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アフロマン

 16





いつもならすぐ怒りは解ける。
しかし、何日たってもサンジはゾロを避け、
毎日おあずけをくらわされたゾロはだんだんイライラしはじめた。
あれこれ策を考 えたが、近くで様子を見るとか、皿洗いを手伝うとか、それくらいのことしか思いつかなかった。

 アフロ化している時は、サンジの好きなことや考えていることが、手にとるように感じられたし、
すらすらと言葉を紡ぐこともできた。

だが、オレはアフロマ ンじゃねえ。
アフロになんてならねえって決めたはずだ。
アフロの力なんて必要ねえ。
そんな力がなくても、あいつはオレのもんだ。 

確かに、あの日、あのま まで昼前までいたのはやばかった。
とりあえずサンジの機嫌がなおるまで待つしかねえ。

 ゾロは無心になるために刀を手にとった。
 弱き心はこの剣で斬る。
アフロ化を押さえ、剣の力で世界を制してこそ真の大剣豪になれるのだ。
剣のさばきを強くするだけではだめだ。
剣を使うこの心を もっともっと強くしねえと。
 何事にも惑わされねえ強い意志を手にいれねえ限り、大剣豪にはなれねえ。
自制心。
克己心。
 欲望のまま、突き進むだけではいけねえ。
それを律する精神が必要だ。
 アフロの血を乗り越える精神力を手にいれた時、
オレは本当に勝ったといえるのだ。

 修業をするゾロの耳に、切れ切れにアフロマンの話題が聞こえてくる。
 ここ数日、ウソップが電波放送をしきりと聞いているのだ。

「今回は有名な霊能力者の方に来ていただきました。
透視の結果、アフロマンのイメージは『サメ』で、恋人のイメージが『アヒル』だそうです」

ゾロは思わず刀を振る手を止めた。
 かねがねゾロもサンジをアヒルっぽいと思っていたのだ。 
・・・当たってるじゃねえか。
あいつはアヒルだろ。

 ゾロが刀を振る手を止めて電波放送を聞いていると、
キッチンの扉が開いて、ぎくしゃくした動きのサンジが出てきた。
「ナミさん、ロビンちゃん、食事ができましたーーーー !! 」
がんばって叫んでいるが、いつものラブコック度は5割方パワーダウンしていた。

 最近、サンジはあきらかに元気がなく弱っていた。
身体のほうはとっくに元気になっているはずだ。
しかし、こう弱っていたらしばらく手出しできそうにね え。
ゾロはため息をついた。
 サンジはゾロの姿に気づいたが、そっぽを向いた。

「・・・ついでに、てめえも来やがれ」
 口でどうでもいいように言いながらも、耳が少し赤くなっている。
 
・・・可愛いじゃねえか・・・。
 ゾロはもう、その赤くなった耳が少し熱もっていることを知っていた。
触れるともっとじんわりと熱があがり、サンジの表情はとろけるように変わる。
 それはどんな酒よりもゾロを酔わせるものだった。
 ひねくれて素直でないサンジの中に隠れているのは、子どものような無垢な顔だ。

 サンジは不思議な男だ。
対極にいると思えば、同じ信念を持ちともに戦うこともある。
女にメロメロになりわけが分からなくなってばかりかと思えば、頼りに なる時もある。
 目まぐるしく変わるその姿は、ゾロには理解不能だ。
 理解できるから惹かれるのではない。
理解できないから惹かれるのでもない。
愛だの恋だのという感情はゾロには無縁のはずだった。
 サンジのことを考えれば考えるほど、迷宮にはまりこんで行くような感覚になった。

 いくら欲しても満たされない。
触れれば触れるほど苦しくなり見つめているだけでより愛しさを感じる。
 ヤりてえけど、ヤれねえからといって、サンジに対する感情が変化するわけではねえ。

「前回の占いによると、アフロマンは『虎』で、恋人は『狐』
 だそうです。
これについての情報もお待ちしています。
前々回の『緑のレタス』と『とろけるチーズ』について情報をお持ちの特別ゲストをお迎えしてい ます。
フォクシー海賊団から、船長のおやびんさんとポルチェちゃんに来ていただきました」

「いやん」
 最近戦ったばかりのあいつらじゃねえか!!!
     ゾロは電波放送の受信機を今すぐたたき斬りたい気分になった。
最近、船に海賊狩りのほかにアフロマン狩りらしき不審人物もあらわれるようになっている。
と はいえ、もともと賞金首の揃った船なので、生活自体に特に変化はない。
邪魔者はやっつけるだけだ。

 ルフィなどは、突然の襲撃者が増えたことを明らかに楽しんでいる。
 ウソップが熱心にアフロ情報を仕入れ、逐一サンジに報告しているようで、
ゾロからみてもサンジはかなり消耗している。
ゾロは欲求不満の日々が続いていた が、さすがにサンジにいろいろすることは憚られた。

 もうすぐ、新しい島に着くらしい。
 そしたら、サンジをどこかの宿に連れ込んで、
アフロ情報をシャットアウトしていろいろなことをするのだ。
ゾロは相変わらず無表情だったが、キれそうなくらいストレスがたまっていた。

 電波放送では、インタビューが続いていた。
「・・・それで、その麦わらの海賊団の二人を貴男はそう呼んだのですね? 
それではかの高名なロロノア・ゾロがアフロマンということになりますね。
お 相手は金髪の暴力コックですね。
 実に興味深い・・・。
貴方の御意見はアフロリストの428697番に登録されました!!」

食事時間は、その電波放送のことでウソップとチョッパーが興奮し ていた。
「凄いな、あいつらゾロがアフロマンだって言ってたよな。
エッエッエッ」
「まいったなあ、これでこのゴーイングメリー号はますます狙われてしまう。
今こそ、キャプテーーーン・ウソップの出番が!!!
 実は秘かにアフロマン探知機を作ったのだが、それがうまく作動しないのだ。
アフロマン値はいつもゼロなのに、残留アフロマン値の針がいつも振り切れ てしまうのだ。
どうしてかは現代の科学をもってしても分からない・・・」

サンジはウソップが首をひねりながら言うのを見ながら、激しく汗を流した。
「特許とれると思ったのになあ」
ぶつぶつつぶやくウソップはまわりの奇妙な雰囲気に気づかなかった。

 うそ、残留アフロマン値なんてものがはかれるの? 
それは、まずいわ。
最近、ゾロはアフロマン化してないみたいだけど、アフロマン値なんかがはかれたら 厄介だわ。

 ナミはむっつりと食後のお茶を飲んでいた。
このところずっと身の安全と金儲けへの欲望が葛藤を続けているのだ。
ナミの筆跡は情報として流出している。
だ から、迂闊には動けない。 
もうすぐ着く島。
 そこでどれだけの情報が流れているのか。
あの手紙がこの船から出たことは調べられたら分かるかもしれない。
カモメ便のカモメが覚えているかも。
 来るとしたら、敵は本物。

 陸には明日着く。
けれど、今日の電波放送のすぐ後で、ゾロとサンジ君を一緒に買い出しに行かせるわけにはいけないわ。
二人でいると悪目立ちするもの。
 ウソップやチョッパーでは、何かあった時どうにもできない。
この際、例外的に、サンジ君にはルフィをつけるしかないわ。
人はより目立つものや名の売れたものに注目する。
サンジ君への視線や疑惑はルフィに向けられるはず。

「明日の買い出しは、サンジ君とルフィね」
 ナミの提案に一同はどよめいた。
それほど稀な組み合わせなのだ。

「次の島は賞金稼ぎも多いらしいの。
サンジ君、ルフィの見張りを頼むわ」
「まかせてください、ナミさん!!!
  
オイ、ルフィ、ナミさんからの直々のお願いだ。
減った食材はもうてめえは一生食う事はできねえと思え」
早速おどしにかかるサンジにルフィは汗を流していた。 

ゾロはその様子を苦虫を噛み潰したような顔で見ていた。
ナミが座っているテーブルの下からゾロの足 を蹴飛ばした。
 バカね。
サンジ君は狙われてるのよ。

 占いや霊能の結果出たデータは全部、外見が黄色っぽいというものなの。
英雄は金髪が好きと誰かが言い出して、ゴシップ新聞とかでは、
今やアフロマンの恋 人は二十歳くらいで金髪ってことが常識になってるのよ。
 ていうか、調べてみるとズバリ当たってる占いや透視がいっぱいあって、冷汗が出たわよ。
 この状況下では、まだルフィが追いかけられた方がマシだわ。

 


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ア フロマン
NOVEL

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