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サンジはため息をついた。
釈放されてから、
気持ちは晴れないままだ。
ゾロはまた仕事とかで、
会社に缶詰めになってる。

釈放された夜、
オレはゾロと寝た。
かなり酔ってたので、
記憶は定かでないのだが、
朝目覚めると、
バッチリ、ヤられていた。
っちゅうか、
エキまみれでハダカで目覚めたのだ。
しかも、ゾロに抱きつく形で寝てたオレ・・・。
フォローのしようもない。

断片的には記憶もある。
ヤられてたよな・・・。
しかも、気持ちよかった・・・。
それも凄えいい気持ちだった。
あああああ、
最悪だ。

どうしちまったんだ、オレ。
ゾロにヤられるのが嫌じゃねえだなんて!!!!
男として、もう駄目かもしれねえ・・・。

あと、気がかりなのが、
オールブルーのことだ。
オールブルーは今も警察が保管している筈だ。

だったら、あの時のアレは何だ?
ニセモノか?
オレ、舐めたし、身体じゅうあの石でなぞられて、
イった時、あの石にかけちまったし・・・。
うう・・・、
思い出してもクソ恥ずかしい・・・。
だけど、あの石を見た時、
ああ、オールブルーだって・・・、
そう思ったんだ。
 
 
 

「よお、しょげてるじゃねえか」
最近、毎日エースが顔を見せている。
たいして話をするでもなく、
少し来てすぐ帰る。
ゾロがいる時はいつも険悪な雰囲気になるけれど、
ここ数日はゾロがいない。

「だってよ・・・。
最近、オレ、ヨサクやジョニーに避けられてるんだ。
何もしてねえのに・・・」
サンジはそう言って俯いた。

サンジには自覚がないが、
ゾロとヤるたびに妙な色気が出てきているのだ。
まあ、使用人には目の毒だよな。
それにゾロに睨まれるしな。
そんな危険をおかす奴はめったにいないだろ。
 
 
 
 

「んじゃ、息抜きに出かけるか?
買い出しついていってやるよ」
サンジはしばらく膝を抱えて考えていた。
それからぼそりと言った。
「警察にある、ゾロのオールブルーを見に行きたい」

「ああ、いいぜ。
行こう」

エースは苦笑した。
サンジは宝石にこだわっている。
サンジはゾロにこだわっている。
だが、それをゾロには言えない。

多分つまらねえプライドのために。
さっさとゾロのものになっちまえば、あきらめもつく。
なのに、隙だらけで、誰にでもなつく。
多分、オレの手持ちの情報をかざせば、
こいつを食っちまえると思う。
かなりバカな性格だから、
簡単に身体を差し出すだろう。
寝る意味だとか価値だとか、
まるっきり分かってねえし、
男に関しては思考力が抜け落ちている。
女に関してはさらにひどい。
呆れてはてるような反応しかしない。

警察につくと、
手続きをすませ、
オールブルーの置いてある部屋へ通された。
サンジはガラスケースに顔をひっつけて懸命にオールブルーを見た。

離れて見ると、
同じような感じだが・・・、
ここにある石は近づいても淡くキラキラ輝いているだけだ。
だけど、あの時見たものは・・・。
深い深い青だった。

あれは幻だったのか。
ゾロにヤられてたから・・・。
無いものを見たのか?
 
 
 
 
 

スモーカーとボン・クレーは知らせを受けて、
警備室へやってきた。

何故か、サンジとエースが連れ立って「宝石」を見に来た。
あまりにも目立ちすぎる行為だ。
盗難行為を目的にしているとは思えない。
まあ、一応尋問をしておくに越したことはねえ。
帰る前につかまえておくか。

「あやしいわねい、この二人・・・」
ボン・クレーが特別警備室の映像を見てスモーカーに話しかけた。

「そうか?
ここでは犯罪のしようがねえぞ。
下見にしちゃ明白すぎるからな」

「バカねい、あんた。
あちしはデキてるかもしれないって言ってるのよう!!
もうヤってるかもしれないわよう!!
金髪くんの色香が増してるじゃない。
賭ける?」
 
 

・・・また、そっちか・・・。
スモーカーはげんなりした。
早くこの事件から抜けてえもんだ・・・。
 
 
 

「あちしに勝つ自信がないんでしょ!!!
警察は見ただけで色々なことを見抜けないといけないでしょうが」

「・・・何だと!!??」

「あちしはエースとヤったに10万ベリー賭けるわよう!!!!」

「ならオレは誰ともヤってねえに10万だ!!!」

くそう、なんでこんな展開に・・・。
何故、ボン・クレーと賭けを??????
スモーカーはムカつきながら紙幣をたたきつけた。
 
 

「じゃ、重要参考人達にレッツ・取り調べよう!!!!」
 
 
 

嬉々として警備室に向かうボン・クレーを忌々しく想いながらスモーカーはそれでも後を追った。
警察はふざけた所なんかじゃねえ。

真っ当な取り調べをするんだ・・・。
なのに、
どうしてこの事件ではいつもこういう展開になるのか・・・。
 
 
 
 


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伝説の秘宝オールブルー

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