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クロとミホークは顔を見合わせた。

寝ていたら、
警備装置の赤ランプが点滅した。
ゾロの寝室からの緊急警報。
部屋の破損を知らせるものだ。

密かに作ってある、
監視部屋へ行き、
ゾロは許可してないのにつけている高性能のカメラのスイッチを入れた。

そこに飛び込んできた映像は・・・。
壊れた壁と、
血を流しながら、
床でサンジを抱くゾロの姿。
 
 
 
 

ゾロがサンジを気に入ってることは知っていたが、
まさかこういう意味あいでとは・・・。
「百計のクロ、
これをどうするつもりだね」
ミホークは渋い顔をして言った。
コックとしてサンジを選んだのはクロだ。
だがしかし、こういう展開は予想していなかっただろう。

「貴男の教育、欲しいものを手に入れる為に全力を尽くせと教えた結果では?」
クロは不快な表情を隠そうともせずに言った。
「意志が強すぎて、時に理性をなくす。
魔獣といわれるゾロの悪い癖だ。
自己も制御できぬ激しさ。
そうだろう、ミホーク。
貴男がゾロを斬ったのもそのためだ。
あの傷は剣が絡むと理性をなくすゾロに対する戒めのはずだ」

剣しか欲しいものを持たなかったゾロ。
身を焼き付くす野望を殺すために、
ミホークはゾロと戦った。
そして破れた。
傷は暴走する生き方への忠告であり、戒めのはずだった。

「我々はどこまで口を挟むべきか、問題だ」
ミホークは画面から目を反らさずに続けた。
明らかに暴力的な陵辱。
日常的に暴力行為をしていた二人だが、
それは対等なもので、
ミホークはサンジのことを感心していた。
あのゾロと渡りあえる存在は少ない。

ゾロを変えることは難しい。
だから我々はゾロを放置しておいた。
だが、このサンジはゾロを変えた。
それも望ましい形ではない。

ロロノア家の当主に相応しい、希代の名君をつくること。
それが我々の望みだ。

そのゾロが獣のように男を抱いている。
好ましくない。

サンジか・・・。
我々には必要のない男かもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
 


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