ura-top  地下食料庫  November  Rain
November
Rain
 act 14 convince

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

流れ落ちる血。
サンジはがくりと膝をついた。
言葉も出ないゾロを見ててれたように笑った。
「へへっ・・・。
これで・・・いいんだよ・・・」

バカ・・・な。
バカ・・・な。
こいつは・・・。
サンジは、最初から・・・。
死ぬつもりだった。
オレに・・・、
斬らせるように・・・。
・・・わざと・・・。

ゾロの刀がぱたりと地面に落ちた。
バカ・・・な。
 
 
 
 
 
 

サンジは薄れゆく意識のなかでゾロを見た。
しょうがねえじゃねえか。
出会っちまったものは。

痛え。
なんか目がかすんできた。
ああ・・・。
何だ。
雨か・・・。
頬に雨が当たってやがる。
・・・あたたかい雨だな。
・・・あ・・。
ゾロが・・・。
ゾロが・・・泣いてる。

泣くな・・。
ゾロ・・・。
永遠なんてないんだから、
いつかはオレはお前を愛さなくなって、
お前はオレを愛さなくなる。
どれだけ愛してても、
どれだけお前が欲しくても、
それはかなわぬ夢だ。
だからオレは夢みたままで死ぬ。

悲しいのは今だけだ。
凍えるような想いも、
身をきられるような痛みも。
全ては永遠に続くもんじゃねえ。

本物の雨が、
全てを洗いながしてくれる。

愛してる、ゾロ。

オレは未来なんか信じねえ。
だからてめえとはここでお別れだ。
でも、てめえとは・・・。
もっと一緒にいたかった。
ずっとずっと一緒にいたかった。
ただの仲間でもいい。
しょっちゅうケンカしててもいいから。

もしも、
生まれ変わったら、
オレはこんな街で戦うんじゃなくって、
コックになりてえなあ。
そんでゾロ、
お前に料理作ってやりてえよ。
一度でいいから・・・、
食わせてやりたかったなあ、
オレの料理。
クソうめえのに。
そんでずっとずっとお前の側にいてえよ。

叶わねえ夢。
だけどそれが今のオレのたった一つの望み。
 
 
 

カミサマ、
ウマレカワッタラ、
ゾロトイッショニイサセテクダサイ。
ドウカ、
ゾロト・・・。

ゾロノソバニ・・・。
オネガイデス。
ドウカ、
ゾロノソバニ・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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