Rain |
act 6
believe |
あのオールブルーの爆発は、
最初はサウスブルーのしわざという噂が流れたが、
今では「ポリス」のしわざということで落ち着いている。
誰もが自分たちのテリトリーを守ることで必死だ。
「それで、うちのコックはどこだ?」
イーストブルーのボス、シャンクスの言葉に、
ギンは弾かれたように立ち上がった。
「サンジさんは、出かけてます」
サンジが瓦礫の下の地下室から救出されたのは、
爆発から二日後。
あの後、熟睡しているサンジの体をそっと見たギンは、
体中に残る情事の跡を確認した。
それからサンジは、
情報屋に「ウエストブルーのゾロ」の情報を頼んだ。
ギンの調べた情報によると、
ゾロも瓦礫の下にいたらしい。
サンジさんと同時に。
体中に残る跡。
時々どこかに消えるサンジ。
そして消えない情事の跡。
シャンクスはじっとギンを見た。
「まあ、いい。今度のストリートファイトにはお前が出ろ」
ギンはごくりとつばを飲み込んだ。
ボス指定のストリートファイト。
それは各グループのプライドをかけた戦いだ。
「相手は、ロロノア・ゾロ。
それ以上言う必要はないだろう」
ギンはトンファーを握りしめた。
額には油汗がにじむ。
シャンクスは知っている。
知っていて、ギンに任せた。
サンジが犯した罪の尻拭いをしろと言うことなのだ。
グループの一員として、仕事を全うしろと。
ギンのためにも。
サンジを取り戻せと。
サンジは暗い部屋の隅に立っていた。
「・・ん・・・ああ・・・」
必死でかみ殺した声が漏れる。
「静かにしろ」
ゾロの大きな掌で口を塞がれ、
それだけでぞくりと快感が体を駆け抜ける。
薄い壁一枚隔てた横は闇市場だ。
ひっきりなしに話声がする。
この部屋だって、いつ誰が入ってくるか分からない。
たった数十分の逢瀬。
それなのに、
下半身を晒し、
ゾロを受け入れている。
立ったままで、前をゾロに嬲られて、
キモチいい。
もっと、シテ。
ゾロだけが欲しい。
たくさん、シテ。
「・・今度、ストリートファイトがある」
繋がったサンジの体が強ばる。
「ゾロ、出るのか?」
「ああ・・・。お前のとこのギンってのとやる」
サンジは息が止まるかと思った。
ギンと・・・・。
ゾロが・・・・。
戦う。
「オレは、勝つ」
ゾロはそれだけ言うと、
腰を使い始めた。
「・・・・う・・・」
サンジが壁に吐き出した精がうす暗がりに白く浮かぶ。
喜びを隠せない体は、
ゾロを離すまいとして懸命だ。
いつものように快楽が訪れ、
体の中にたっぷりゾロの精を受けた。
素早く身繕ろいして出ていくゾロ。
サンジはのろのろと服を直すと、
うす暗い部屋で一人膝を抱えた。