R20
悪の華
XS

届かない大空
(九代目×S・家光×S ほか)

罪と罰
Squalo14-22
R20

(オッタビオ×S その他×S 注意)
注意
スク陵辱(20禁)


2



 
ヴァリアーの謹慎は3ヶ月ほどたつと解かれ、みなアジトに戻って来た。
スクアーロも、アジトにある自分の部屋に戻った。
ザンザスの部屋はそのまま残されていたが、
執務室には、ボス代行のオッタビオが入ることになった。

ザンザス様の座った椅子、
ザンザス様の使用した机、
そのまま残された書類や文具。
すばらしい。
この部屋は私の手に入った。
オッタビオは執務室の椅子に腰を下ろすと、うっとりとして部屋の中を見回した。

あの方の持ち物はすべて私のもの。
あの小憎らしい子どもたちもそうだ。
ゆりかご事件の当事者でありながら生き延びた幹部たちは私の支配下に落ちた。

オッタビオは手元の報告書に目を落とした。
「S・スクアーロの行動に関する記録」
記録を見る限り、特におかしなところはなかった。
ゆりかご事件に関わった者が任務に行く時は、
必ずオッタビオの息のかかった部下を同行させている。
スクアーロは自ら戦いを望み、休みなしに仕事を入れているのでスケジュールにゆとりなどない。
たまの自由時間にはルッスーリアやベルフェゴールやマーモンと外出している。

あとは、定期的な本部からの呼び出し。
ゆりかご事件の首謀者代理という形で、
その件の伝達事項はスクアーロに任せられている。
あたり前だ。
九代目の元までたどりついたのは、ザンザス様とスクアーロだけだった。
あぶないところだった。
私が計画についてそっと漏らしていなければ、あるいは今ごろはザンザス様は十代目を名乗っていたかもしれない。
あの方には、それほどのカリスマ性がある。
けれど、今は冷たい氷の中だ。
私にお命じになったら、どこまでもついて行ったものを。
なぜ、ザンザス様は、私でなく、あの下品な銀の子どもを選んだのか。
ザンザス様をおとしめたのは、あの銀の子どもだ。
罪には、罰が必要だ。

オッタビオは、書類をファイルにしまうと、内線電話をかけた。
「スクアーロ、執務室に来てもらえますか? 今すぐ、です」

電話をかけて3分ほどすると、スクアーロが執務室にやってきた。
スクアーロは先ほど本部から帰って来たばかりだ。
オッタビオはちらりとその姿を見た。
顔色がすぐれず、覇気もない。
帰ってきたところで、まだ服も着替えておらず、何らかの処理をする時間もないはずだ。

「遅いですね。あなたの部屋から、ここはそんなに遠かったですか?」
オッタビオは何食わぬ顔で言った。
スクアーロの様子を探らせてみると、
部屋に閉じこもって出て来なくなるのは、本部に行った後が多いということが分かってきた。
何度かそっと様子を観察したが、明らかに少しおかしい。
ザンザスやゆりかご事件のことを思い出すから妙なのかと思っていたが、それだけではない。
普段のうるさく傲慢で生意気な姿は影をひそめ、どこかけだるげで大人しくなっている。
なぜ九代目の守護者が、この子どもの詳細報告を欲しがったのかは分からない。
また反乱事件を起こすとでも思っているのだろうか。
ザンザス様のいないヴァリアーには、そんな力などないものを。

オッタビオは冷たい笑顔を浮かべた。
「点検したいので、服を脱ぎなさい」

スクアーロは、はっとした表情になり、固まった。
それを見ると、普段は押さえているどす黒い怒りがわき起こってきた。
そういえば、ザンザス様といる時も、ときどきこんな感じで弱っていた。

「隊員を呼びたくはないのですが」
オッタビオは受話器をとった。

「な・・・何でだぁ・・・?」
スクアーロは明らかに動揺し、唇を噛み締めている。
握りしめた手はかすかに震えていた。

「それは見たら、分かります。
どんなに隠しているつもりでも、腐臭は隠せない。
君の身体からは嫌な匂いがします。
君がしていることはお見通しです」
オッタビオは、そう言うと、勝ち誇った笑みを浮かべた。

スクアーロは、しばらくためらっていたが、のろのろと服を脱ぎ始めた。
白くて薄い身体があらわになっていく。
身体のあちこちに赤い痣が残っていた。

「早く全部脱ぎなさい。
君たちは、せっかく自由になったのに、それを捨てる気ですか?」
スクアーロはぎらりとした目でオッタビオを睨んだ。
ゆりかご事件に関わったものは、
オッタビオによって監視され、本部に報告される。
いかなる命令であっても従い、忠誠を見せなければならない。
オッタビオは、「お見通し」だと言った。
だったら、こんなことをする必要などないはずだ。

オッタビオは冷たい目でスクアーロをながめていた。
剣がなければ、ただの子どもだ。
なぜ、こんな子どもにテュール様は倒されたのか。
なぜ、こんな子どもにザンザス様は手を出したのか。

スクアーロは、下着まで取り去り、うつむいて立っていた。
文句を言ったり逆らったら、オッタビオの思うつぼだ。
オッタビオは、冷酷な笑みを浮かべ、無言でスクアーロを見ていた。
スクアーロは、本部に戻った時点で倒れそうな状態だったが、
そのままで執務室にやってきていた。
上司に命じられたからだ。
屈辱的な状況で、疲れた身体を支えるのがやっとの下肢を伝って、白濁した液が床にこぼれた。

「それは、何だ?」
オッタビオは大げさに顔をしかめた。
予想通りだ。
しおらしいふりをして、一体誰に可愛がられてきたのか。
よく見ると、あちこち痣が残っている。
腕に残っているのは、手形か?
ザンザス様がいなくても、すぐに男を銜え込んでいる。
いやらしい子どもだ。
罰を与えなければ。

オッタビオの動悸は激しくなった。
目はぎらぎらと光り、
熱に浮かされたようにスクアーロを見つめた。

正気じゃねえ。
スクアーロは、
思わず後ずさった。

途端に、ものすごい力で張り飛ばされた。
一見、軟弱そうなオッタビオのどこにそんなに力があるかと思うほどの圧力で、
スクアーロは壁に叩き付けられた。
頭をぶつけて、一瞬意識が飛んだ。

こんなことなら慣れている。
ザンザスが機嫌の悪い時は、
死ぬかと思うくらい殴られることもあった。
いきなり犯されることもあった。
さっきだって、「九代目への忠誠」を誓わされたばかりだ。

スクアーロはのしかかってくる男の荒い息を感じながら、
目を閉じた。
すぐ終わる。
こんなのは大した罰じゃねえ。
しばらく耐えればいいんだ。

オッタビオは夢中でスクアーロの身体をむさぼった。
あの方の触れた身体。
いやらしい身体だ。
こんな子どもをあの方が寵愛するわけがない。
この身体が気に入ったのか?
オッタビオは、激しく貫きながら、スクアーロの首に手をかけた。

細い首だ。
手折るのなどたやすい。
この子どもを殺す夢を何度見たことか。

スクアーロが現れるまで、このオッタビオがザンザス様の一番の側近だった。
あの方の不安を支えることができるのは私だけだった。
ザンザス様は私の神にも等しい存在だった。
それなのに、あの方は美しい氷の彫像となって時を止めたままだ。
そう、美しいオブジェのように、時を止めた。
怒りと憎しみを封じ込めたまま、時を止めた。

どうして、ああなってしまったのだ。
この子どものせいだ。
威勢だけはいい、頭の悪い、淫らな子ども。
私が尊敬してやまないテュール様もこの子どもに奪われた。
ザンザス様をたぶらかせたのも、この子ども。
なんと罪深い。

罰せられて当然なのだ。







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