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ミホークとエースは血だらけのゾロの元に走り寄った。
「ウォォォォォォ!!!!」
チョッパーがその横でぼろぼろ泣いていた。
ミホークは愕然とした。
我々の今までの目的はすべて、
ロロノア・ゾロを最高の権力者にするため。
そのために色々なことを画策してきたのだ。
バカな。
こんなところでお前の命はつきていいわけがない。
ミホークは思わず叫んだ。
「バカな、ロロノア!!!!
貴様は世界最強の男になるのではなかったのか!!!!!!」
だが、心臓はとまり、
すでに息もしていなかった。
ウソップのはやとちりじゃなかったのか・・・。
エースもゾロに近づき、
息をしていないのを確かめた。
死んだのか、お前・・・。
戦いの途中で、
死ぬ気か?
それでいいのか、ゾロ?
それでいいわけないだろ、ゾロ?
「おい、ゾロ、サンジのことはオレにまかせな。
お前が死んだら、オレがあいつを可愛がってやるから、
安心して死ね」
耳元で告げてやると、
ゾロのまぶたが、かすかに動いた。
「いいいいい、今、手が動いたぞ!!!!!!!」
「しししし、心臓が動き出した!!!!!
き、奇蹟だぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ウォォォォォォ!!!!
ゾロが生きかえったぁぁぁぁぁ!!!!!
い、医者ぁぁぁぁぁ!!!!」
チョッパーが我に返り、
あわてて医療鞄を開けはじめた。
「・・・アレはやらねえ」
ゾロははっきりと目を開いた。
倒れているとなんだかいい気分になってきて、
もうずっと寝ていようと思った。
ウソップやチョッパーがごちゃごちゃ言っているのは聞こえていたが、
面倒なのでほうっておいた。
ミホークもめずらしくあせった感じで何か言っていたが、
面倒なのでほうっておいた。
そのまま寝ていたら、
今度はエースが来て、
ムカつくことを言った。
あのアホはオレのもんだ。
サンジはオレのだ。
あいつはアホだから、
安心して死ねるはずなんてねえだろ。
ちょっと目を離すと何をするか分からねえ。
だから、オレが首ねっこつかまえてねえと、
おちおち寝てもいられねえ。
そういや、
いねえな、
サンジ。
どこ、行ったんだ?
目を開けると、
ぼろぼろと泣いているチョッパーやウソップの姿が見えた。
生き返っただと?
なんだ、
オレは死んでたのか・・・・。
「もう大丈夫だ・・・、
心臓が動き出した!!!!」