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クロコダイルは最高速度でロロノア・ゾロ館から離れていた。
あのM.I.6が爆発すれば、
小さな町ひとつ吹き飛ぶ。
あの館であったことはすべて爆発とともに消え去る。
あの場に居合わせたよけいなやつらは全て消える。

オールブルーは心残りだが、
そんなものはどうにでもなる。
警察の名のもとに模造品を作ればいいのだ。
展示してやってもいいし、
なんなら競売にかけてもいい。
ばかなものたちは喜々としてそれをあがめたてるだろう。
権威の元に盲目となる愚かなものどもの習性を利用してやればいいのだ。

クロコダイルはかたわらにぐったりと倒れている「戦利品」をながめた。
目を閉じてよこたわる姿は、精巧な陶器の人形を思わせた。
悪くねえはずだが、
やっぱり何かがひっかかる。
・・・何がいけねえんだ・・・、
やっぱり服だな。
この悪趣味なシャツもいけねえが、
腹巻がいけねえ・・・。

悪臭がする。
こいつの身体のすみずみまで、あの緑頭の小僧のにおいがしみついている。
不快だ。
この状態では、触れる気もせんな。
はやくきれいにして、
お前がだれの所有物なのかを教えてやろう。
 
 
 
 

クロコダイルはあらかじめ用意しておいた、
地下の隠れ家に入った。
だが、時間が来ても、
予測した爆発が起きない。

なぜだ?
あの箱は最高の硬度を誇っている。
どんな圧力をかけてもびくともしなかった。
既存の物質ではあの密閉された爆発物の箱をあけることはできない。

あの館にはそんな特殊は物質はなかったはずだ。
・・・いや、
ひとつだけ・・・あった。
伝説の秘宝オールブルー、
それの正確な硬度については誰も知らないはずだ。
だが、かつて警察に保存されていた時に極秘にとったデータによると、
測定不能な程の硬度と・・・。

・・・まさか、
あれを使ってM.I.6を・・・?
それしか考えられん。

一体誰が?

ロロノア・ゾロとスモーカーは死んだ。
それほど機転のきくやつがあそこにいたというのか?
 
 
 

許せん。
楽に死なせてやろうと思ったが、
そうもいかないようだ。
あそこにいる一般市民ども、
恨むなら爆弾をとめた奴を恨め。

「クロコダイル警視総監より、ロロノア・ゾロ邸近隣の兵士・部隊に指令を与える」

「ロロノア・ゾロ邸内の生存者を消去しろ。
あの館は汚染されている。
感染制の武器が使われたのだ。
外に出たら、
全国民が死ぬ。
だから、内部の生物を殺せ」
 
 

「ひとりものこさず、だ」
 
 
 
 
 


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伝説の秘宝オールブルー

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