンズのLICKSツアー(ちなみにLICKは「なめる」という意味)。
会社の先輩(30歳半〜後半)と4人して見に行った。

東京に早めに着いたので、去年のエアロスミスの教訓を生かすべく、ビックカメラに行って1980円の双眼鏡を買う。
ライブ前の会場は、陽気なお祭りムードというよりも、爆発しそうな感情を胸の内に押しとどめてじっとしているという感じ。ピリピリしている。

定刻より45分遅れの19:15に、生きる伝説の4人は姿を現し、ライブはスタートした。
1曲目は「BROWN SUGAR」。物凄い歓声でドーム全体がうねっている。
2曲目は「START ME UP」。
今回のライブの印象は「60歳過ぎのオヤジが、なんでこんなに元気なんだ!」この一言に尽きる。
特に元気なのは、ミック&ロニー。
ミックは独特のアクションでステージを縦横無尽に動きまわる。ロニーはくるくる回るアクションに加えて、ギターソロがすごくイイ!
チャーリーはちゃんと本物が叩いているし、歳を理由に手数を少なくしている感じもない。申し訳ないけど、想像と一番ギャップがあったのがチャーリーの元気なドラミングだった。
キースはといえば、もともとあまり動いたり忙しく弾いたりしないのもあるせいか、なんとも4人の中で一番老け込んでいるような印象を受ける。
僕達の席はステージ向って右手のスタンド1階の前の方。去年のエアロスミスの時とは比べ物にならないほど見やすい。しかも今回は双眼鏡もあるので完璧だ。
ステージには4つに分かれる大型スクリーンがあったり、アリーナの中心にある小型ステージに移動したりと、さすがスタジアムバンドと思わせる演出で、距離の遠さは気にならない。
僕は熱心なストーンズマニアではないが、さすがに演奏する曲は耳にした事のある曲ばかりだ。合計20曲、2時間以上もプレイしてくれたが、本当にあっという間だった。
今回の中で個人的なベストは「Start Me Up」と「It's Only Rock 'n' Roll」。また、まさか「Little Red Rooster」をプレイしてくれるとは、うれしい驚きだった。「You Can't Always Get What You Want」もよかったな〜。

僕の周りは僕より年配と思われる人達ばかりだったが、みんな2時間ノリノリで踊りっぱなしの歌いっぱなし。
多分ドームに来ている5万人全員がそうだったはずだ。
ストーンズを生で体験して、その影響力〜偉大さを改めて感じることが出来た気がします。

ストーンズ最高!!


SET LIST
 1.Brown Sugar
 2.Start Me Up
 3.You Got Me Rocking
 4.Don't Stop
 5.Rocks Off
 6.You Can't Always Get What You Want
 7.Bitch
 8.Can't You Hear Me Knocking
 9.Tumbling Dice
10.Slipping Away (Keith)
11.Before They Make Me Run (Keith)
12.Sympathy For The Devil
13.It's Only Rock 'n' Roll (B-stage)
14.Little Red Rooster (B-stage)
15.Midnight Rambler (B-stage)
16.Gimme Shelter
17.Honky Tonk Women
18.Street Fighting Man
19.Jumpin' Jack Flash
20.(I Can't Get No) Satisfaction (encore)

【2003.3.16】




THE HIGH-LOWS
2003.3.14(Fri) @長泉ベルフォーレ
「angel beetle」TOUR 2002-2003


2月の浜松につづいて今年2回目の静岡ライブは、三島のとなりの長泉町ベルフォーレ。どういういきさつで公演が決まったのかは知らないが、うれしい限りだ。

ベルフォーレは中規模クラスのホール。最近はスタンディングのライブが増えたこともあって、個人的にホールでのライブは実に数年ぶりだ。
ライブハウスではアーティストの姿を見るのにけっこう苦労しているので、ステージ上が実に良く見えるのには感動した(笑)。両隣の人とのスペースは十分あるし、前の座席の背もたれに手を持っていけば足が疲れても楽々だ。
最近の自分はスタンディング至上主義みたいになっていたけど、ホールの良さもあることを再確認。要は、アーティストによって最適なリスニング環境があるわけで、それが会場とマッチしていれば最高だということだろう。
ハイロウズのライブは「大騒ぎ」というイメージがあるので、ホールライブは感覚的には「ちょっとどうか・・・?」と思ったけど、意外にストレスなく楽しめた。

ライブは「一人で大人 一人で子供」から始まり、最新アルバム「angel beetle」からの曲を中心にプレイされた。
「アメリカ魂」は、ヒデキのYMCもどきの変なUSAの振り付けとともに始まったが、時期がらかプレイには熱がこもっていたように感じた。
ハイロウズは同じツアーでも会場によってセットリストを変えるバンドなので、最新アルバム以外の曲で何をプレイしてくれるのかが楽しみだ。全体的にちょっと最近のシングル中心かな〜という感じもしないでもなかったが、予想していなかった「千年メダル」をやってくれたのは、かなりうれしかった。「ハスキー」「日曜日よりの使者」もやってくれたし、ラストは大盛り上がりの「ミサイルマン」。
ハイロウズはいつでも最高です!

【2003.3.16】




上田 現
2003.2.16(Sun)@浜松POLKA DOT SLIM
「独り行軍」


元レピッシュのキーボード上田現(現ちゃん)が、浜松に来た。
レピッシュを脱退後、ソロアーティストとして活動し、コンポーザーとしても才能を発揮している現ちゃん。今回のツアーは、ツアータイトルにある通りバンド編成ではなく独りで、全国の小規模のライブハウスをまわるというもの。こういった草の根的な活動姿勢は、積極的に応援したくなる。
今回の会場となるお店「POLKA DOT SLIM」は、静岡SUNASHの半分くらいの広さの、正方形の小さなハコ兼バーだ。主催者の意向で、お客全員分のイス(となる箱)がフロアーに設置されている。
オーディエンスは総勢30数名といったところで、これで会場はちょうど満席となった。なぜか圧倒的に20代中頃〜30代前半と思われる女性客で、男は僕を含めたった5人。熱心なファンでないので知らないけど、そんなものなのか(?)、謎の男女比だ。

定刻より約15分送れて、(ステージにソデがないため)店の出入口から現ちゃんが現れた。なんともアットホームな雰囲気でライブは始まった。
プレイされた曲はほとんどがソロアルバムからで、未発表の新曲を織り交ぜたもの。セットの約半分はキーボードでの弾き語りで、その他は、カラオケに合わせて、曲ごとにギター・アコーディオン・サックスを持ち替えてプレイしながら歌うという変則的な形式で、ライブは進んでいった。
レピッシュ時代から、作り出す繊細なメロディとはうらはらに「変人」「奇行」というイメージの人だったけど、意外にシャイな人柄で、いたってまじめなライブだった。
実は、ライブの予習のつもりでCDを聴いた時点では、とりたててピンと来るものがなく、ライブに大した期待もしていなかったのだが、それが反対にライブの方が同じ曲にしても何倍も良く感じた。これがライブ・マジックというものだろうか?
特に、元ちとせに提供した「ワダツミの木」を自らが弾き語りした時は、圧巻だった。決して上手いとはいえない歌なのだが、それが逆にいい味を出していて、歌詞の一言ひとことが心に染み入ってくる。あまりにも素晴らしすぎて、思わず涙が流れてしまった(歌を聴いて涙したのは何年ぶりだろう・・・)。

多分、現ちゃんは「自分を表現したい」という衝動が異常に強い人なのではないだろうか。
「ミュージシャン」としてよりも「パフォーマー(表現者)」としての道を選んだ結果が、レピッシュ脱退だったのだろうか?そんな事を感じさせる、アーティスト上田現の才能を堪能したライブだった。

最後アンコールで「あと1曲。」と言った後、客とのやりとりで急遽さらに1曲追加することになり、なんと即興で曲を作ることとなった。
客から与えられた2つのお題は「土星の周りで発見された小星(?)」と「自動車」という、はたからみても困難なものであったが、「星のまたたく夜空を、車がガタゴトいいながら走っている」というシュールなタイトルのロマンチックな曲を作り、プレイしてくれた。(曲って、そんなに簡単に出来るものなのか!?)

ライブ終了後は、現ちゃん自らが物販。握手をしてもらい、こんな事もあろうかと持っていっていたCDにサインまで貰った。↓
きっと思い出に残るであろう、あたたかいライブでした。



【2003.2.17】




YO-KING
2003.1.12(Sun) @静岡SUNASH
LOVE&ROCK'ROLL TOUR


去年解散した真心ブラザーズのヴォーカル、YO-KIGがソロツアーで静岡にやって来た。
僕はといえば、真心は好きだったが、ソロになってからの音源は1曲も聞いていないという、熱心なファンからは怒られそうな状態でライブに向った。
SUNASHはほぼ満員。客層は女性多し。そういうファン層なんだろうか。
YO-KINGはブラックレザーのライダースを着て登場!ツアー・アルバムのタイトル通り、「ロックンロール」ないでたちだ。
バンドはYO-KING(Vo,G)、グレート前川(B from フラワーカンパニー)、アイプチ(平尾ユウスケ:Dr exチェンバロ)の3ピース。バックの二人の演奏力はかなりのもので、3ピースを感じさせない手数の多い、しかも安定したプレイを見せてくれた。特にグレート氏のベースは、初めて見たけど、大好きになりました。全体的にロック的な曲が多く、ほとんどがソロになってからの曲のようだった。
個人的には激しい曲の方が好きなので、今回のロック的なアプローチは大歓迎のはずだったが、意外に印象的で心に残ったのは、YO-KINGがハープを使った、ミディアムテンポのフォーキッシュな曲だった。
やたらとMCが多く、その内容が「おすすめの健康法」だとか「最近よく読む雑誌」だとか、アイドルのコンサート並ではあったが、ファンとの交流を大事にしたいというYO-KINGの暖かい気持ちが伝わってきて、微笑ましかった。

ひとつだけ物申したいのは、何度も女性客から発せられた「かっこいいー!」という歓声。YO-KING自身も「俺って、かっこいいだろ〜」と言っていたが、果たして、そうなのか〜?? 例えば、ミッシェルのチバとかかっこいいと思うアーティストはたくさんいるけど、YO-KINGは、お世辞にも決してかっこいい部類には入らないと思うぞ!

【2003.1.13】