41

 
 
 
 
 
 
 
 

ゾロは久しぶりにサンジの作った料理を味わった。
うめえ。
どれもこれも物凄く美味に感じる。
食いつくすとサンジが嬉しそうに酒を出して来た。

やっと元通りになった。
車の中でサンジが急に言って来た言葉。
「その気」だとか「虜」とか。
言われた時は意味が分からなかったが。
だいたいアイツ自身意味分かってるかどうかあやしいもんで、
適当に相槌をうっておいた。

サンジは「好きなだけ食わせてやっから」とも言っていた。
オレ達は「約束」したからな。
ていうことは、やっぱり腹一杯食っていいってことだよな。
メシも、
コイツも。
 
 
 
 
 
 

サンジは上機嫌でウソップやチョッパーにも料理をふるまっている。
ヨサクやジョニーはゾロの顔色を伺いながらも、
サンジの料理を食っていた。

「・・・オイ、ゾロのアニキ、あまり怒ってねえ・・・」
「サンジのアニキのメシ食ってもいいのかよ・・・」
食事の合間にひそひそとした会話が交わされていた。

「出所祝いに景気のいい料理を作ってやった!!!」
上機嫌のサンジにゾロは酒をついでやっている。

「あー、ムショぐらしはこりごりだぜ!!!
オレが見た事もねえ宝石のせいで、
濡れ衣きせられてよ!!!!
ひでえ目にあったんだよ、
なあ、分かるだろ、チョッパー!!!」
側にいたチョッパーにサンジが絡み始めた。

久しぶりの酒でサンジはかなり酔っていた。
「あり??
チョッパーてめえ、
いつから二匹に増えたんだ・・・?
二匹いるんなら・・・。
・・・一匹オロしていいか?
・・・あー、てめえ、本当にフワフワだよなァ」
サンジは逃げようとするチョッパーを抱きしめてほおずりし始めた。

・・・・は、離せえ!!
チョッパーは暴れかけて眼前のゾロに目を止めた。

ゾロの目つきが険悪なものになっている。
サンジは全く気づかず、
チョッパーの毛並みを楽しんでいた。

・・・ゾ、ゾロ・・・。
こ・・・恐いんだけど・・。

「オイ・・・・、
てめえ、トナカイなんぞに抱きつくんじゃねえ!!_」
ゾロは明らかにおどおどしているチョッパーからサンジを引き離そうとしたが、
酔っ払いのバカ力で離そうとしない。

「うるせえ!!!
オレに指図すんなよ!!
あー、てめえの宝石のせいでひでえ目に遭ったってのに!!!
てめえのもんのせいなら、
てめえのせいだろ!!!」

「てめえもオレのもんだろうが!!
オレのコックはオレのもんだろが!!」
ゾロが力強く断言した。

ヨサクとジョニーは俯いて顔を上げられなかった。
・・・ゾロのアニキ・・・、
コックしてるだけで自分のもんになるのかよ。
・・・っていうか、
堂々と「オレのもん」宣言かよ・・・。
スゲエ。
言い切りやがった。
さすがアニキだが、
聞いてて恥ずかしいぜ。
なんだかいたたまれねえ気分だ。
オレ達おじゃまマンじゃねえかよ。

「へ・・・そうだったか?
あり・・・?
そういうもんか?」
サンジはぼんやりと首をかしげた。

「そうだ。
だから行くぞ!!」
サンジが言い終わらないうちに、
身体が宙に浮いた。

・・・あれ、
オレ、宙に浮かんでんじゃねえの。
ゾロの顔がスゲえ近くにあるし、
なんかこれってお姫さまだっこされてるみてえじゃん。
????
なんで、
ゾロがオレに?
夢かな。
なんだか眠いしよ・・・・。
これって、なんかイイ気持ちじゃねえ。
安心できるっていうか。
 
 
 
 

取り残された使用人たちは固まっていた。
メシが食い終わるかどうかで、
速攻でサンジが連れていかれた。
しかも、お姫様だっこだ。
目的は・・・、
口に出すのもはばかられるような事なのは間違い無い。

想像してみるとメシどころではなくなってくるが、
皆、変な汗を流しながら食事を続けた。
 
 
 
 
 
 


next

伝説の秘宝オールブルー

ura-top