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サンジはこっそりとパーティー会場へ戻って来た。
ウソップを潜入させて、
いろいろゾロのうちを探す計画をナミさんがたてた。
ヨサクやジョニーやチョッパーは宝石の事は知らねえみてえで、
さっぱり情報はつかめねえ。
このままじゃ、
オレは本当にロロノア家の専属コックだ。
ここひと月、本当にそれしかしてねえ。
レディのいない毎日なのに、
なんとかなってるってのも悲しいぜ。

うちあわせも終わったし、
レッツナンパだ、今度こそ!!

「おい、お前、ゾロの・・・」
背後から声をかけられた。
やべえ、人がいたのかよ。
あせって振りかえると見覚えのある男がたっていた。
確か、エースとか言ったか。

手招きされて、
グラスを手渡された。
見たこともない色の飲み物。
こい青のカクテルのようだが、
口をつけるとほんのり甘い。

「クソうめえ・・・」
サンジは思わずつぶやいた。

「オールブルーって名だ」
一瞬ドキリとしたサンジの目を覗き込むようにしてエースが近づいて来た。
サンジも背は高い方だが、
エースはそれより背が高い。

「知ってるだろ。
伝説のお宝さ」
内心の動揺をさとられまいと、
サンジはエースを睨み返した。
それが不自然な程きつい視線になっているのにも気づかずに。

エースは一瞬、あれ?と思ったが、
何食わぬ顔をしてサンジに近づいた。

上目づかいに睨んでくるサンジを見て、
ニヤリと笑うと、
ゆっくりと唇を重ねた。

!!!!!
サンジの目が大きく見開かれた。

へっ、
コイツ何やってんだ?
あわてて、
エースを突き飛ばし、
混乱した頭をぶんぶんと振った。

「やっぱり、オマエの目に似てる」
謎めいた言葉。
サンジはどう解釈していいか分からず、
無言でエースを睨み返した。

気づかれた?
そんなはずはねえ。
オレはただのコックのはずだろ。
・・・どうする?
動揺をさとられちゃならねえ。
ごまかせ。
ごまかすんだ。

「そりゃ、オレはオールブルーなみにミリョクテキだからな。
お前もオレが欲しいんだろ?
おキャクさま」
そういって接客用の笑顔を浮かべてやった。
大サアビスだぜ。
男相手にめったに振りまかねえクソ愛想をふりまいておく。

「で、いつなら客になれるんだい?」
エースの言葉にサンジはあわてて返事をした。
「あー、明日は忙しいし・・・。
って、客かよ!!!」
クソ、受けやがったか、話を。
度胸のあるフリしやがって・・・。
そっちがその気なら続けてやるとも。
「あー、あさってなら空いております」

「じゃ、あさって迎えに行く」

へ?
えーと。
なんでコイツは「バカなことを言うな」とか、
「ふざけるな」とか言わねえんだ?
言うだろ、普通。
っていうか、言うべきとこだろ、今のはよ。
迎えに来てどうするんだよ・・・。

固まっているサンジの襟首を誰かが強く引っ張った。
振り返ると不機嫌そうなゾロが立っていた。
「帰るぞ」
そう言いながらサンジをずるずると引きずって行く。
 
 

エースはにやにやしながら、
二人の後ろ姿を眺めていた。
 
 
 
 
 
 
 


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伝説の秘宝オールブルー

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