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ゾロがもう一週間も帰ってこない。
運転手としてヨサクがついていったままだ。
サンジはゾロの専用コックなので、暇だ。
あまりに暇なので、使用人の食い物を作ってやっていた。
ゾロがいないのをいいことに、
ウソップとサンジは隙を見てはあちこち物色していた。
一人がジョニーとチョッパーを引き付けておけば好きに捜せる。

だが、それらしい金庫も一切ない。
金目のものは会社の特殊金庫に全てあると言う。

「オイ、あったか?」
「おかしい・・、ウソップ様の宝石探知機にも反応しないし・・・」
「やっぱり、この家にはないんじゃねえの?」

ナミの提案した最終手段。
それは、予告状を出すことだ。

この数日で見つからなければ、
予告状を出す。

大事件として扱われることだろう。

ナミさんは、どうしても「オールブルー」を手に入れるつもりだ。
事をあらだてるのは好ましくない・・・。

この屋敷は探し放題だ。
だが、いくら探して気配すら感じない・・・。
 
 
 
 
 
 

「いやあ、サンジのアニキのメシは絶品です!!!」
皆がにぎやかに庭にしつらえたテーブルを囲んで食事をしていた。
ゾロが帰ってこなくなってから、毎日。
にぎやかな食事。
食事はこれがいいよな。
「クソうめえだろ」
サンジは急にみなの顔が固まるのを見た。

険悪な雰囲気。
見るとゾロが不機嫌に立っていた。
「おお、ゾロ、やっと帰ってきたのか。
おせえよ、てめえは」
針の筵に座らされたような気分のジョニーとチョッパーとウソップにはまるで気づかず、
脳天気な言葉を吐くサンジ。
ゾロの目がギラリと光る。

「けど、ちょうどいい時に来たな。
食えよ、コレ。
うめえぞ」
ゾロはしばし、睨みをきかせていたが、
無言でサンジから皿を受け取った。

疲れる仕事をして帰って来たら、
コックは使用人と仲良く談笑中。
・・・誰にでもなつくんじゃねえ。
ムカついたが、
メシを差し出されたら、なんとなく皿を受け取っちまった。
焼き立ての肉を食う。
・・・うめえ。

こいつの料理ってこんなにうまかったか?
ゾロはガツガツと食べた。
「ゆっくり食えよ」
サンジはそう言うと、近くの席に座ってタバコをくゆらす。

取りあえずゾロが食い始めたのを見ると、
そそくさとチョッパーたちは席を立った。

・・・こええ。
やっぱり、ゾロはめちゃくちゃこええよ。
ウソップもドキドキしながら、
逃げるように席を立った。
睨んでた・・・。
絶対に・・・。
サンジのメシ食ったからか?
何も悪いことしてねえだろ。
オレ、狙われてるよな・・・・。
敵視されてる?
あのゾロに・・・。
あわわわ。
命がいくつあっても足りはしねえ。

あのゾロの隣で嬉しそうにメシ食わせてるサンジ・・・・。
・・・確かに、デキてるっぽいところもある・・・。
あやしいよな・・・。
 
 
 
 
 
 
 

ナミから出た最終指令。
「体当たり戦法」。
「サンジ君にしか使えない技よ。
それも効く相手はロロノア・ゾロだけ・・・。
ああ、エースにも使えるのかしら」

「ま、一応、やるだけやってみる。
ナミさんの言う通り、
でけえヤマにはしたくねえ。
ゾロが吐いてくれりゃあな・・・。
あんまり期待できねえけどよ・・・。」

サンジは溜め息をつくと、
届けられた指令書の封を切った。
 
 
 
 
 
 
 
 


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伝説の秘宝オールブルー

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