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サンジは考える暇も与えられず、
エースに押したおされていた。

え?
ひゃっ、ドコ触って・・・。
駄目だって・・・、
そんなトコ触ったら、
オカシクなっちまうだろ・・・。

エースはどうしていいか分からないようなサンジを翻弄していた。

思った通りだ。
抵抗らしい抵抗もしない。
っていうか、自分の立場をまるっきり分かってねえよな。
そういう困ったような顔が誘ってるように見えるなんて、
サンジは気づいてもいないんだろうな。

「いい気持ちにさせてやるから。
オレを信じな」
エースの言葉にサンジはびくりと震えた。
暖かいエースの手が、
サンジの身体の敏感な部分を刺激する。

「あっっ」
思わず、ヘンな声が出た。
違うだろ・・・、
オレ、なんでこんな声出して・・・。
「んっ・・・」
エースは的確にヘンな声の出る部分を責めてくる。
オカシクなる・・・。
じらされるような、
ゆるやかな愛撫・・・。
身体がジンジンして、
もっと強い刺激を欲しがってる。
もっと、強い刺激・・・。
そう、
ゾロがくれる刺激のような・・・。
ゾロの・・・。

エースはきつく目を閉じて快楽に耐えているサンジの様子を見下ろしていた。
目を開けて自分を見ようとしない、サンジ。
それは誰に対しても同じなのか、
それとも自分にだけなのか。
とにかく先に進むしかない。

サンジの内部にいつの間にかエースの指が侵入し、
だんだんと激しく内部を刺激し始めた。
「あっ・・・」
サンジの中で、
それは過去に受けた刺激と同化し、
記憶が蘇った。
ゾロにされたこと・・・。
ココを執拗に責められて、
さんざん泣かされたことを。
「ヤ・・・だ・・・」

途切れ途切れのサンジの言葉はエースの口付けに飲みこまれていった。
 
 
 
 
 
 

「大変ようっっっっ!!!!!」
スモーカーはボン・クレーに引きずり込まれるようにして、
小さな通信室に入った。
そこで見たものは、
エースに抱かれているサンジの姿だった。

「あちしの勝ちね」
ボン・クレーはそう言ってニヤリと笑った。

バカな・・・。
サンジはゾロとデキてたばかりか、
エースとも????
ゾロとのこともあれだけ否定してたヤツだ・・・。
エースとはヤってないんじゃねえのか・・・・。
いや、現にヤってるじゃねえかよ。
こいつは誰でもいいのか?

「終わるまで見る?
やっぱりエロいわよねえ、このコ」
ボン・クレーが食い入るように画面を見ていた。

スモーカーは睨み付けるように画面を見ていた。
信じられん!!!!
・・・だが、確かにエロい・・・。
不本意ながら、認めざるをえんが。

ボン・クレーとスモーカーは再び無言になった。
 
 
 

ぽたり。

「スモーカー、あんた、また鼻血出てるわよう」
「ボン・クレー、貴様もな」

「あんまりみるとヤバいわよう・・・。
このコのせいでフルボディもヘンになったし、
ロロノア・ゾロを見りゃ分かるでしょ・・・」

スモーカーはティッシュを鼻に詰めたまま、
盗聴装置のボリュームを上げた。
今、何か大事なことをエースが言ったように聞こえた。

「スモーカー、あんたも好きねい・・・」
ボン・クレーが呆れたように言った。

「・・・・あっっああっっっ」

「一つは・・・光の・・・オールブルー。
・・・もう・・・一つは・・・闇の・・・オールブルー・・・。
オールブルーは・・・・二つある・・・」
 
 
 
 
 
 

スモーカーとボン・クレーの目つきが変わった。
今、何と言った。
オールブルーは二つある、だと。

スモーカーは部屋を飛び出した。
そしてエースとサンジのいる部屋をめざして走り出した。

面白くなってきたわねい。
それにしても、
本番中に乱入するスモーカーって人でなしよねい。
ボン・クレーはわくわくしながら、
その後をついて行った。
 
 
 
 
 

「貴様ら!!!!!
本当のことを言え!!!!!」
怒鳴りながら部屋に踏み込んできたスモーカーにエースは露骨に嫌な顔をした。
まだ一回しかシてねえのに。
まだまだここから盛り上がるところなのに・・・。
っちゅうか、
ここで止めろっていうのか?

「吐かねえと、
容疑者として逮捕するぞ!!!!!」

スモーカーのそのまま逮捕しかねない勢いに、
エースはしぶしぶとサンジから離れた。
「不粋だなあ、
スモーカー警部」

「そうよう、スモーカー。
あちしがエースに尋問しているから、
あんた、そのコに尋問しなさいよう」
そう言いながら、
ボン・クレーは通信装置のスイッチをこっそりオンにした。
 
 
 
 
 
 
 

「ヒナ警部、こここ、この画面をごらんくださいっっっっ!!!!!」
スモーカーの同期、
黒檻のヒナの元に緊急連絡が入った。

「スモーカー君が何だっていうの・・・。
!!!!!」
ヒナは画面を見て固まった。

スモーカー警部が、
若い男に服を着せて、
色々話しかけている。
相手の男は泣き顔でどうみてもスモーカーにヤられたとしか思えない。

「心外よ・・・ヒナ心外・・・・。
まさかスモーカー君が・・・・。
ヒナ行くわ。
事実の確認に!!!!」
 
 
 
 
 

スモーカーはえぐえぐと泣くサンジにお手上げ状態だった。
尋問をしようとしても、
とてもできる状態ではない。
ほとんど全裸のままなので、
どうにも居心地が悪い・・・、
というか妙に目に毒だ。
男のくせに白い肌には、
エースのつけた鬱血のあとがくっきりと残っている。
スモーカーは正視してはいけないような気がして、
ちらちらと見やりながら、
サンジの機嫌をとっていた。
 
 
 
 
 
 
 

その途端、ドアが勢いよく開けられ、
そこには同期の黒檻のヒナが立っていた。
「・・・・失望・・・ヒナ失望・・・・。
白猟ともあろう男が、
ずいぶんじゃない?」

うおっ、
なんでこの女がここに・・・。
さすがのスモーカーも少し驚いた。

「ああ、美しいお姉さん!!!!!
オレはもうだめなんです!!!!
貴女に会わせる顏もありません・・・・」
そう言いながら、ヒナにしがみつき、
またえぐえぐ泣くサンジをスモーカーはため息をついて見た。

「責任とりなさい・・・。
ひどく心外よ。
ヒナ心外」

あァ?
何で、オレが責任を????
ふと見ると、
入口にはずらりと警官が立ち並び、
入れ代わり立ち代わり中の様子を見ては、
バツが悪そうに帰って行く。

「オイ・・・何かカンチガイしてねえか・・・?」
スモーカーが見ると、
誰もがあわてて目をそらした。

「あなたの面倒はスモーカーが見るはずです。
離しなさい、サンジ」

「うぉっ、お姉さま、オレの名前をっっっっ!!!!!
ああ、貴女は女神です。
こんな男のことを忘れさせてくれる!!!!」
さっきまで泣いていたサンジはだんだんメロメロモードに入りつつあった。

ヒナは呆れながら、
サンジを振りほどいた。
何・・・このコ?
サンジって言ったわね。
確かオールブルー事件の被疑者よね。
もう一度、
データを洗ってみる必要があるわね。

「てめえは、じっとしてろ!!!!!」
スモーカーは思わずサンジを押さえつけた。
すると、ヒナを始め、
見ていたものが皆、赤面してあわてて部屋を出ていった。

「あああああ、お姉さまが!!!!!
オレの太陽が消えて行く!!!!
オレの夢が!!!!
オレの希望がぁぁぁぁ!!!!」

スモーカーは頭を抱えた。
どうやら、
同僚には誤解されたらしい・・・。
サンジからはオールブルーの情報は聞きだせそうになく、
意味不明のことをわめきたてている。

最悪だ!!!!

ボン・クレーとの賭けには負け、
今までのオールブルーの調査に関しても、
洗い直す必要がある。

この事件は最悪だ・・・。
クソっ。
コイツにかかわるとろくな事がねえ。
 
 
 
 
 
 

スモーカー警部が、
彼の身上書の特記事項の欄に「男色家」という文字が追記されたことを知るのは
もう少し先のことである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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伝説の秘宝オールブルー

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