ura-top  地下食料庫  November  Rain
November
Rain
 act 2
bomb

 
 
 
 

店の中は相変わらず、
人で押し合っている。
人相の悪い男たちばかりだ。
この街では弱い人間は生きていけない。
おのずと人相も悪くなり、
人を殺めることも日常茶飯事となっていく。
 

ドォオオオオン!!

地響きとともに突如爆発音がした。

ドォオオオオン!!

再び違うところからも聞こえる。

建物がゆれ、
びりびりとした振動音が伝わった。
朽ちかけたビルが揺れる。

「爆破だ!!
どいつのしわざだっ!!」
天井から、ぱらぱらとかべのかけらが落ちてくる。
「ぶっ殺す!!」
怒鳴り声が響き、
室内は騒然としはじめた。
殺気だつ男たち。

壁が崩れ、
ぶつかった者同士はなぐりあいを始めていた。

ドォオオオオン!!

再び建物全体が震えるほどの振動と爆発音。
連発して起きる爆発。
怒鳴り声さえかき消されるほどの爆音が続く。
 
 
 
 

「逃げろ!!!」
ぶつかり会い、
押し合い逃げようとする男たち。
他人をおしのけて、我れ先にと外に飛び出していく。
建物は轟音を建てて崩れ落ちた。
内部から聞こえる絶叫。
なすすべもなくたちつくすもの。
自らの安全を喜ぶもの。
この街では、こうなっても、助けなどこない。
瓦礫の下にいる奴は「ツイてない」のだ。

「サンジさんっっっ!!!!」
叫びながら瓦礫の方に向かおうとする男を数人が懸命に押さえつけている。
「ギンさんっ!!!
駄目だ!!」
狂ったように叫び続ける男を仲間らしきものたちが押しとどめていた。

「なぜ・・・オールブルーが・・・・」
仲間を探すものたち、
ぼうぜんとしている男たち。
次第に驚きと驚愕は怒りに変わっていく。
すぐ近くにいる仲間ではないものへと怒りがすりかえられる。
「てめえのとこがやったんじゃねえのか?」
「なんだと、やるのかてめえ!!」
そこここで、
小競り合いが始まっていた。
 
 
 
 
 
 

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