Rain |
act 14 convince |
流れ落ちる血。
サンジはがくりと膝をついた。
言葉も出ないゾロを見ててれたように笑った。
「へへっ・・・。
これで・・・いいんだよ・・・」
バカ・・・な。
バカ・・・な。
こいつは・・・。
サンジは、最初から・・・。
死ぬつもりだった。
オレに・・・、
斬らせるように・・・。
・・・わざと・・・。
ゾロの刀がぱたりと地面に落ちた。
バカ・・・な。
サンジは薄れゆく意識のなかでゾロを見た。
しょうがねえじゃねえか。
出会っちまったものは。
痛え。
なんか目がかすんできた。
ああ・・・。
何だ。
雨か・・・。
頬に雨が当たってやがる。
・・・あたたかい雨だな。
・・・あ・・。
ゾロが・・・。
ゾロが・・・泣いてる。
泣くな・・。
ゾロ・・・。
永遠なんてないんだから、
いつかはオレはお前を愛さなくなって、
お前はオレを愛さなくなる。
どれだけ愛してても、
どれだけお前が欲しくても、
それはかなわぬ夢だ。
だからオレは夢みたままで死ぬ。
悲しいのは今だけだ。
凍えるような想いも、
身をきられるような痛みも。
全ては永遠に続くもんじゃねえ。
本物の雨が、
全てを洗いながしてくれる。
愛してる、ゾロ。
オレは未来なんか信じねえ。
だからてめえとはここでお別れだ。
でも、てめえとは・・・。
もっと一緒にいたかった。
ずっとずっと一緒にいたかった。
ただの仲間でもいい。
しょっちゅうケンカしててもいいから。
もしも、
生まれ変わったら、
オレはこんな街で戦うんじゃなくって、
コックになりてえなあ。
そんでゾロ、
お前に料理作ってやりてえよ。
一度でいいから・・・、
食わせてやりたかったなあ、
オレの料理。
クソうめえのに。
そんでずっとずっとお前の側にいてえよ。
叶わねえ夢。
だけどそれが今のオレのたった一つの望み。
カミサマ、
ウマレカワッタラ、
ゾロトイッショニイサセテクダサイ。
ドウカ、
ゾロト・・・。
ゾロノソバニ・・・。
オネガイデス。
ドウカ、
ゾロノソバニ・・・。