OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!  
OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!
OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!  



アフロマン

 20





 そこにはアフロヘアーの男が仁王立ちになって、下を見下ろしていた。
サングラスをかけているために、はっきりした表情は分からない。

しかし、ものすごい怒 りの波動を感じ、
男たちは蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ始めた。

「アフロフラッシュ!!」 
ものすごい轟音と閃光があたりまで響き渡り、
建物は一瞬にして崩壊した。

 何が起こったのか分からないリタは、
自分が宙を飛んでいることに気づいた。

誰かの腕がしっかりとリタの身体を支えていた。
 振り返ったリタは信じられない光景を見た。

 自分とサンジを腕に抱いて空中を駆けているのはアフロマンだった。
 アフロマンは存在した!!!
 そして、絶体絶命のピンチを助けてくれた!!!

 瞬速で空を駆けているため、どこをどう飛んでいるのかさっぱり分からなかった。
 雲の中を飛んだ気がした。
建物の間をすり抜けていった気がした。
森や林を抜け、
海の上を飛んでいった気がした。

 風はさわやかで、空気はどこまでも澄んでいた。
 悠久の大地に存在する、ちっぽけな人々の営みがバカらしく感じられた。
小さなことにこだわり一喜一憂することはないのだと感じられた。

 地はこんなにも広く、天はこんなにも高い。
 あるがままでいいのだと大地は無言で語りかけてくれる。
どうして私たちは気づかなかったのだろう。
どうして多くを望みすぎるのだろう。 

リタは空を飛び ながら涙を流していた。
 世には天命というものがある。
母親の病気が治らないなら、それもまた天命なのだ。

 人はいつか死ぬ。
だからといって、アフロマンの力にすがるのは間違っている。
何かがしたいからって、人に頼るのも間違っている。
等身大、自分にふさわし いことを知ること、それができてない人々のいかに多い事か。

 人は努力しなければいけない。
だけど、がむしゃらにがんばるだけでは疲れてしまう。
他人の力にすがっているのは楽だ。
自分ひとりでどんなにがんばって も、いつかは疲れてしまう
。それでもがんばり続けるのか、疲れてすべてを投げ出して楽な方に向かうのか。
 
冗談じゃない。
私は悪の欲望になんか負けない。
報われないつらさにも挫けない。
ひたむきに生きるだけでいいんだ。
何一つ手に入らなくてもいいんだ。
無理して潰れたり自分を無くしてしまうより、ずっといい。

 涙を流し、目を閉じているリタは、幸いなことに気づかなかった。
ゾロの左手は確かにリタを抱えていたが、
右手ではしっかりとサンジを抱きしめて、その身 体を密着させていた。

 サンジは頬がくっつくくらいぎゅっと抱かれて、赤面した。
「余計なこと、させるんじゃねえ」
ゾロに飛びながら囁かれ、
サンジは不覚にもドキドキした。

やっぱり、てめえは正義のヒーローだったんだな。
そう思うと、 胸がきゅうっとなって、ゾロがもっと好きになった。

 ゾロはサンジの気を感じ、悪い気はしなかった。
サンジはどうみてもやっぱりカンチガイしているのだが、
サンジの心の中からゾロ好き光線が溢れて来るよう で
、それに直撃されると、ゾロはもう身動きとれなくなってしまうのだ」

「なあ、リタちゃんのお母様に、ちっとてめえの姿見せてやってくれよ」
サンジに懸命に『お願い』されてしまうと、どうも弱い。
アフロマンは欲望にも正直だが、
自分の気持ちにも正直になってしまうのだ。

「・・・今度だけだぞ」
つい同意してしまい、
サンジにうれしそうに抱きつかれると、ゾロの心は高揚した。

「オー、イエー!!」
つい呟いてしまうが、
それでもサンジはゾロにぎゅっとくっついて来た。

 アフロマン化したゾロはすべての探知器や記録機器をことごとく破壊しながら空を飛んだ。
ゾロもどうして飛べるのか分からなかったが、
それはどうでもいい ことだった。 

リタという女を母親の元に送りとどけると、
床に伏していた母親がよろよろと起き上がり、ゾロに手を合わせた。

 ・・・オレはホトケさんとかじゃねえってえの・・・。
 地面に頭をこすりつけんばかりの勢いで礼を言うのを制して、
ゾロはサンジを抱きしめて飛び立った。

 


21
ア フロマン
NOVEL

 OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!  
OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!
OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!    OH  YEAH  !!!