Delirious  Blizzard
 
 


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スモーカーは頭上を見上げた。
頭の上は暗雲が立ちこめ、
既に雪が降り始めている。

まずいな・・・。

「固まって進め!!!!」
ふりしきる雪が激しさを増して来た。
視界がだんだん悪くなっていく。
必死で進んでいるのに、
わずかほとんど進んでいるような気がしない。

左の沢で轟音がした。
・・・雪崩だ!!!

雪山の雄大さからすると人間の存在などひと粒の砂のようなものだ。
一瞬のうちに押しながされて、
そこには何も残らない。

ゴオオオオオオ!!!
すさまじい音とともに、
真っ白い雪煙が上がっているのが見えた。

来る!!!!
絶望的な思いでスモーカーはその煙を見た。
どんどん自分たちのいる方に近づいてくる。
地面が揺れ、立っていることも出来ない。

「・・・しろ!!!!」
スモーカーは力の限り怒鳴った。
だが、全てはかき消されてゆく。
音はさらなる音で。
視界はまっしろな雪で。
 
 
 
 
 

ウソップはがたがた震えていた。
せまりくる死の気配。
神様、仏様、お助けを!!!!

「よけろォォォォォ!!!!」
誰かが叫んでいる。

雪が生き物のようになだれおちてくる。
見てはいけない、
そう思っても恐怖のあまり目がそらせない。

危ない!!!
雪崩が来る!!!
はやくよけろ!!!

とり残されていたウソップを誰かが物凄い力で突き飛ばした。
 
 
 

ゾロはサンジが身をていして、
ウソップをつきとばすのを見た。
その瞬間、
身体が動いていた。

・・・サンジを助けねえと。

ただ、それだけしか考えていなかった。

目の前にある倒れたサンジの身体。
それ目指して突き進む。
捕らえたと思った瞬間、
すさまじい雪崩に直撃された。

ぐあああああ。
胸を押しつぶされるような痛み。
 
 
 
 
 
 
 

「サンジぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
「ゾロぉぉぉぉぉ!!!!!」

ゾロとサンジは部員の目の前で雪に呑まれ、
押しながされていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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