■paralel■
ZORO■
H         S
Y         A
P         N
E         J
R         I
■LOVE■

















■9■
密室

それから、二人は同じ部屋でずっといた。

サンジは朝起きて、ゾロに抱きしめられていることに気づく。
ただ抱いていてくれた。
それが嬉しかった。
ゾロと離れたくない。

ゾロはサンジを抱きしめていた。
離したくない。
どうしてサンジなのか。
分からない。
だけど、コイツだ。それは確信。

意外なことにサンジは料理が上手かった。
「料理人になりたかったんだ」
サンジはそれだけ言った。
酔っぱらった夜が嘘のように、サンジは何も喋らなかった。
どうでもいいことは喋るのだが。
我がままで自分勝手。
だが普段は静かにじっとしている。
人々を見る時の感情のない冷たい瞳。
時々、心を置き忘れてきたのではないかと思わせるほどの能面のような顔。

バラティエは有名な豪華レストランだった。
そこでいたサンジ。
虐殺・拉致・強姦。
聞くまでもなく簡単に筋書きは出来る。
消せない過去。

ゾロは料理をしているサンジに近づくとうなじに口付けた。
「てめ・・・サカってんじゃねえよ」
そういいながらもサンジも大して抵抗しない。
最近、ゾロ好きだよなあ。
昼間っから・・・。
「・・・っちょ・・・」
抗議の声をあげる間もなく下半身を露出させられ、中を掻き混ぜられた。
「・・・ああっっっ」
ヤりすぎだって・・・。
そりゃゾロとするのは気持ちいいけど。
あんまり跡・・・つけたくねえのに。
そろそろ、ほとぼりが冷めてギンから連絡があるはずだ。
今度こそ本当の目標に近付ける。
「ひっっ」
背後から貫かれ、サンジは立っているのが精一杯だ。
くだけそうになる腰を強くうちつけられ、何も考えられなくなる。
逞しい体に抱きとめられ、ゾロの熱を体中で感じる。
ゾロが乱暴に動きはじめてもサンジは快楽を感じる。
全てを忘れ、快楽を追い始めるサンジ。
いつも、そうだ。どんなに嫌でもいつの間にか性の虜になっている。
もう、止まらねえ。キモチイイ。
サンジは激しく精を放った。
床にぽたぽたとこぼれ落ちる前にゾロがそれをすくい取り、サンジの口元にもってきた。
サンジはためらわずにゾロの指をなめまわす。
淫らに動く舌に更にゾロは逐情する。
幾度もサンジの中に精を放つ。
あのディスクにおさめられていた男達。
それとどこが違うというのだ。
サンジの腹や胸にも手のひらを這わせ、刺激してやるとひときわ高い嬌声があがる。
串刺しにしたままで、サンジの体を引きずっていき、崩れおちるサンジの体に被さるようにして体の重みごと奥を抉る。
「んんんんん」
サンジの噛みしめた口から唾液がこぼれ落ち、床を汚す。
だがどんなに激しく動いてもゾロのものを離そうとせず、体を押し付けてくる。
男を欲しがる慣れた行為。
もう自らを恥じる心など存在しない。
サンジの痴態が更に欲情を加速させる。
こいつがケダモノにさせるんだ。
堕落。
コイツは寝る相手を堕落させる。
品性下劣にさせるのはサンジ、お前だ。
オレも堕ちてしまった。
被害者ヅラして相手を情欲の世界に落としこむ。
壊れそうで壊れない、体と心。
これがお前の本当の武器か?
自分を切り売りすることでしか何も得られない。
哀れな生き方だ。

オレはお前を傷つけてきた奴らとは同じにはなりたくない。
だが、違う方法を知らない。
言葉も知らない。
どうすれば、いい?
 
 

■10■

■地下食料庫■
■厨房裏■