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アフロマン

2

サンジはナミのみかん畑の間で丸くなって膝をかかえていた。

 空島での戦いでの傷も癒え、
ゴーイングメリー号にはいつもと変わらぬ日々が帰って来た。

 ナミは航海図を描き、
ロビンは本を読み、
ルフィにそそのかされたウソップやチョッパーは食料庫を狙う。

 そして、ゾロは修業をし、
サンジは新たなるレシピの研究をする、
はずだった。

 なのに、どうして今こんなところで悶々としているのか。

 サンジはぶんぶんと首を振った。
昨夜の記憶がありありと蘇り
料理をしている場合などではなくなってしまったのだ。

 昨夜だけじゃない。
その前も、
その前も、
その前も。

 空島での戦いが終わってから、ずっと。

途切れることなく、
サンジはゾロと夜を過していた。

 初めてゾロを見たときから、
サンジはゾロが気になってしかたがなかった。
ゾロとミホークの戦いはサンジの脳裏に焼き付き、
サンジの生き方をも変えた。
 ゾロとともに戦い、
背をあずけながら、
サンジはゾロにつっかかることしかできなかった。

 気づくとゾロを目で追ってしまう自分の気持ちが信じられなかった。
船には麗しのナミさんがいる。
可愛いビビちゃんもいたし
今は知的な美女のロビンちゃんがいてとても楽しい。

美女を見ると目がハートになり、
天にも昇る心地なのは相変わらずだ。
 ナミさんやロビンちゃんに料理をほめてもらうと『幸せだ』と思う。

レディは大切にして慈しまれるべき存在だ。
甘くてふわふわして、
うっとりするようなレディたちへの想い。
それは全く変わることはない。

 最悪だ。
なんでよりによってゾロなのか。

 言う事成す事むかつくことばかりしやがって、
メシの時間になってもいつまでも寝ぐされるし、
ナミさんやロビンちゃんをちっとも敬いもせず、
ロクデナシぶりを見せつける。

 そりゃあ、戦ってる姿はちっとかっこいいかもしれねえ。
 だけどよ、
方向音痴だし、
万年寝太郎だし、
まりもサボテンだし、
オレさまの方がゾロより百倍はレディにモテモテであっていいはずだ。 

なのに、ゾロのやつは妙にレディにもてやがる。
黙って酒飲んでるだけで、
いつの間にか麗しいお姉様が側に来ていたりするんだ。

 確かに、鍛え抜かれた身体はすげえ。
無駄のない筋肉ってのはああいうのをいうんだろう。
アホみたいに修業ばかりしているから、
ちっといい身体になってるのは当たり前だ。

 ふん、オレだって鍛えたらゾロの10倍は筋肉つくはずだ。
ただ、オレはコックなんであって、
そんなことをする必要がねえんだ。
だから体格差みてえなものがちょっとあるだけで、
断じてオレが男らしくねえからじゃねえ。

 オレの内面からあふれるジェントルコックぶりは誰にも負けねえ。
だからだな、毎夜、なんでかゾロにヤられちまうのはちょっとした間違いだ。
ていうか、オレが心意気でヤらせてやっているんだ。
断じて力の差があるとかそんなんじゃねえ。

 全力でゾロをおしのけようとしてビクともしなかったことがあったが、
あれも何かの間違いだ。
あん時はオレは絶好調じゃなかったし、
もともとオレの華麗な足技は、
接近戦向けじゃねえからな。

 それにしても、
最近、なんだかゾロに好きにされすぎてる。
オレが出したケリとか軽々とうけとめられる時がある。
オレのケリの威力は落ちてねえはずだ。

変だ。
何かが変だ。 

ゾロがサカる頻度は間違いなく増えてる。
その上、一度ヤりはじめたら、
オレがどんだけ抵抗してもびくともしねえ。

 最近、オレは途中で意識が飛んじまうことが多い。
 ・・・なんか、ゾロのアレもデカくなってるような気もする。

夕べだって、オレはすぐに意識飛んじまったみてえ。
朝起きたら身体はぼろぼろになってる。
ゾロはヤった後は一応後始末をしてれてる。
意外に律儀なやつらしいので、そこんとこは助かる。

 幸いオレは無駄に丈夫だから
何でもねえふりをして料理することができるけど、
さすがに毎日こんな調子では、ちょっときつい。

 そそそ、そりゃ、
オレは他のヤツとはヤるなって言ったよ。

 だってよう、オレたちは『恋人』ってやつだろ? 
セフレなんかじゃねえってのはゾロに何度も言われた。

 ゾロは『好きなやつ』としかヤりたくねえんだとか。
 そのゾロが毎日ヤりてえってことはどういうことなんだよ。

 サンジはがしがしと髪の毛を掻きむしると、
ごろごろと木の間を転がった。

 こっぱずかしくてむずむずして、
いたたまれない。
 ありえねえ、
ありえねえ。

 何でオレがこんなことになってんだよ!!!
   なんでこんなナイスガイが、
こんなことになっちまったんだ。 

何で、今晩もヤられてやってもいいとか思ってんだよ!!!
 何で、オールブルー見つけたら、
一番にゾロに料理してやりてえなんて思ってんだよ!!!

 この前、ゾロには大剣豪になる姿をてめえに見せたいとか言われたし。
ずっと側にいろ、とかも。

 ぎゃーーーっ、これってラブラブ? 
 めちゃくちゃ愛しあってたりしてる?

 こういうのは初めてだから、
どうしていいのかさっぱり分からねえ。



 サンジはひとしきりみかん畑の間を転がってから、
不意に我に返った。

 あわてて、髪についた草や泥を払い、
服の汚れを落とした。
いかん、いかん、
ジェントルコックとしたことが、
我を忘れてしまった。

 こんなにラブラブでありながら、
ゾロとサンジの関係はクルーには秘密なのだ。

ゾロは気にしてないようだが、
サンジがかたく口止めしたのだ。

 ナミさんやロビンちゃんに知られたら、
オレはもう夢も希望もなくなって生きていけねえ。
サンジは本気でそう思っていた。

ゾロとレディたちは、
言うならば別の生き物であり、
ヒトとしての身分が違うのだ。 
別にゾロにうらみがあるわけではない。

いや、むしろ好きであり、
惚れてる相手なのである。
しかし。
それとは別問題だ。



 サンジはキッチンに戻り、夕食の下ごしらえをはじめた。
芋を向き、豆の筋をとった。

「・・・でしたね。
それでは、次のお悩みを紹介しましょう。
 イーストブルー在住・店員Aさんからのお便りです。
 彼氏が夜激しくて困ります。
求められるのは嬉しいのですが、
 翌日の仕事にさしさわったら困ります」

サンジは豆の筋をとる手を止めた。

 聞こえてきたのは、だらだらした電波放送の途中にある悩み相談のコーナーだった。
その番組には懸賞案内などもあり、
ナミはいつもそれをチェックしているのだ。

「そうですねえ。
これはそれほどAさんが魅力的だということですよね。
ラブラブだっていうことですよ。
彼氏に他に興味の向くものをあてがうという手もありますが、
そっちのほうが気にいったらこまりますから、
適度にやることをおすすめします」

 他に興味の向くもの? 
何だそりゃ?

 サンジは真剣に考えた。
今のはまるで自分の悩み相談かと思ったくらいだ。

 ゾロの好きなもんといえば、
『大剣豪』か『酒』くれえか。

けど、酒代もバカにならねえから、
好きには飲ませれねえ。 

修業は、さんざんやってるから駄目だ。
これ以上修業バカになったら、
人としてもう終わってるだろ。

 しょうがねえ。
今日は、とっときの酒に眠り薬でもちょっと混ぜてみるか。
前にルフィ対策に買ったやつがあるはず。
速効性があり、身体に悪い影響も残さねえいい薬だ。

ゾロはアホだからきっと気づかねえ。
うまくいけば、これから時々使えばいいし。

 サンジはニヤリと笑うと、
再び下ごしらえにとりかかった。


 




3
アフロマン
NOVEL

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