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ヨサクとジョニーは、
物凄い物音を聞いて厨房にかけつけた。
もうもうと立ち込める怪しい煙。
その奥にいるゾロとサンジの姿・・・・。

うおっ・・・、
アニキたち、
なななな、
何やってるんすか・・・・。
堂々とチュウなんかして・・・。

サンジのアニキもうっとりした顔して・・・。

ラブラブだ・・・。
ラブラブすぎる・・・・。

でも、
サンジのアニキ・・・、
まだ腹巻姿じゃねえか・・・・。
あわわわわ、
とんでもねえもの見ちまった。
 
 
 
 

ガボーーーーーン!!!!!!
入口まで来たウソップも固まった。
ゾロとサンジは同じような格好をしていて、
ラブラブでチュウしている。

ウソップは汗をだらだらと流しながら、
じわじわと後ずさりをした。

そして足元にある何かにつまづいて、
転んだ。

・・・いたた、
ガボーーーン!!!!
なんだ・・・、
こりゃあ。

そこには戦いに破れた異形のスワンの姿が・・・。
・・・ん・・・、
どっかで見た事あるぞ、
このオカマ・・・・。
げっ、
ボン・クレー警部だ!!!!!
なななななな、
なんで血まみれで瀕死の状態なんだ。

・・・・ままま、
まさかゾロかサンジがやったのか・・・。

あいつらなら、
やりかねん。

あわわわわわ、
まずい・・・。
仮にも警部に何てことを・・・。
 
 
 
 
 
 

ヨサクとジョニーも倒れているボン・クレーに気づくと顔色を変えた。
・・・取り調べにきた、
ボン・クレー警部を半殺しにするとは・・・。

うう・・・、
ゾロのアニキか・・・、
サンジのアニキか・・・・。
 
 
 
 

「あちしのケリが破られるとは・・・・、
殺しなサイ・・・」
ぶつぶつ言うボン・クレーをやむなくチョッパーに手当てさせた。

「スワン、スワン。
助かったわようっっっっ。
ガーーーーッハッハ!!!!!
死ぬかとおもったわようっっっっっ!!!!!
いきなりケってくるから、油断したのようっっっっ」
治療が済むと、
急に元気になったボン・クレー警部。
 
 
 
 

ヨサクやジョニーは真面目に頼みこんだ。
「サンジのアニキはちょっと落ち着きないので、
今回のことはどうか穏便に・・・・」
警部を半殺しにしたなんてバレたら、
また逮捕だ。
そしたら、
ゾロのアニキがいらいらしだして、
ますますややこしいことになる。

サンジのアニキはゾロのアニキのオヤジシャツ着て、腹巻して、
バレバレなのにバレてないつもりで
こそこそと料理を作っている。

オレたちにも時々こっそりメシを作ってくれてる。
本人は見つかってないつもりらしいけど、
毎日腹巻してるのもみんな知ってる。
知ってるのを知られたら、
それこそ半殺しだ。
だから、みんな見て見ぬふりをしている。

ヘンな格好のサンジのアニキを時々ゾロのアニキがじーっと見ている。
ううう、
ゾロのアニキも何かが違う。
危ない目つきでじーっと見ているんだが、
二人ともオヤジシャツに腹巻・・・。

ゾロのアニキとサンジのアニキのまわりにはヘンな空気がただよってるし・・・。

ゾロのアニキは目がすわってるし、
サンジのアニキは気の毒なほどうらぶれ感が漂ってる。
しかもW腹巻だ・・・。

見てると頭がガンガンしてくる。
おかしくなりそうだ。

たまにサンジのアニキが、
物陰からグチってくるが、
全部腹巻に対する文句だ・・・。
毎日毎日、
腹巻がうつるだの、
腹巻ののろいだの、
腹巻の国だの、
意味不明の事を聞かされてみろ。
イヤになっちまう・・・。

なんてヘンな家になっちまったんだ、ココは。
 
 
 
 
 
 

「ガーッハッハッ、助かったわようっっっっ!!!!
プリンスちゃんもあなどれないわねいっっっ」
ボン・クレー警部の言葉に、
チョッパーが反応した。

「プリンス?」

「なんなのようっっっっ!!!!
トナカイ、あんたなぜそのコードネームを知ってるのようっっっっ!!!!!!
言えないわようっっっっ!!!!!!
 あちしは口がさけても言えないわようっっっっ!!!!
0ちゃんのターゲットがプリンスちゃんだなんて!!!!!」

チョッパーもウソップも滝のように汗を流した。
0ちゃんて?
0ちゃんて何だ????

「0ちゃんて・・・?」
ヨサクの言葉にボン・クレーは飛び上がった。

「あんた、何故その名を!!!!!!
0ちゃんの秘密を知ったものは生きてはいけないのようっっっっ。
クロコダイルの秘密を知ったものは逃れられない!!!!
それがバロックワークスの掟ようっっっっ。
あちしはMr.2としてあんたらを制裁するわようっっっっ。
バカねい、
バロックワークスの秘密を知ってしまうとは!!!!!
でも、よく分かったわねいっっっっ」

あわわわわわ、
全部お前が言ったんじゃねえか。
知りたくねえ・・・、
オオオオ、
オレには関係ない・・・。
そんな危険そうな組織・・・・・・。
ウソップはじりじりと後ずさりはじめた。

「ふふふ、
あんた達を甘くみたあちしがバカだったわねいっっっ。
さすが0ちゃんが愛人指定したプリンス・サンジの側近たちよねいっっっっ。
なかなかヤるじゃないのようっっっっ」

チョッパーはぶんぶんと首を振った。
・・・・オオオ、
オレたち、
何も言ってない。
なのに、
全部バラしてる・・・・。
 
 
 
 
 

「じょうだんじゃなーーーーーーいわようっっっっっ!!!!!
今日はこのくらいにしといたげるけど、
次回はそうはいかないわようっっっっっ!!!!!!」
ボン・クレーはすてゼリフを吐くと、
もの凄い勢いでゾロの館から逃げ出していった。
 
 
 
 
 
 

残されたのは、
固まるチョッパーとウソップ。
ヨサクとジョニー。
 
 
 
 

・・・いま、
アイツは何て?
バロックワークス?
0ちゃん?
クロコダイル?

・・・・愛人指定って・・・。
プリンス・サンジって・・・・・。

サンジのアニキがあぶねえ!!!!!!
 
 
 
 
 

ヨサクとジョニーは息をきらしながら、
厨房に戻った。
すでに煙は薄れていて、
すみの方に二つの影が見える。

「てめえのせいで・・・腹巻がとれねえんだ・・・・。
オレあもうだめだ・・・・・」
「とればいいじゃねえか・・・・」
膝を抱えてグチるサンジの隣になぜかゾロが座っている。
どうやら、機嫌をとっているようだ。

「もう一生腹巻の国で生きていくしかねえのか・・・・。
だめじゃねえかよ・・・」
どんよりとした空気をただよわせながら、
サンジはぶつぶつと文句を言い続けている。

「いや、腹巻はいいし・・・・。
斬られた時には包帯代わりになる」
ゾロは常人ばなれしたフォローをしたが、
もちろんそんな意見に同意するようなヤツは誰もいない。

・・・ゾロのアニキ・・・、
うなづけねえよ・・・・。
 
 
 
 
 

「・・・・責任とりやがれ・・・・。
どうしてくれんだよ・・・。
もうオレはこんな姿じゃどこの厨房でもはたらけねえ。
おしまいだ。
一流コックの末路がこれって、ひでえじゃねえか・・・」
サンジは膝に顔をうずめ、
文句をいい続けていた。

「・・・あーーー、
どうすりゃいいんだよ。
そりゃてめえの面倒は一生みてやるさ。
てめえはずうっとオレのメシを作ってりゃいい」

「・・・腹巻してても?」
サンジは涙目でゾロの方をちらりと見た。

「あたり前だ!!」
 
 
 
 
 
 

ヨサクとジョニーは、
サンジに急を告げるのも忘れて固まっていた。

アアア、アニキたち、
今なんて?
責任とって一生メシ作る??????

それってプロポーズってやつでは・・・・・。
 
 
 
 
 


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