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アフロマン



6


その時、デッキの方からルフィの声が聞こえてきた。
「ゾロがいたぞーーーー!!!」

 帰船予定を13時間ほど過ぎて、
ゾロはやっとゴーイングメリー号にたどりついた。

寝るのはさんざん寝たのだが、とにかく腹が減っていた。
とった時、新鮮だった魚はすっかり痛んでいた。

「え? 夜中に魚とろうとして、それから半日以上も流されてたですって?」
「すげえな、ゾロ!!!」
ルフィだけが物凄く感心し、
あとのクルーからは白い目で見られゾロはうなった。

「しょうがねえだろ。迷っちまったんだ!!」 

サンジはゾロの様子をじっと見た。
 いつものミドリ頭だ。
サボテン頭だ。
でけえまりもでも、アフロでもねえ。
 心配かけやがって。

 そう思いつつも、ゾロのために料理を作ってやった。
「オラ、食えよ」
ゾロががつがつとメシを食いはじめると、
他のクルーたちは自分のやりたいことをしはじめた。

「まったく・・・なんだっててめえ、こんな魚とろうと思ったんだよ。
もう痛んで食えやしねえっての。せめて、開いてりゃあなあ」
 ぶつぶつ文句を言いながら、
サンジはゾロのとってきた魚を見た。

 ゾロはメシを食い終わるとぼそりと言った。
「食材減ってるって言ってたろ、てめえ。
夕べちょっと無理させたから、
てめえが楽になるかと思ってとりに行った」

言われたサンジはゆでダコのように真っ赤になった。
 そそそ、それってオレのため? 
サンジは急に海に向かって叫びたい気分になったが、理性でそれを押しとどめた。
 あまりのこっ恥ずかしさにゾロに背を向けたが、
それでもゾロから離れることなくそばにしゃがみこんだ。 

サンジはしゃがんだままじりじりとゾロに近づき、
背中をぴったりくっつけた。

「あのよう、ゆうべのてめえの頭・・・」
言いかけるサンジを遮ってゾロがきっぱりと言った。
「オレぁ本当はイーストブルーの出身じゃねえ。
アフロの国の生まれだ」



 はい? 
アフロの国って? 
それはヒーローマンガに出て来る設定であって・・・。



「アフロマン?」
サンジは混乱しつつも思いついたことを口にした。

「ありゃガキ向けに作られた話だ。
どっかの間抜けな先祖が、
 うっかり人助けとかしちまったのが始まりらしい」
「頭からアフロビーム出して、悪の組織を退治するやつだろ?」
マンガじゃそうだが、ゾロは光線なんか出せねえだろ。
でも、あの頭は確かにまりもかアフロだ。

「ビームは出ねえが、アフロ化すると、アフロの力で視覚・聴覚 触覚などの感覚全てが鋭敏になり、
筋力も増大し、倍くらいの力が出る。
なぜだか分からんが、人々の危険が察知できるようになり、
その気になれば困っている人を助けることができる。 
それがアフロマンだ」

サンジは思わずゾロを見たが、ゾロは真剣だった。

「ま、べつに問題ねえ。気にすんな」
ゾロはそう言うと、ごろりと横になった。


 あいた口が塞がらないというか、
どう反応していいのかサンジにはさっぱり分からなかった。

ゾロはどうみても本気だ。
ていうか、本当にアフロマンなのか? 
気にすんなって、気にならねえほうがおかしいだろ!!?

 サンジはゾロの食った皿を手に、ふらふらとキッチンに向かった。
脳が理解するのを拒否している。

 気にするな。
ゾロの言う通り、気にしなければいい。

 キッチンに行くと、ウソップがいた。
「サンジ、卵星つくりたいから、卵くれよ」
「あァ、今はだめだ。食材が少ねえんだよ」

ウソップはがっかりしてテーブルに突っ伏した。
「あーあ。困ったなあ。
こんな時、助っ人が欲しいよな。
ガキの頃だったら、アフロマン呼ぶんだけどな」

ウソップの言葉にサンジはぴくりと眉を動かした。
「アフロマン?」
「オレのガキの頃のヒーローさ。
アフロ伝説のヒーローブックも全巻揃えてた。
サンジ、お前も知ってるだろ?」

「ああ」
サンジはうなずいた。
実に複雑な気分だった。

「オレはアフロマンのことをいろいろと研究してきた。
ここだけの話、ヒーローはほとんどアフロマンなんだ」
「はい?」

「異国で人気のスーパーマンだとか、バットマンとか、スパイダーマンとか、
みなアフロの血をひいていると言われている。
 ウルトラマンとか仮面ライダー、月光仮面、桃太郎侍など、勧善懲悪のヒーローたちはみなアフロなんだ!!!
  キャシャーンも、そうらしい」
拳をふりあげて力説するウソップを見て、
サンジは汗を流した。

「彼らは普段は静かに生活している。
髪型もアフロではない。
 だが、真に人々の危機が訪れると、アフロ化するのだ。
アフロはなぁ、男の中のさらなる野生を呼び覚ます。
人は言う!!!   
 ヒーローがアフロなのか、アフロがヒーローなのか。
それは現代の科学では解明できねえんだ!!!」

「え、でも髪型は・・・」
他にも言いたいことはあったが、
サンジはゾロの事を思い出してかろうじてこれだけ聞いた。

「仮面をかぶることによって、アフロヘアーを隠すんだ。
アフロの威力は少し低下す.るが、ヒーローとしての力が微塵も減るわけではない。
未確認情報だが、ハリー・ポッターなんかもアフロの血が入っているらしい」 

「・・・そりゃ、違うんでは・・・」
「サンジ、お前はアフロのすごさを知らないからそんなことが言えるんだ!!!」
 ウソップは断言すると、懐からごそごそと紙切れを出して絵を書き始めた。

「説明しよう!!!  
アフロの国に生まれても誰でもがアフロマンになれるわけではない。
成人してアフロヘアーになれた者だけが
 アフロマンになるのだ。
すなわち、彼らは選ばれた者である」

ウソップは紙にアフロの絵を描いた。
「この髪の毛はアンテナかつ能力増強装置となり、
瞬時にあらゆる情報をキャッチすることができるのだ。
このアフロの中では 同時に能力が増強され、
持久力瞬発力など体力面においても多大な力を発揮すると言われている。
また頭脳も明晰となり、どこの国の言葉でも瞬時に理解できるし、
思考力・判断力もアップするのだ!!!」

なんじゃそりゃーーーー!!!!!!

 サンジは心の中で盛大につっこみを入れたが、
確かに思い当たるふしもあった。

 アフロゾロはなんというか、精力倍増していたような。
アレがアフロのせいなら、たしかに凄いかもしれない。

 黙ってしまったサンジを見て、ウソップは力強くうなずいた。
よし、これでサンジもアフロマンのとりこだ。

「サンジ、なんなら、秘蔵のアフロブックを見せてやってもいいぞ。
アフロマンは本当にいるという記録的データを集めたものだ。
物語なんかじゃないんだ。
本当にアフロマンを見たという証言もある」

 サンジは事態が許容範囲を越えてしまったことに気づき、頭を抱えた。
何をどう考えていいのか、さっぱり分からなかった。

 もし、ゾロがその伝説のアフロマンとやらだったら? 
そんなもの関係ねえ。
 いや、あいつはからかってるんだ。
アフロマンなんて存在するはずはねえ。
それは物語の中でしか存在しないもののはずだ。

 サンジはやみくもにタバコを吸うと、急に立ち上がった。
うろうろすると、急に座りこみ、イライラした様子でタバコをもみ消した。
明らかに挙動不審だった。

 ウソップは原因が分からず、首をひねった。
ただサンジが何かに動揺しているのだけは分かる。

「なあ、その紙切れもらってもいいか?」
「ああ、いいぞ。
いやあ、お前もアフロマニアだったんだな。
そうと知ってりゃもっと早くアフロ情報教えてやったのに」

ウソップは男部屋に行くと、荷物の中から使い込まれたノートをとってきた。
『アフロマンに関する情報ノート』と書かれたそれにはいろいろな新聞や雑誌の切り抜きがびっしりと貼られていた。

「アフロマンは存在する。
オレはそれを信じている。
サンジ、お前はオールブルーがあると信じているだろう。
オレも、同じだ。
アフロマンはいる!!!  
アフロマン研究はオレの隠された
 ライフワークなのだ!!!」
 


 



7
アフロマン
NOVEL

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