2

 
 
 
 
 

ロロノア・ゾロはいつものように昼寝をしていた。

今日の剣の稽古も終わったし、
 もうすることがねえ。

寝ていると、
誰かが頬に冷たいものを当てている。
ひんやりして、
イイ感じだ。

「オイ!!!
こんなとこで寝るなってえの!!!」
目を開けると、
見たこともない男がいた。
金髪でちょっとめずらしい眉をしている。
ゾロは自分の知人のどのタイプにあてはまるか考えたが、
さっぱり思いつかなかった。

・・・だれだ・・・?
知り合いにこんなやつはいねえし、
ここはオレのうちだろ?
訝し気な顔をしていたのだろう。
金髪はべらべらと喋り始めた。

「あァ、オレここはじめてなんだよ。
コックなんだけどよ、オレ。
今度ここに来たんだけどよ。
バカ広いじゃねえか、
ここんち。
だからちょっと様子みようと思ってたら、
こんなとこ来てよ・・・。
そしたらカンカン照りだってのに、
てめえが寝てるからよ。
ちょうど冷てえもんあるし。
飲むか?」

見るとグラスに氷の入った飲み物が置かれている。
さっきの冷てえのはコレか。
ゾロは手にとって口をつけた。

・・・紅茶か。
ゾロは飲み物の詳しい種類は分からないが、
それは甘過ぎもせず、
まろやかで旨かった。

「どうだ?」
金髪は横にしゃがみこんで真剣な目でゾロの様子を見ている。
ゾロは一気に飲み干した。

「・・・イケるな」
そう言うと金髪は笑った。
ガキみてえな笑顔。

「だろ。
試作品だからちょっと緊張しちまったぜ。
また作ってやるぜ。
・・・ところで、
てめえ、誰だ?」

は?
・・・。
「・・・ゾロだ」
「あー、ゾロね。
覚えたぜ。
ハラマキのゾロだな。
オレはサンジだ。
愛の伝道師サンジとよんでいいぞ!!」
金髪はニコニコして言う。
・・・なんだ、
愛の伝道師って・・・。

オレは腹巻きが好きだ。
だから誰がなんといっても家じゃこのスタイルだ。
オレのハラマキに文句を言うやつを無事でおいておくつもりはねえ。
使用人はもう慣れてるらしいから、
ケチをつけるやつもいねえし。
外でるときはしょうがねえから、
それなりの格好していくが、
てめえ一人でいる時くらい勝手だろが。

「あっ、いけねえ。
こんなとこでぼやぼやしてる場合じゃなかった。
厨房はどっちだ?」
ゾロは厨房の場所など行ったことがないので正確には知らなかったが、
多分そっちの方だと思う方を指さし、
断言した。
「あっちだ」

金髪は素早くグラスを掴み、
「じゃあな」
というと身を翻して去って行った。
・・・コックってよりか、
ウエイターみてえな見てくれじゃねえか。
・・・ヘンなやつだ。
何故か黒いスーツの後ろ姿がいつまでも残像となって焼き付いていた。
 
 
 
 
 
 
 


next

伝説の秘宝オールブルーを狙え!!!

地下食料庫