u f f y |
s a n j i |
o r o |
■7■
闇夜
深夜。
ルフィは深い眠りに落ちているサンジを見た。
サンジはあの後、青ざめた顔だったが、何もなかったように料理をした。
ゾロはいつものように無表情。
ルフィは一回しかおかわりをせず、ナミやウソップを心配させた。
「ルフィ、どこか具合悪いんじゃないの?」
そう言われても、返す言葉がなかった。
今にも倒れそうなサンジ。
なのにどうして普段通りにふるまう?
サンジはオレのものじゃなかったのか?
オレよりゾロが好きだったら?
どうすればいい?
ゾロにはやらない。
絶対に。
眠れない。
深い眠りに落ちたサンジは遠い。
そっと頬をなでる。
こんなに側にいるのに。
オレがいるのに。
なんでゾロになんて触れさす?
「好きだ」って言った。
なのに、なんで伝わらないのかな?
オレの気持ちは嘘じゃないのに。
本当なのに。
触ったり、抱きしめたりしたいのはサンジだけなのに。
どうしてなのかな。
どうすれば、オレだけのサンジになるのかな。
サンジはよく心にもない事を言う。
知らない間に嘘をつく。
それで意地になってる。
オレはサンジも知らない本当のサンジを知ってる。
鎧のような生意気な態度で守ってる壊れそうな脆い心。
サンジはオレにその片鱗だけ見せてくれた。
壊れやすいものほど綺麗だって本当の事なんだ。
オレはサンジの内側に持ってるものが好きだ。
サンジの体も好きだけど。
どうしてなんだろう。
どうして、伝わらない。
サンジはどうして信じようとしない。
信じさすまでオレはサンジを離さない。
大切な、大切な、オレのコック。
オレはサンジの料理が一番好き。
ゾロも大事な剣士。
かけがえのない、仲間。
だけど、サンジはやれないんだ。
独り占めにしたいんだ。
どうしても。