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危険物収納庫
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■12■

 
 
 
 
 
 

サンジは泣きながら腰を振るルフィを見た。
泣くな、ルフィ。
お前にはそんな顔は似合わねえ。

オレが・・・一番、好きなのは・・・。
眩しい太陽のような。
未来の申し子のような。
いつだって、いつだって、オレを救ってくれた。
代わりなんていない。

ああ、答えは最初から出ているのに。
ルフィ。
オレの心は・・・。
お前のものだ。
 
 
 
 

「オレ・・・を罰して」
ルフィが望むのなら罰を受けてもしかたがない。
正気なら絶対口にすることのできない言葉。
いつの間にかサンジの心の中に居場所をつくっていたルフィ。
ルフィに、求められなかったら、オレはどうしたらいい?
ルフィに必要とされる喜び。
ルフィの為にメシをつくる喜び。
それは、喜びだ。

「・・・まだ、オレ・・・が要る?」
ルフィは腰を動かすのを止めてサンジを見た。
息も絶え絶えでルフィの体の下で組みしかれてるサンジ。
どうしてなのか。
いくら食っても足りない。
飢餓にも似た欲望。
満たされることのない想い。

「いる・・。オレ、サンジだけが欲しい」
ルフィの言葉。
いつだって真直ぐで。
技巧も優しさもない。
だけど・・・。
本気だって、分かる。
嘘をつかない瞳。
嘘をつかない生き方。

どうして気がつかなかったんだろう。
必要としてるのはルフィだけでなくて。

オレにはルフィが必要だったんだ。
抱きしめられて、温かくなった心。
まだルフィにはオレが必要?
なら、手を伸ばすだけでいい。
痛む心より。
痛む体より。

大切なもの。
手を・・。
手を伸ばせば・・・。

届く。
まだ、間に合う。
今なら、まだ・・・。
サンジは渾身の力を振り絞る。
体でなくて。
心を。
心をここに。
ルフィの心をここに。
サンジの心のそばに.

そばに、来て。
オレのそばに。

「・・・クソヤロー。オレもだよ」
サンジはルフィに体をぴったりとくっつけたまま、小さな声で答えた。
まさか、自分がそんなこと言うとは。
それも、こんな状況で。

「?」
サンジの変化にとまどうルフィ。
「お前のもんだから、好きにしろっていってんだろ!!!」
真っ赤な顔をして怒鳴るサンジ。
 
 

ルフィがその意味を理解するのにかなり時間がかかった。
顔を背けて待つサンジ。
自分が言ったことの意味くらい分かっている。
恥ずかしさと不安。
だけど、覚悟はきめている。
どうなろうとも。
やっぱりルフィが、いい。
 
 
 
 

ルフィの表情が変わる。
驚きの表情。
いままでの悲痛さは微塵もなく。
満面の笑顔。

笑顔。

嬉しい。
嬉しい。
嬉しい。

「知らなかった!!! オレたちってアイシあってたんだ!!!」
 
 
 
 
 
 
 

やっと、見つけた。
愛を、見つけた。
一番欲しかったものを。

分かりあえない時もある。
他の誰かにさらわれそうな時も。
だけど、オレたちはお互いに求め合っているから。
だから、見つける。
簡単に見つかるものじゃないけど。
無くしたら、探したらいい。

愛はあるんだ。
絶対に、見つかる。
探していたら、絶対に見つかる。
でも愛ってむずかしいんだ。
だけど、とても素敵なものだ。

無くても生きていける。
けど、あったら、もっといい。
だから探しつづける。
もっともっと好きになって、もっともっと愛し合う。
 
 
 

だろ?

そういうのも悪かねえよな、クソヤロー。
そう言ってサンジは笑う。
ルフィも笑う。

そして何よりも好きなお互いの笑顔を手に入れる。
微笑みを。
 
 
 
 
 
 
 

■あとがき■