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スモーカーはゾロを待っていた。
ゾロの館は警察官を閉め出している。
あっさり入れていた門は、
警官を立ち入らせないために警備がかけられている。
・・・普通、逆じゃねえのか?
まあ、あのゾロにしたら、
警察を入れたからサンジを逮捕されたと思ってるんだろう。

扉が開いてヨサクが顔を見せた。
入ってしまうと、いつも通りだ。
「・・・警部さん、サンジのアニキはどうなるんで?」

「わからん。
ここの人間次第だ」

「どういうことだ」
見るとロロノア・ゾロが立っていた。
修業中だったのだろう。
刀を手にしている。
相変わらず物騒な男だ。
 
 

「サンジはこのままでは釈放できねえ。
だが方法はなくもねえ」

「何だ、それは」
ゾロの言葉にスモーカーは答えず続けた。

「アイツにそんな値うちがあるのか。
オールブルーを危険に曝したくねえのなら、
アイツを監獄に入れておけ。
麦わら盗賊団は、間違い無く来る。
そういう連中が相手だ」

「どういうことだ」
ゾロは無表情に続けた。

「オールブルーがこの館以外にあることが証明されれば、
サンジはただの器物破損だ。
しかし、この館にあれば確かにオールブルー盗難容疑者だ。
警察としては引き続き留置する。
アイツには潔白を証明する事項は何一つねえ。
実際やったことは限りなく灰色だ。
オールブルーの有り場所が分からねえ限り、
アイツは恐らく一生牢屋ぐらしだ。
身許引受人もいねえし、
孤児だろ、アイツは。
もっともそのくれえのことは知ってて雇ったんだろうがな」

ゾロは答えなかった。
 
 
 
 
 

スモーカーは葉巻きをもう一本くわえて火をつけた。
「バカやろうが」

返事をしなかったということは、
ゾロはサンジを見殺しにする気はねえということだ。

放っときゃいいだろうがよ。
アイツが犠牲になれば、
何ごとも起こらず通り過ぎてゆくのだ。

「バカやろうが!!!」
もう一度吐き捨てるように言うとヨサクが怯えて逃げ出して言った。

ゾロの目がはっきりとスモーカーを見た。
 
 
 
 
 

そしてゾロは言った。
 
 
 
 
 
 

「オールブルーはこの館にある」
 
 
 
 
 
 
 


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伝説の秘宝オールブルー

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