30

 
 
 
 
 
 
 

ナミはふるえる手で新聞を受け取った。
見出しには、
「麦わら盗賊団の一味逮捕!!」
とでかでかとかかれている。

写真はよく見るとサンジだが、
違う男にも見えなくもない。

「オールブルー専用警備設備破壊の現行犯で逮捕。容疑者は黙秘を続ける」
との短い記事が載っている。
 
 
 
 
 

何故逮捕されたのか?
本当に、オールブルー警備設備というものがあったのか。
それはウソップの情報にはない。

どういうことなの、サンジ君。
何があったの。
何をしたの、貴男。
 
 
 
 
 
 
 
 

ロロノア・ゾロは書類に判を押してためいきをついた。
ちっ、くだらねえ。
だから会社に来るのはイヤなんだ。
普段こねえから、
仕事はたまる。
オレの性分じゃねえんだよ、こういうこたあ。
もう何日ここから出てねえんだ。
オールブルー事件の応対もわずらわしい。
ここでいるとあのスモーカーとも遭わねえし、
静かでいい。
ヤツらがオールブルーを見つけることはできねえ。

ありかを知っているのは、
オレと。
クロと。
ミホーク。
そこ以外から情報が漏れることはねえ。
それは閉ざされた情報だ。

あの女は、警察を通して情報を得るつもりだ。
そうはさせねえ。

しかし、ここにいるのも飽きた。
クソッ。
身体もなまっちまうし、
食い物もまずい・・・。

アイツ・・。
どうしてっかな。
あのアホコック・・・。
またヨサクやジョニーにメシ食わせてるだろうよ。

クソ・・・。
アイツが何だってんだ。
ヤツが何しようと、
オレには関係ねえだろ。

アイツが側にいるとイライラするから、
仕事してりゃちょうどいいかと思ったんだが、
クソ・・・。
やっぱり落ちつかねえじゃねえか。

あと少しで今月の仕事は終わる。
とっとと終えて、
家に帰るか・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 

ゾロはいつものように迎えの車を待った。

ヨサクが憔悴しきった顔であらわれた。
「ゾロのアニキ・・・。
お待たせしました・・」

様子がおかしい。
「オイ、何かあったのか?」

「サンジのアニキが・・・・。
逮捕されました。
2日前です。
容疑はオールブルー窃盗容疑です。」
 
 
 
 
 

ゾロの表情が硬くなった。

逮捕?
サンジが逮捕?

バカな・・・。
いや、あいつはナミの一味だ。
逮捕されるのはあたり前だ。
当然のことだろ。

どうせ宝石を探していて、
スモーカーに見つかったんだろ。

あいつは泥棒の一味だ・・・。
当然の報いだ。
いつかは逮捕される・・・。
そして監獄に入り・・・。
オレの元から、去る。
 
 
 

・・・ダメだ。
そいつはダメだ。
何でか分からんが、
とにかく、
ダメだ。
 
 

アイツは、
オレのコックだろ?
 
 
 
 
 
 

「車を出せ。どこに投獄されている?」

なぜ、オレに知らせなかった。
2日も前に!!!!

知っていたら。

アイツは盗賊団の一味だ。

だが、オレにとっては・・・・。
関係ねえ・・・。
そんなこたあ。

サンジのメシが食いてえんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 


next

伝説の秘宝オールブルー

ura-top