13

 
 
 
 
 
 
 
 

サンジは重いまぶたを開けた。
頭がガンガンする。
ええと・・・、
夕べパーティーがあって・・・、
料理がやっと終わって、
オレが広間に行こうとしたら客の一人が来て、
料理を誉めたんだ。
オレはそいつにメシもう少し作ってやって、
ワインを飲んだ。
そっから覚えてねえ・・・。
だってあいつが「酒は弱いのかね」とかいうから、
つい飲んじまった。
オレ、どうやってここ帰ったんだろ・・・。
うーーー、
なんかすげえだるいし。

・・・そうだ。
すげえ、いい夢見たんだ。
アルビダおねえさまが、
オレとシてくださる夢。
すげえリアルだったよな。
やけに、
肌かたかった気はするけど、
夢だからな・・・。

あー、
起きて片付けしねえと・・・。
 
 
 
 
 

厨房に行くと、
昨日の片付けはきれいにされていた。
厨房のテーブルには、
チョッパーとヨサクとジョニーが深刻な顔をして座っていたが、
サンジがふらふらと入っていくと、
あわててヨサクとジョニーが立ち上がった。

「サンジのアニキ・・・」
「・・・てめえらが、片付けてくれたのか。
サンキュ・・・。
なんか二日酔いみてえで、
だりいんだよ・・・」
ヨサクとジョニーが複雑な顔をしたが、
サンジは自分があまりにも気分が悪いので、
まわりの態度がいつもと微妙に違うことに気づかなかった。

「あーあ。レディは帰っちまったのか。
クソ・・・ほとんどお会いできなかったじゃねえかよ・・・」
ぶつぶつ言いながら、
椅子に腰掛ける。
「あー、ケツまでいてえや。
コケたか、オレ・・・」

その瞬間、
チョッパーを含む三人が滝のように汗を流したことにすら気づかないサンジ。

「・・・ね・・・寝てろ、サンジ・・・。
二日酔いのクスリやるから」
医師でもあるチョッパーは震えながらクスリを差し出す。

「あー、そうする・・・」
大人しく言うことを聞くサンジの様子を見ると、
かなり調子が悪いということが分かる。
サンジは薬を飲むと、
すぐに寝てしまった。
 
 
 
 
 
 

「オイ・・・どうするよ・・・」
「ベッドに運ぶしかねえだろ・・・・」
「全然覚えてないみたいだ。昨夜のこと・・・」
 
 
 
 

ヨサクとジョニーは混乱しきっていた。
昨夜・・・。
確かに途中からサンジとゾロがいないのには気づいた。
アルビダはゾロがいないので、
怒って帰ってしまった。

サンジは疲れているのだろうと思い、
片付けをしていたら、
チョッパーが涙目でやってきた。
サンジのシーツを代えてくれと言う。

そこで見たものは、
憮然として腕組みをして立つゾロと、
着替えが終わり、
ソファに寝かされているサンジ。
サンジのベッドには濃厚な情事の後が・・・。
ジョニーはいつもアルビダが来た後の後片付けをしているが、
明らかに男同士なのでレベルが違う。
たぶん傷付いたのだろう。
出血の跡も残っていた。
何も言わないゾロに、
怯えながらベッドの片付けをした。
ゾロはその様子を黙ってじっと見ていた。
いつもなら、
片付けの様子など顧みもしないのに。
 
 
 
 

か・・・考えないように、しよう。
チョッパーは言った。
「このことは秘密にしておこう。
ミホークやクロにも言わないでおこう。
彼等はゾロのすべてを把握したがっている。
アルビダは彼等に認められているから・・・。
今回のことで、サンジが追い出されたりしたら、イヤだよ」
 
 
 
 

突発的事故だと思えばいい。
忘れたらいい。
幸い、サンジのアニキは覚えてねえようだし。
 
 

わ・・・忘れるんだ。
 
 
 
 
 
 
 


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