本能

side  SANJI

*1*
 
 
 

久しぶりに街についた。
ここは祭の日らしい。

「まつりだーーーー」
ルフィが飛び出して行く。

でけえ街だ。
食材も調達しやすそうだ。

おれたちはそれぞれ別れることになった。
オレはまず食材を調達することにした。

街は祭で活気づいていた。
 
 

「にいさん、運がいいよ。もうすぐ花火も上がるよ!!」
調味料を量りながら店の親爺が言う。
「今日は、店ももう閉めようと思ってたんだ。年に一度の祭だからな」

オレは急いで買い物をした。
どうしてもいるもんは先に買っとかねえと。

買ったらどうするか・・・。

目の前を着飾った女たちが通り過ぎる。
ナンパでもするか。
世界中の女性を相手にしてると嫌なことなんて何もなくなる。
 
 
 

嫌なこと、か。
いつもの事だが、オレはゾロとまたケンカした。
何でか分からねえけど、ついケンカしちまう。
理由は大したことじゃねえ。

どうしてだか。
 

「おい」
ゾロの事を考えてたら、当人が目の前にいた。

これは偶然か。
それとも必然か。

花火もいいけど、ぜってーオレの方がいいって。
 
 
 
 
 

オレ達は人ごみを逆に歩いた。
人気の少ない宿屋。

勝手に宿帳に書けよとさ。
花火が待切れないようだ。
これじゃ、今日は誰が泊まったって記憶にないだろう。

オレは部屋に入って気がついた。
やけに明るい。
それに、今まで何というか、どさくさまぎれというか、きちんとやったことなんてなかった。

狭い部屋にはベッドが一つ。
無論、普通の部屋ではあるが。

いかにも、今からやりますってシチュエーションだ。

「なあ、明るくねえ?」

チクショー。
チクショー。

ホントはすげー嫌だったけど。
何かすげー緊張するし。
こういう状況は耐えられねえ。
ああ、もうキレちまいそう。
 
 
 
 

オレはいたたまれなくなって何か喋ろうとした。

「うるせえよ」
ゾロはそう言うとキスしてきた。
こいつはいつも乱暴だ。

そりゃ相手はオレだから、優しくってのも変だけど。

オレはゾロの舌に自分の舌をからませる。
ゾロはそのままオレをベッドに押し倒した。

首もとに手がのびてきた。
でもネクタイをなかなかほどけねえ。
オレは可笑しくて笑った。
こいつネクタイ触るのも初めてかも。
 

でも・・・
なんかかわいい。
でっけえ獣みてえで。
 
 
 
 
 

*2*