14

 
 
 
 
 
 
 
 

ゾロはもやもやしていた。
いくら剣を振っても気が晴れない。

昨夜、
サンジを抱いた。

誘って来たのは確かにアイツだったが、
途中から理性がふっとんだ。

あいつは酔っていたが、
オレは酔ってなかった。

男なのは関係なかった。
女のアルビダを抱いている時とは比べものにならない位、
興奮した。

夢中でヤった後、
我に返った。
サンジは完全に意識がなく、
ぐったりしていた。

あわててチョッパーを呼び、
手当てをさせた。
オレはかなり無理につっこんでたらしい。
オレは何て言っていいのか分からなかった。
 
 
 
 

サンジは寝ているらしい。
昼飯も作ってなかった。
身体に残った情事の跡。
ヤツはそれに気づくだろう。
自分のことにはまるで無頓着なコック。
ヤツはどうするのだろうか。

あれは事故みたいなもんだ。
そうだろ。
事故だ。
 
 
 
 
 
 

サンジはほぼ一日近く寝ていたが、
やっとのろのろと起き上がった。
あれ、また自分のベッドで寝てる。
やべえぞ、オレ。
チョッパーにクスリもらったとこから記憶にねえ。
・・・きっと歩いて帰ったんだな。
・・・そうにちげえねえ。

日が暮れかけてる。
メシの時間だ。
着替えようとして、
自分の身体に見なれぬ痣があちこちにあることに気づいた。

・・・なんだ・・・コレ。
身体は相変わらず重い。
なんだろ・・・ま、いいか。
やべえ・・・。
昼飯もオレ作ってねえぞ。

ゾロに食わせねえと・・・。
ゾロに・・・。

・・・ん?
今、何か頭をよぎった。
ゾロって思ったら、
なんかドキドキした。

まあ・・・いい。
メシだ。
メシ・・・。

のろのろと歩いて厨房に向かう。
なんとかメシを作る。
あー、自分の分作る気力ねえ・・・。
ゾロのだけ作ったら、また寝よう。
相変わらずのろのろと準備をしていると、
すぐ側にゾロがいた。

「あー、ちょっと待て」
てめえに構ってる余裕なんてねえんだよ。
そう思いながら、
料理を続けていると、
不意に身体が宙に浮いた。

ゾロはサンジを軽々と抱えて、
食堂の椅子に座らせた。

「そんな顔色で料理するんじゃねえ」
そう言うと、作りかけのままの料理を運んで来た。

「途中だぜ・・・」
「充分食えるさ」
そう、シャンクスの料理より遥かに食える。
生の素材からして違うらしい。

サンジはぼんやりとゾロが食っている様子を見ていた。

「何か思いださねえか?
ゆうべのこと」
ゾロは無表情に尋ねた。

「・・・ちょっと飲みすぎた・・・。
そんだけだ」
サンジの返事をゾロは真剣な目をして聞き、溜め息をついた。

「じゃ、そういうことにしとくか」
ゾロの言葉をサンジは聞き流していたが、
思いあたることもある。

コイツ何か知ってるのか・・・?
オレ、暴れたりしたんかな?
ヘンなアザあるし、
身体あちこちいてえし・・・。
覚えてねえけど、
ゾロとまたケンカでもしたんかもしれねえ。

まあ蒸し返すのは止めとこう。
こいつには聞きづらいから、
ヨサクかジョニーにこっそり聞こう・・・。
分からねえから、
ここはごまかしとくか。

「オレは全然どってことねえぞ」
そう言って、にっこり微笑んでやった。
営業用の笑顔だ。
オレは都合が悪い時はいつもこの手でごまかす。

ゾロはそのまま、
静かになった。
オレも今日は喋る気がしねえ。
静かだと、
ヘンな感じだ。
世界にゾロとオレしかいねえみてえ。
なんか緊張するぜ。

オレ、こいつが苦手なんかな。
ヨサクやジョニーやチョッパーみてえには接することができねえ。

なんでだ?
 
 
 
 
 
 


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