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新しく警視総監になったクロコダイルは、麦わら盗賊団の一味を逮捕したと発表した。
すばやく裁判が行われ、
世を騒がす大悪党として、
麦わら盗賊団は終身刑を言い渡された。
 

「オールブルー盗難の件で、一味サンジも終身刑・・・」
逮捕されたことになっているナミがため息をついた。
新聞にはナミに似た女だとか、
ルフィににた少年だとか、
サンジににた男だとかの写真が並んで映っていた。

「だいたい私はこんなに感じ悪くはないわよ!!
クロコダイルのやつは身代わりをたてて、
民衆の目を欺くつもりよ。
このままひきさがるつもりはないわ。
だけど、今は動けない。
私たちが生きていると知ったら、
クロコダイルはどんなことをしてくるかは分からないわ。
・・・ちょっと、ルフィ聞いてるの!!!!
それとあんたもそうよ、エース!!!
なんで私たちの食料食べてるのよ!!!!」

ナミに鉄拳をくわえられ、
ルフィとエースは手にしていた食い物を取り落とした。

「ひでえ、オニだ!!!」
「魔女だ・・・」
まったく緊張感のない二人にナミはため息をついた。
 
 

幸いM.I.5はルフィがふせぎ、
クロコダイルが総攻撃の指令を出す前に私たちは脱出することができた。
チョッパーがいてくれたおかげで、
瀕死のゾロとスモーカーも一命をとりとめた。
まだ意識は戻ってないけど、
きっと彼らは甦る。

初めて逢った時のロロノア・ゾロのあの目。
あの鋭い目を私は忘れることはない。
あんたはこんなことで死んだりしないわよね。
 
 
 

クロコダイルは私たちの死体を捜しているらしい。
いっそのこと、死んだと思ってくれた方がいい。
 
 

そして、サンジ君。
クロコダイルに連れていかれてしまった。

サンジ君はきっと生きている。
私たちはそう信じている。

けれど、サンジ君の情報どころか、
クロコダイルの情報は完全に守られていて、
どんなに裏の手を使っても何一つ情報が得られない。
私たちを逮捕したといいながら、
市民に麦わら盗賊団の情報を求め続けている。
あの身代わりたちは生きた手配書だ。

『よく似た兄弟姉妹がいるかもしれないので、報告するように。
命令に背いたものは麦わらの一味に協力したものとみなす』

クロコダイルは私たちが動くのを待っている。
がまんできずに動いたら、負けだ。
 
 

「なー、ナミ、このウソップ特製秘密基地にいられるのもそんなに長くないかもしれない。
やつら、ついに、熱探知派を使い、全ての建物内部を調べるようだ。
近づかれると気づかれる。
ここには、人がたくさんいるからな」
ウソップは警察が方法を変えて危険分子の逮捕にあたるという情報を耳にしていた。
 
 
 

「じょうだんじゃなーーーーいわようっっっ!!!」
突然大声がし、
ナミは嫌そうにそちらを振り向いた。

ロロノア家に極秘に作っておいた秘密基地に極秘裏に逃げて来たはずなのに、
どうしてだか大男のオカマがまざっていたのだ。

「あちし、0ちゃんにつかまったら殺されてしまうわよう!!!!
この華麗なボン・クレー様が死んだことになっているのは悲しいことだけれど、
これも運命。
あちし、泣かない!!!
強く生きるわようっっっ!!!」
そう言いながら、エースの側にすりよった。

「邪魔だ」
エース本人に簡単に追い払われて、
ボンクレーは妙な文句の入った手拭いを噛み締めた。
しかし、声をかけるものは誰もおらず、
冷たい視線が投げかけられただけだった。
 
 
 

ウソップは、
以前それとよく似た光景を見たことがあると思った。

ああ、サンジだ。
ナミに冷たくあしらわれて、
しょっちゅうえぐえぐ泣いて、
ハンカチを噛み締めていた。

アレとコレは同じなのか?
サンジの時はアホな奴というだけで済ませていられた。
なのに、なんともいえず不快な気になるのは何故だ?
 
 
 

って、
ちがうでしょーーー!!!
オオオ、オレたちは、極悪犯罪人として命を付けねらわれているんだぞ!!!
呑気にメシをくらったり、
エースにそわそわしたりしてる場合じゃないでしょーーー!!!

まったく緊張感に欠ける連中に、
ウソップはがっくりと肩を落とした。
肩を落としつつも、
『こうなったら、
人類の救世主にして正義の味方、
キャプテーーーーーン・ウソップの出番がついに来たのだ』
と小声で呟いた。
ありがたいことに、
ウソップの『高らかな宣言』を聞いたものは誰もいなかった。

ウソップは工具を手にとると、
気合いを入れた。
 
 
 
 

待ってろよ、サンジ!!!!
このウソップさまが必ずお前を助けてやる!!!!
ふっ、その時になってオレに惚れても知らないぞ。
ゾロよりオレのほうがかっこいいってことに気づくことになるであろう!!!!
その日は近い!!!!
どーーーーん!!!!
 
 
 
 


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