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ナミは目の前の山のような食い物を食い続けるルフィに容赦ない鉄拳を浴びせた。
「・・・ぶぼ・・・びでべ・・・」

涙目になりつつも、
ルフィは食い物を離さない。

「ちょっとどういうことなの!!
あんたはオールブルーを盗りにいったはずでしょ!!!
あとサンジ君の様子も見て来るのだったでしょ!!」

ナミの計画では、
ルフィにサンジの様子を見に行かせ、
あわよくば「お宝」もゲットと思っていた。

裏の裏から得た情報によると、
昨夜、Mr.99と呼ばれるエージェントがゾロの館に特別な任務を帯びて派遣された。
おそらく「Mr.プリンスの拉致」。
どうやら失敗に終わったらしく、
その男は意識不明で帰ってきたらしい。
外傷もないのに、大量の出血と、意識の混濁。
まともな状態ではない。

一体何が起きたのか・・・。
やきもきしていると、
何故かルフィが帰っていて、
しかも大量に食い物を食っている・・・。
盗るものが違うでしょ・・・。
 
 
 
 

「盗ったのね?」
 
 
 

「ししし、違うぞ、ナミ!!!!
ゾロはいいやつだ!!!
食い物をくれた!!!!!」
ルフィはニコニコして食い続けている。
腹は既に風船のようになっているというのに・・・。
 
 
 
 

「あんた・・・何しに行ったの・・・・?」
 
 
 

「ハナヨメの父としてあいさつしてきた!!!!!」
 
 
 

はい?
今、何て?
 
 
 

「ナミがゾロとサンジはデキてるって言ってたが、
本当にデキてるってやつだった!!!!
ハダカでエロいことをやってた!!!!
だからサンジはヨメだろ!!!!
それに前に聞いたぞ。
ハナヨメのチチはごちそうが食えるんだ!!!!!!」
 
 
 
 

ナミは頭を抱えた。
ルフィは「ごちそう」という言葉に反応したのだ。
なんでヨメなのよ!!!
なんであんたが父なのよ!!!

「・・・バカじゃないの・・・。
ハナヨメには持参金がいるのよ・・・」
ナミはかろうじてルフィに嫌味を言った。

「何ぃぃぃ!!!
知らなかったぞ!!!!
・・・それは困る・・・。
そうだ、ならゾロをもらおう!!!!
ゾロはいいやつだから、その持参金てのもくれるはずだ!!!!
サンジはヤられてたから、ヨメだろうが、
ゾロをムコにもらおう!!!!!!!!
だめかナミ???」

ルフィは、どうみても本気である。

・・・ナミはさらに脱力した。
なんでルフィがからむと緊張感がなくなるのかしら・・・。
サンジ君はクロコダイルに狙われて、
危険なはずなのに・・・、
何でこんな・・・・。
 
 
 
 

「サンジはゾロが守る!!!
ムコならヨメを守るのは当然だ!!!
あーでも、
オレがサンジを守って、
オレのヨメにしようかなあ・・・。
ヨメにしたらゾロがヤってたような事していいんだよな・・・。
サンジエロかったからなあ・・・」
 
 
 
 
 

ナミはひきつった顔をした。
何ですってえ?????
ルフィってば何てことを!!!!
サンジ君をヤる????
どうやらヤってる現場を見たらしいけど、
子供には刺激が強すぎたんだわ・・・。
ヤられてるサンジ君はものすごくエロいらしいから・・・。
はっ・・・、
何納得してるのよ!!!!
冗談じゃないわ!!!!
このナイスバディなわたしを差しおいて、
男に走ろうとするなんて!!!!
なんかムカつくわね!!!

・・・ムカつくわ・・・。
なんか悔しいし・・・。
サンジ君の危機だから、
情けをかけてやろうと思ったけど・・・。

こうなった以上、
わたしも自分の本能に忠実になることにするわ。
落ち着いて考えなさい。
ゾロもルフィもクロコダイルもサンジ君の身体が目当て。
私はサンジ君の身体はいらない。
勝手に可愛がってもらいなさいって感じだけど・・・。

一番金もうけができて、
使えるのは誰?

クロコダイルはダメだわ。
危険すぎるから・・・、
ゾロとルフィには協力させてサンジ君を守らせて・・・。

やはりゾロだわね。
ただし条件次第よね。
あのムカつくゾロはサンジ君に本気みたいだし、
サンジ君はあんなだから私のいいなり。
使えるわ。
これは使えるわ。

本当にサンジ君をゾロのヨメにするのもいいかもしれない。
確か男同士でも結婚できる国もあったはず。

もちろん「ハナヨメの母」は私。
このさい、妥協して、
このうら若きかよわき乙女が母になってあげる。
 
 
 
 

・・・稼げそうだわ・・・。
ヨメのものは「母」のもの。
ムコのものも「母」のもの。
 
 
 
 

ナミはあやしいほほえみを浮かべた。
 
 
 

「サンジ君、身寄りなくてかわいそうだから、
ルフィ、あんたやっぱりハナヨメの父になりなさい。
ハナヨメの父はヨメに手を出しちゃだめよ!!!!
で、わたしがハナヨメの母になってあげるわ。
ハナヨメの母になって、
あんたが「ごちそう」食べられるように話をつけてあげるわ」
 
 
 
 
 

おもしろくなってきたわ。
クロコダイルさえなんとかすれば、
私の思うがまま。

場合によってはサンジ君にルフィをけしかけてもいい。
今は、「ごちそう」っていう首輪をつけてるけど、
その首輪がなくなると、
ルフィはサンジ君にとびついてしたいことしそうだもの。
ゾロとしてはそれは避けたいはず。
ルフィを敵にまわすのは、
私でも避けたいもの。

私の出方しだいで、
ゾロはサンジ君を手に入れられないかもしれない。
ふふふ。
これってものすごいアドバンテージよね。
 
 
 
 
 

ナミの目はキラキラと輝きはじめた。
 
 
 
 
 
 
 
 


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伝説の秘宝オールブルー

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