ura-top  地下食料庫  November  Rain
November
Rain
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ゾロは日々いらだっていた。
サンジの動向はいっこうに掴めない。
イーストブルーのやつらは殺気だっている。
下手に動くとヨサクやジョニーもあぶない。

ギンとの一戦。
あれからゾロに付きまとう賞賛者が増えた。
常に誰かがゾロの側についている。
身動きがとれないまま、
1ヶ月が過ぎた。
 
 
 
 

いつものように何人かの手下を連れ、
街を歩いていた時だ。
前方から来るイーストブルーの集団が目に入った。

遠目にもわかるはちみつ色の頭。
サンジだ。
サングラスをかけていたが、
その姿は一目で見分けられた。

?
アイツは幹部じゃなかったか?
違う幹部が、
ギンがサンジを守っていた時のようによりそっている。

目つきの悪い奴だ。
凶悪な男らしい。
そいつが時々サンジにかけるねばっこい視線。
サンジはコイツにヤられている。
直感だった。
そいつとも確かに目が会った。

急に立ち止まった幹部たちにチンピラたちはざわめく。
既に小競り合いが始まっている。
この状況では戦うしかねえ。
ゾロは戦いたくないと思った。

戦ったらオレは誰かを斬ってしまう。
オレはイーストブルーのやつらなんぞには負けねえ。
 
 
 
 

「ロロノア・ゾロ」
サンジが不意にゾロの名を呼んだ。

「オレと戦え」
サンジの言葉にゾロは唖然とした。

サンジ、
どういうつもりだ。
オレは手なんぞぬけねえ。

てめえと戦ったことはねえが、
絶対オレが勝つ。
てめえの技はケリだけらしいじゃねえか。
オレがなでて口付けたその脚でどんなケリができるってんだ。
 
 
 
 
 

「止めろ、サンジ!!!!」
サンジはとどめる男の手を振り払って前へ進みでた。
みな口々にわめきたてる。
「ゾロさんっっ!!! 殺ってくれ!!!」
「サンジさん!!! ギンさんの仇をっっっ!!!」

ギンが殺られた時から、
こうなるしかなかった。

多分最初っから、
こうなる運命だったのだろう。
 
 
 
 
 

「オイ、ゾロ。
それとも逃げ出すか?」
サンジは挑発し、口のはしをゆがめて笑った。
 
 
 

「アホぬかせ」
ゾロはゆっくりと刀を抜いた。
観衆がどよめく。

サンジ。
てめえには言葉にならないくらい言いたいことがある。
なのにこうするしかねえのは何故だ。
ゾロはゆっくりと刀を構えた。
 
 
 
 
 
 

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