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「それでね、その宝石を持つものは世界を手に入れることができるっていうの」
オレンジ色の髪の少女はうっとりとした視線をさまよわせた。

「・・・ちょっと、
あんたたち、
聞いてるの?」
「ナミさーーーん、
聞いておりますとも。
あなたのおっしゃることなら全部!!!!」
「サンジ君は黙ってて!!!」
ナミは目をハアトにして近寄ってくる金髪の青年を制すると、
反応も示さず食事を続ける少年たちに容赦ないゲンコツをくらわした。

「・・・ひふえ・・・!!」
「ばびじやばぶぶ!!!」
涙目になりながらも食うのを止めない二人。

「オイ、ナミさんの話を聞かねえやつはメシ抜きだ!!!!
これからメシ食わねえのは、ルフィか?
それともウソップか?
あァ?」
ナミに対する時と別人のような態度のサンジがルフィとウソップに詰め寄る。

「・・・聞くって・・・な、ルフィ」
一度見たら忘れない特徴的な鼻を持つウソップが、
サンジの迫力にあとずさる。

「聞いた、もう。
でもメシ抜きは困る!!!」
自信たっぷりに言う黒髪の少年。
「ルフィ盗賊団の次のターゲットってことだろ。
作戦はいつものようにナミにまかして、
オレたちは食う!!!!」

ナミは呆れたように溜め息をついた。
「ルフィ、今度のお宝はいままでのようなお宝じゃないのよ。
世界最高の宝石なの。
伝説の秘宝なのよ」
そう、ナミが子供の頃から夢に描いたお宝。

正確にはブルーサファイヤ。
だがその硬度・大きさ・輝きは尋常ではない。
握りこぶし大の大きさ。
その宝石を手に入れるために人々が犯した罪の数々も語り継がれるほどの。
「オールブルー」
どこから見てもきらきらとした輝きが絶えることなく、
見るもの全てを魅了してやまない伝説の宝石。
手に入れるために苦労した話、
それと同じくらいそれを手に入れたものが幸せになるという話。
幸福の青い石。
でもそれが同時に世界最高の宝石でもあるのだ。

普通は、
宝石にまつわる話は血なまぐさいものが多い。
いくら美しくても輝いていても。
でも「オールブルー」は違うのだ。
どの話を聞いても、
「しあわせ」で終わるのだ。
望むものを手に手に入れることのできる宝石。
夢の石。
だから人はよりその宝石を欲しがる。

伝説の宝石。
それは誰も見たことがない。
ナミが泥棒稼業を始めてから、
ずっとずっとさがし続けていて、
やっとつかんだ情報。

「オールブルー」はある。
希代の大富豪ロロノア家に。
 

「オールブルー作戦の全貌を話すわ。
今から作戦開始よ!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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伝説の秘宝オールブルーを狙え!!!

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