63

 
 
 
 
 
 
 
 
 

ゾロはサンジの目をのぞきこんでいた。
困ったような目が、
まっすぐにゾロの方を見ていた。

エロいことをしたくてたまらなかったが、
この目を見ているだけでいい気もする。
じっと見ているだけで、
ムカムカした気持ちが消えていく。
イライラした気持ちが消えていく。

サンジの目をのぞきこんだまま、
ゾロはまた言った。

「ヤらせろ」
 
 
 

サンジの深くて青い目が揺れる。
少し潤んだ、青い青い瞳が、
困ったようにゾロを見つめている。

サンジは目の前にあるゾロの顔をじっと見つめた。
凶悪だけど、
思いつめて、
困ったような顔。

ゾロが困ってる?
何で?
こいつでも困ることなんてあるのか?

ゾロを見てると、
なんでかオレまで困った気になる。
クソおかしいじゃねえか。

困る・・・。
こんな近くで・・・、
こんな事言われて・・・。
これって、
命令口調だけど・・・・。
なんだかいつものゾロじゃねえ。
お願いされてるみてえ・・・。

だってよ、
いつもなら、
速攻で押したおされて、
速攻でつっこまれて、
イイもワリイもねえ。

なのに、なんだよ・・・・。
そんなツラして言われたら・・・。

言えねえだろ。
イヤだなんて。
ゾロとヤるのは気持ちいいってこと、
もうオレの身体は知ってる。
すげえ、すげえ、気持ちよくなって、
わけ分からなくなる程だってことを知ってる。
 
 
 
 

ゾロは困ったままのサンジにどうしていいか分からなかった。
ヤりてえけど・・・、
ヤったら・・・、
またこいつが逃げちまう。
必死でつかまえて、
抱き込むけれど、
いつもいつも逃がしちまう。
腕の中にいる時だけしかオレのものだって気がしねえ。
すぐそばにいるのに、
捕まえようとすると、にげる。
 
 
 
 

ゾロは必死でサンジを見た。
ヤるって言え、
アホコック・・・。
おとなしくオレにヤられろ。
おとなしくしなくても、
逃がしはしねえ。
ゾロは悶々としてサンジを見つめたが、
それはどうみても睨んでいるとしか見えなかった。
 
 
 
 

サンジもゾロの顔を見つづけていた。
なんて目つきの悪いヤツだ。
まりもの風上にもおけねえヤツだ。
腹巻の国生まれのヤツはみんなこんなか?
でも・・・、
やっぱなんかドキドキする。
心臓がバクバクいってるのは何故だ?
なんでか見てるとぼうっとしてくるんだけどよ。
なんでこんなにクソまじめに何度も言うんだよ。
そんなに言われたら・・・。
だってオレもてめえとヤりてえかも。
ヤられてえかも・・・・。
 
 
 
 

「ヤらせろ」
 
 
 
 

幾度となく、
言われた言葉がゆっくりと身体じゅうに積もっていく。

サンジの返事を待ち続けるゾロ。
サンジは何度も言葉をくり返すゾロの姿に、
なんだか胸が熱くなった。

なんで何度も何度も言うんだよ。
ダメって言えなくなるじゃねえか。
何でかわからねえけど、
ダメって言えなくなる。

ゾロを見つめていると、
なんだかヘンな気分になってくる。
なんかドキドキして、
フワフワして、
落ち着かなくなって、
自分がドコにいるのかどうでも良くなって、
自分が何してるのかもどうでも良くなる。
 
 
 
 

ゾロはぼうっとした顔で自分を見たまま返事をしないサンジに言いたい言葉を他に思いつかなかった。
大体、自分の感情について思いをはせたことなど一度もない。
どうもうまくいかねえ。
よく分からねえけど。
ゾロはサンジの目を覗きこんで、
また言った。

「ヤらせろよ」
 
 
 

言ったら、
サンジが真っ赤な顔をして、
小さくうなずいた。
 
 
 

・・・うおっ、
今・・・、
うなずいたよな・・・。
ヤっていいんだな!!
いいんだな!!!

よし!!!
ヤるぞ!!!
ゾロはニヤリと笑った。
 
 
 
 
 
 

サンジはゾロにいきなり抱き寄せられた。
何がなんだか分からないうちに、
お姫さまだっこをされた。

あれ・・・、
なんだよ・・・コレ。
あ・・・、
オレ、ついうなずいちまったんだ。
ゾロがあんまり必死だったから。
あんまり困ってたみてえだったから。
そんなにヤりてえなら、
ヤられてやってもいいかもって・・・、
そう思っちまった。
そしたら、
つい首を縦にふっちまった。

なんだよ、
なんだよ。
クソ恥ずかしいじゃねえか・・・。
どうしちまったんだ、オレ。
気がふれちまったのか?
ゾロにヤられてもいいかも、なんて。

どうしちまったんだ、オレ!!
 
 
 
 
 

ゾロはびしょ濡れのサンジをそのまま寝室に連れて来て、
ベッドの上になだれこんだ。
サンジは何故だか、
顔を隠して、
ゾロの服にしがみついたままだ。
どうやら、猛烈に照れているらしい。
首筋まで赤くなっている。
ひき剥がそうとしても、
離れず顔を見せまいとする。
しまいには腹巻にしがみついたまま顔を隠そうとしている。
腹巻がのびて間抜けな姿のゾロだったが、
本人たちは必死だった。

アホ、さっさと離れちまえ!!
顔隠しても、
ハダカだから、
余計やべえ図じゃねえか。
触り放題だし、
ヤり放題だ。

ヤっていいってことだから、
ヤるぞ!!!!!
もう、ガマンできねえ!!!!

なけなしの理性がブチッと切れ、
ゾロはサンジに襲いかかった。
コイツの弱えところは、
もう知ってる。
サンジの感じるところをゾロは的確に刺激していく。
 
 
 

「あっ・・・ぁぁっ・・」
サンジもまた理性をなくし、
快楽をくれる身体にしがみついた。

キモチいい。
これはキモチいい。
もっとシてえ。

理性はふっとび、ケモノになる。
ケモノになったら、
ゾロとヤるのを恥ずかしいなんてもう考えねえ。
レディみてえにヤられるのはヘンだなんて考えねえ。
ただ、キモチいい世界がそこにある。

ゾロとスるのはキモチいい。
ゾロにヤられるのはキモチいい。
すげえすげえキモチいい。
今までに感じたことないくらい、
キモチいいんだ。

知らなかった快楽。
どんどん深みにはまっちまう。
もう戻れねえ。
 
 
 
 
 

サンジはきつくゾロの身体にしがみつき、
快楽の波に身をまかせ続けた。
 
 
 
 
 


next

伝説の秘宝オールブルー

ura-top