ura-top  地下食料庫  November  Rain
November
Rain
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腕の中のぐったりした体をゾロは抱きしめた。
夢中になってヤってたので、
サンジが意識がないのにも気づかなかった。
触れたら頭が真っ白になった。
思考力とか理性とか、
そんなものは全てふっとんだ。
・・・ヤリ殺してねえよな。

ゾロの仲間の中には男でも女でも、
相手をヤリ殺したのを自慢にしている奴がいる。
ここじゃ、男も立派に性欲の対象になる。
思った通りのエロい体。
体中に残った一方的な情事の跡。
ゾロはまだ繋がったままのモノが再び兆してくるのを感じた。

まったく、ケダモノ並み、
いや、ケダモノ以下かもしれねえ。
まだまだ満足できねえ。
ゾロは再び獣欲に身を任せた。
 
 
 
 
 
 

時おりサンジは意識を取り戻したが、
いろいろな体位で揺さぶされていて、
永遠にそれは続くかと思われた。
ぼろぼろの部屋。
瓦礫の下で、
終わりのないセックス。
再生と死だ。
サンジはぼんやりとした頭で考える。
幾度となく精を放ちながらも、
まだ勃ちあがるサンジのモノ。
幾度となく精を放ち、
まだ満足しないゾロのモノ。

ここでは時がとまっている。
他には誰も存在しない。
永久に続く快楽。
あるのは肉欲のみ。
言葉もなくただ交尾するだけ。
人としては正しいのか、
動物としては正しいのか、
もう何も考えられない。

サンジは自分の体の上で動き続けるゾロを見た。
ゾロの体と、
オレの体。
一つになる。
オレはゾロと一つに。
溶け合えたらいいのに。
コイツと溶け合えてしまえたら。
 
 
 
 

ゾロは完全に動かなくなったサンジに服を着せた。
手放すのが惜しい。
はっきりとそう思う。
死ぬまでここでヤれといわれたら、
ヤれるだろう。
上の方で声が聞こえた。
誰かが、何度も「サンジさん」と呼んでいた。

現実が戻ってくる。
悪りいな。
「サンジさん」はザーメンまみれで、
ぐちゃぐちゃになってるよ。
やべえな・・・。
何度も顔射したしよ。
泥つけてごまかすか・・・。
って言っても、体みりゃ分かるよな。

コイツを探してる奴との鉢合わせは・・・まずいな。
 
 
 

「オイ!!  」
乱暴に揺さぶると、
サンジはかすかに目を開けた。
・・・動けねえようだな。

「お迎えが来たようだぜ。
さっきから上でサンジさんって連呼してるヤツがいるぜ」
「・・・ギ・・ン」
「オレはずらかるからな。
てめえ、イーストブルーのヤツだったんだな。
オレはウエストブルーだ」

上でごちゃごちゃ言うのを聞いてたら、
サンジがイーストブルーに属するってことくらい分かった。
それから、「捜し出す」必要もあることを。
時々、オレのつき人と自称するジョニーとヨサクの、
「アニキーーーー!!」
ってのも聞こえてたしよ。
ここでぶつかるのはまずいわ。
サンジは初めて知ったようで驚いた顔をした。

「また、ヤらせろ。いいか?」
ゾロがそう言うと、
サンジは真っ赤になって困った顔をした。
返事はねえが、
イエスって言ってるようなもんだ。
カワイイじゃねえか。
でも、他のシマの奴なんだよな。

こいつとは戦いたくねえな。
こいつのためなら戦いたいけどな。
 
 
 
 
 

サンジはぼんやりと消えた男のことを考えていた。
「サンジさんっっっっっっ!!!!」
ギンが泣きながら自分を抱きしめている。
ホント、コイツはいい奴だよな。
オレのためにこんなに泣いて。
だけどオレは、
ゾロのことを考えてる。
動けねえくせに、
ゾロのことを思うと、
勃ちそう。
ろくに話もしてねえのに・・・。
アイツのことが忘れられねえ。
ゾロ・・・。
「また」って、
「いつ」だ?

オレたちの人生に「また」なんてノンキなことは言ってられねえのに。
オレは待ってもいいのか。
何かを信じるとか、
何かを待つとか。
明日、まともに立っていられる保証もねえのに。

永遠に続くもんなんてねえ。
今しかねえ。
未来なんてねえんだ、オレたちには。

でも、いいか。
ゾロ、「また」な。
 
 
 
 
 

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