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アフロマン

 9



 




アフロマンはあらゆる威力が二倍になる。
しかしヤられるサンジはいつもと同じだから、負担は大きくなるのだ。

 何も知らないサンジは、アフロ化したゾロをうっとりと見た。
 まりもみてえだけど、やっぱりアフロマンはいいよな。
なんちゅうか、血わき肉おどるというか、わくわくするよな。

 サンジの視線がゆっくりとアフロゾロの髪から身体に移り、ある部分でぴたりと視線が止まった。
 ・・・な、なんだコレ? 
でけえ・・・。
ていうか、これって凶器だろ。
 
ゾロの身体の中心に自信満々にそそりたつモノを見て、サンジは青ざめた。
 サンジの記憶の中にあるゾロのソレより、5割り増しくらいに見えて、
サンジは滝のように汗を流した。
 はっきり言って、そろそろ入れられてもおかしくないくらい、サンジもとろとろになりかけていたが、
まだ若干の理性は残っていた。

 そんなの入れられたら、死ぬ。
死んじまう。
オレにはまだまだ未来というものがあるのだ。
こんなところでアフロゾロの犠牲になるわけにはいかねえ。
 思った瞬間、予告もなくずぶりとヤられた。
「ひああああっ」
思わず絶叫したが、ゾロに素早く口を塞がれ、
サンジは大海に浮かんだ小舟のように、ゾロの動きに翻弄された。
 深々と突き刺さったソレは熱くて燃えるようで、サンジの身体の奥深くまで突き進んでいく。
 苦しくて、頭がガンガンした。

「てめえはオレのもんだ。誰にもやらねえ」
苦しいのに、耳元でゾロに言われると、サンジの身体は熱くなり
痛みや苦しみよりも、快楽や歓喜の感情のほうが増していった。 

身動きとれない状態でヤられて、すげえ苦しいのに、ゾロの言葉で心の枷は解き放たれる。
 こんなことを我慢してもいいと思うなんて、自分でもなぜなのかは分からない。
ゾロの真剣な目を見ると、なんだか恥ずかしくてじっとしていられねえ。

 だってしょうがねえだろ。
いつの間にか好きになっちまったんだから。

 美しくも、かわいくも可憐でもない無骨で気がきかなくてムカつく剣士に惚れちまったのだ。
ゾロのもつ信念の強さ、生きざまの潔さ、それはサンジにはないものだ。
まっすぐにゆるぎない視線で自分の進む道を切り開いていく男。
それが時々違う方向に進んでいると、つい手助けして真直ぐ道を進ませてやりたくなる。
 いつの間にか、ゾロを大剣豪にしたいというのはサンジの夢の一つになっていた。
素直でないサンジは決して口に出すことはできないけれど、
そのために自分ができることなら何でもしてやろうと思っていた。

 なんでゾロなのか。
 どうして心の中でゾロにラブハリケーンがおこるのか、サンジには分からなかった。

 オレは女とは違うから、ガキができたりしねえから、ゾロには好都合だろう。
性欲処理をうまくコントロールすれば、剣の修業にも身が入るというものだ。

 だから、わざとゾロには身体だけの関係を強調してきたけれど
そのたびにゾロははっきりとサンジは「特別な相手」だということを言ってくれた。
ゾロは正直に自分の気持ちが言えないサンジが本当に欲しい言葉をくれるのだ。

 きっとゾロにはオレの気持ちは分からない。
けれど、オレのことを大切に想ってくれているのは分かる。
 充分だ。
もうそれだけで、オレは欲しいものは全部もらった。

身体で繋がることで満たされるものはあるけれど、
人の想いほど心をあたたかくするものは他にはねえ。
 ゾロはアホみてえに思ったことしか言えねえやつだから、言われた言葉は心にずんと響く。
表裏がねえんだ。
そのために、ずいぶん恥ずかしい気持ちにもさせられるけれど、ものすごく嬉しくなることもある。

 てめえが、まさかアフロマンだなんて。
なんだかアフロになったてめえは違うやつみてえで、より精悍でより逞しくなったように見える。
 
アフロになっても、てめえはオレのゾロだよな。
だったら、何だっていいんだ。
何したっていいんだ。

 サンジの心の中をさまざまな感情が駆け抜けた。
身体の中をさまざまな感覚が通り抜けていった。
感情と感覚の嵐に巻き込まれサンジの意識は混濁したが、気持ちは満ち足りていた。

 人生は行き止まりばかりの迷路のようなものだ。
ゴールがどこか分からずに間違った道に進む者は多い。
 一本、進む道や曲がる道を間違ったら、永遠に大切なものを手にいれることはできない。
 ちっぽけなプライドで、ひきかえすのを嫌がったり、失敗を認めなかったりしたために失うものは実に大きい。

 ゾロは普段は道に迷ってばかりで、画期的な迷子のくせに、いざという時には壁をぶち抜いてつき進むのだ。
そして、大事な答えにきちんとたどりつく。

 アフロマン化したゾロは快楽を楽しみながらも、同時に冷静にサンジの様子を分析していた。
 サンジの反応を見て、残存体力を瞬時に分析し、自分が楽しめる残り時間を割り出した。
サンジが意識を失ってもヤることを却下したら残り時間はわずかしかなかった。

 ゾロは思わずうなった。
これではアフロ化したのが、いいのか悪いのか分からない。
その時々の快楽は明らかに強化されたが、ゾロがパワーアップしたために、サンジの耐久時間が短くなっている。

 納得できねえ。
日々の修業の成果が出て、ゾロの持久力は増していたが、サンジの方が持ちこたえられないのだ。

 こりゃ、やべえ。
 ヤりすぎはまずいだろ。
 そう思いつつも、ゾロはとりあえずサンジの限界まではきっちりとヤった。
我慢できずに、あと少しヤってから、しぶしぶサンジから離れ、アフロパワーで素早く情事の後始末をした。

 ゾロはアフロ化しているうちに、いろいろ考えた。
どうやらゾロの場合、アフロ化したら思考力が3倍くらい増すらしくて、知識力・判断力もなぜか増していた。
その明晰になった頭脳で、どうやったらサンジの持久力が増すかとか、
うまく機嫌をとってヤりまくれるかとかを真剣に考えた。

 全アフロエネルギーを結集すれば、どんな過酷な試練でも乗り越えることができるのだ。
 アフロは偉大にして全能なり。

 ゾロは自分が思いどおりにサンジをヤり、
それにサンジが喜々として反応する姿を想像してニヤリと笑った。
アフロマンは想像力も豊かなのだ。

 アフロパワーでヤる時ゃ、やるぜ、オー、イエー!!!

  無意識でつぶやいたゾロは、自分の発した言葉に茫然とした。

おそれていた、一番嫌いな「アフロの国」の言葉が出てしまったのだ。
 空島の『へそ』のように、何かというと『オー、イエー』とつけるのがアフロの国のしきたりだった。

 ゾロのテンションは一気に下がり、おそろしくアフロ化していた自分を猛烈に悔しく思った。
 オレは世界一の大剣豪をめざすはずだろ!!
 アフロマンになんてならねえはずだろ!!

 そのうちに、ゾロの頭はいつもの短く刈り込んだ髪型に戻っていったが、
元に戻ると、あわてて剣を手にして、ぶんぶんと振った。
 
クソ、精神統一だ。
 アフロな剣士なんて聞いたことねえし、
またミホークと戦う時があっても、アフロ化することは許されねえ。

 まず人々には『アフロマンはヒーローだ』という思い込みがあるため、戦ってもらえねえ。
そして、アフロ化したら絶対的に強くなり勝つしかねえからだ。

 オレは自分の力で大剣豪になるんだ。
アフロの力で強くなりてえわけじゃねえ。

 ゾロは時も忘れて修業を続けた。
修業をしていると、時がたつのは早い。
 修業をして、寝て、メシを食って、また修業して、寝て、メシを食う。
いたってシンプルな繰り返しだ。

 だが、そこに『サンジ』が入るとリズムが崩れるのだ。
どうも必ずテンションが上がり過ぎて、ゾロは毎夜アフロ化するようになってしまった。

 昼間はとりつかれたように修業をするか、寝こけているゾロが
夜どんなことをしているかを知っているのはサンジだけだった。
 




サンジは困っていた。
 ゾロが毎日ヤる気まんまんなのにも困るが、
それ以上に困るのはゾロが本当にアフロマンらしいからだった。
もりもりと盛り上がった髪型はあまりにもリアルだし、
何よりもアフロマンになったら、ゾロが微妙に違う人になっているのだ。

 口にこそしないものの、心の中で『オー、イエー』とか言っていそうな雰囲気がひしひしと伝わってくるのだ。
あふれるアフロ魂がただよってくるのだ。

 どうしていいか分からないサンジは手にしていた封書をじっと見つめた。
 ひと月くらい前にナミからもらった悩み相談に出す手紙だ。
 ナミさん、今日のカモメ便で出すから、早く書けって言ったよな。
匿名希望で出すから、誰が書いたか分からないって・・・。

 サンジは悩んだすえ、便箋に文を書いて封筒に入れ、ナミのところに持っていった。
「あら、サンジ君、悩み書けたの? 
タダじゃないのに、特別に
 送ってあげるから感謝してね」

「ああ、ナミさん、オレのためにそこまでしてくださるなんて、
 愛の力は偉大だーーー!!!」
突然またラブハリケーンが起きて、くるくる回るサンジを無視して、
ナミはサンジの悩みの手紙の上に、タダでもらえる応募券を貼れるだけ貼り、
ついでに懸賞申し込みをびっしり書き込んだ。

 これで、重量ぴったりだわ。
サンジ君の悩みが何か知らないけれど、楽しみだわ。

 ナミは上機嫌に封筒を閉じると、
飛んで来たカモメに手紙を渡した。
 





10
アフロマン
NOVEL

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