■paralel■
ZORO■
H         S
Y         A
P         N
E         J
R         I
■LOVE■







■14■
憎悪

 
 
 
 

ゾロはいつものように銃を持ち、予定場所で待った。
今日のヒットはアーロン。
悪評高い男だ。
極悪非道。
そういう言葉がよく似合う。
ココヤシ村のデータから、ナミの表情のわけが分かった。
ナミのヒットしたい相手。
クロの娼館の得意客だったアーロン。
当時のお気に入りは金髪の子供。
娼館の子供の名など記されない。
けれど、「巻眉の子供でいい声でなく」という部下の記述を見た時、確信した。

知り合いの私怨の相手。
まるで個人的怨恨だ。
そうだ。
オレはアーロンに憎しみを感じた。
自分のしている事にも。
自分のしてきた事にも。

オレはアーロンを殺す。
殺人機械として育てられた、オレ。
引き金をひくのにためらいはない。
くいな。
オレは迷わない。

ぎりぎりの瞬間。
ゾロは引き金をひく。
ヒットを確信して場を離れる。
今日は、あいつはいないのか。
ルフィはサンジを抱いているのだろうか。
「もうサンジには会わせないから」
ルフィからの伝言。
バカバカしい想像が頭の隅をよぎる。

寂しくはない。
苦しくもない。
だが、思い浮かぶのは、サンジ、てめえのことだ。

手の中からすり抜けちまった、幻。
だが、お前はいるんだろ。
ミホークをヒットするために。
 
 
 
 

■15■

■地下食料庫■
■厨房裏■