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元ミスター99ことギンは、
ここ数日、生死の境をさまよい続けていた。
サンジの刺激的すぎる映像が、
まぼろしのようにフラッシュバックし、
そのたびに大量に血を吹き出していた。
ミスター・プリンスの拉致に失敗したギンは、
ゴミのようにうちすてられ、
すでに何日か過ぎていた。

任務の失敗は、
奇病のため不問とされ、
部下の勝手な判断で、
すでに利用価値も抹殺する必要もないとして、
そのまま放置されていたのだ。

何やら、
いつもとは違う騒然とした気配に、
ギンの意識はかすかに覚醒した。

「・・・急げ、
大変な騒ぎになってるらしいぜ。
すでに略奪ははじまっているらしい・・・」

「・・・まだ犯人のサンジってやつは捕まってないらしい・・・・」

「まったく、どえらい騒ぎだ・・・。
その悪党はもう死んでるんじゃねえか?」

「・・・大富豪、ロロノア・ゾロの館が。
ちよっとおすそわけにあずかれんじゃねえのか・・・?」

それまで、地に伏せていたギンの身体がぴくりと動いた。
・・・・何、何だって?
犯人のサンジ?
ロロノア・ゾロの館?

・・・何かが起きている。
サンジさんが、
どうかしたのか。

・・・サンジさん、
待ってろ、
今、助けてやる。

サンジさんを、どうにかしようとするヤツは、
殺す。
サンジさんのためなら殺す。
鬼人と言われた、このオレの全てをうばったのはあの人だ。

こんなところで、
いる場合じゃなかった。
あの人を助けるんだ。

ゆらゆらと立ち上がったギンの身体からは、
殺気が立ちこめていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「あーあ、つまらないわよねい」
元ミスター2ことボン・クレーは、
寒々とした牢獄のまん中で回っていた。

「あちし、ここ来てから回ることしかしてないのねい。
クロコダイルにやられて死んだと思ったけど、
すっかり元気になったのよう。
ガーッハッハッ、
さすが、あ、ち、し」

とりあえず適当に幽閉されているような感じなのだが、
がっちりした鍵がかかっていて、
さすがのボン・クレーでもどうにもならないのだった。
うらぶれかけていた時に、
急に監視の男がボン・クレーに声をかけて来た。

「オイ、お前、サンジってのを知っているか?」

「何よう?
どういうことなのよう?」

「今、ロロノア・ゾロの館では大変なことになっている。
大々的に警察・民間入り乱れての逮捕がおこなわれており、
犯人のサンジには報奨金がかけられているという噂だ。
ミスター0直々にロロノア・ゾロの館に出かけられたのだ。
そこで手柄をたてたものは、
ミスター1に任命されるというのだ!!」
その言葉を聞いて、
ボン・クレーの目がきらりと光った。

「あちし、協力するわよう。
以前のあちしの捜査場所だったところよう。
まかせなサイ!!」

「よし、いいだろう・・・。
ただし、ヘンなまねしたら・・・」
油断した男が鍵を開けた瞬間、
ボン・クレーの華麗なケリがその男を見舞った。
「オラァァァァァァ!!!!」
ボン・クレーはそいつをふっとばすと、
牢獄の外に出た。

出てから、
そこは知っている男が住んでいる場所の地下だということに気づいた。

ここって、スモーカーのとこじゃないのよう。
このままでは、あちしはクロコダイルに抹殺される運命よう。
でも、ミスタープリンスを0ちゃんに差し出すことができれば、
まだ道は開けるかもしれないわよう。

サンジに入れこんでるスモーカーに、
あのコを見つけさせて、
そこを0ちゃんに連絡すればいいわよう。
でも、あのサンジは意外と強いのよう。
・・・どうすれば・・・。

そうだ、あちし、いい事を思いついたわ。
スモーカーにサンジを犯らせて、
その最中につかまえればいいのよう。

・・・ふふふ、
あちしもなかなかワルよねい。
 
 
 
 
 

そうと決まったら、
レッツ、スモーカー救出ようっっっ!!!!!

ガーッハッハッ、
スワンは不死鳥のごとくよみがえるのようっっっ!!!!
 
 
 
 
 
 
 


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