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s a n j i |
o r o |
■8■
脅迫
サンジはルフィを避けていた。
ゾロとの間にあったこと。
あれは、何かの間違いだった。
だから、無かったことにすればいい。
最近、ルフィはちょっとおかしい。
でも、自分がおかしいせいでそう見えるのかもしれねえ。
ゾロが近くに来るだけで緊張する。
ルフィが近くに来るだけで緊張する。
元通りの関係になるのだろうか。
元ってどこだ。
ルフィに抱かれる前か。
ゾロに抱かれる前か。
ルフィは「メシ」と言う言葉を出せば、いつでも言うことを聞く。
ヤるのもガマンするし。
サンジにとっての切り札は「メシ」って言葉。
もし、これがなかったら、際限なくまとわりつくルフィ。
「メシ」の次にルフィが欲しがるものは・・・。
どうして、こうなった。
だから最近、ずっとキッチンで必要もないのに色々な料理を作る。
ルフィはこのごろあまり食わない。
時々、思いつめたような目をしてこっちを見てる。
「ルフィの食欲を復活させるために料理の研究」
オレは嘘をついてルフィを遠ざけている。
体に残った、ゾロがつけた傷。
それが癒えるまでは騙しつづけるしかねえ。
ゾロは自分と目を合そうともしないサンジを毎日見た。
そして、サンジはルフィも避けていることに気づく。
ヤってしまった後、ルフィが出てくると思った。
だが、サンジは誰にも言わなかった。
ルフィは気がついているのかもしれない。
時々、厳しい目でサンジを見ている。
ルフィから見れば、浮気にでもしたと思っているのかもしれない。
たった一度のあやまち。
それをルフィは許せないのか?
オレはあれで気づいた。
オレもサンジが欲しかったのだということに。
目を閉じると、あの瞬間が蘇る。
サンジの体を貫いて、陵辱した快楽の記憶。
快楽。
オレにはそれしか残らなかった。
罪悪感は次第に薄れてゆく。
ぼろぼろと涙を流していたサンジの全部を手に入れたいと言う新たな欲望。
ルフィから奪うのもいいかもしれねえ。
びくびくしてる癖に相変わらず隙だらけのバカなコック。
「オイ」
キッチンで一人、料理をしているサンジに声をかける。
弾かれたように振り返る姿にゾロは薄い笑いを浮かべた。
「この前のこと・・・。覚えてるか?」
サンジが忘れるはずのないことを知っていて、ゾロは確かめる。
「何・・・」
「またヤらねえか? ルフィには内緒にしてやるよ」
ルフィの名を出した途端、サンジの顔は凍りついたように白くなった。
「それとも、ルフィに言うか?」
サンジは返事も出来ずに立ち尽くした。
言えるわけ、ねえ。
だって、オレは・・・。
ルフィに知られたくねえ。
オレを大切に想うルフィに。
知られたら、どうなる?
嫌いになるのだろうか。
ゾロに一方的にヤられて、イカされて。
途中から、誰ヤにられてんのかも分からなくなってたオレ。
確かに感じていた、体。
ルフィじゃねえのに、喜んでいた、体。
「跡は残さねえから」
ゾロの言葉にサンジは息を止めた。
また?
また・・・するのか?
「嫌だって言ったら?」
「そうだな。ルフィに言うかな。サンジはオレにヤられてよがってたって」
何・・だよ。それ・・・。
サンジは震える唇を噛みしめた。
オレは・・・。
言えねえ。
だけど・・・。
ゾロは眉をつり上げた。
サンジは、ルフィには知られたくないのだ。
知られると、ルフィが離れるとでも?
これは脅迫だ。
脅しの言葉に声も出ないサンジ。
こんなに簡単に手に入る奴だったとは。
ルフィの名をだせば、サンジを言いなりにできる。
暗い欲望がゾロの体を駆け抜ける。
「とにかく、体をよこせよ。ルフィの事を想うのは構わないぜ」
ゾロは固まったままのサンジの頬に手をかける。
びくっとする体を引き寄せて、強引に口付け、舌を絡めた。
「・・・ん・・・」
逞しい体に抱きとられサンジはもがくが、更に拘束が強められただけだった。
やがて抵抗は失われる。
こうなれば合意のセックス。
サンジは下半身を露出させ、尻にゾロのものを受け入れ、喘ぐ。
ドウシテ・・・。
コンナコトニナッタ。
激しく突かれる度に、快楽が体じゅうを駆け巡る。
ルフィ。
オレのこんな姿を見ないで。
ルフィ。
オレを助けて。
したたり落ちる汗と涙と大量の精液。
だって、しょうがねえ。
ルフィには知られたくなかったから。