厨房裏
危険物収納庫
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D



 

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1   Dの屋敷
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サンジはやっと地図にかかれた場所らしきものを探し当てた。

住み込みコック募集。

応募していたら、
採用になったらしい。

最終確認の時、電話に出た男は、
「うちの家のものは美食家だから、
食材に関してはコックに一任するし、
金に糸目はつけない。
ただし、へんぴなところに家があるから、
買い出しは注文式になってしまうが、
好きに注文して構わない」
そう言っていた。

良い料理には良い食材を。
サンジはコックとして色々なところで働いていたが、
なかなか自由に料理できる店はない。
今まで料理していたところではいろいろと制限があった。
今回の雇い主は個人だ。
自分の腕を買われていくのだし、
好きに料理ができる。

最後に電話の男・・・、エースとか言ったか、
そいつは、
「声も気に入った」
とかいう妙な事を言っていたが・・・。

料理に関係ねえじゃねえか。
そういや、制服もあるみてえだけど・・・。
まあ、オレは何でも似合うからいけるけどよ。

それにしても、
何だこの家は・・。
人里離れた森の中に、
なんか昔の要塞みてえな塀があって、
木は鬱蒼としてるし、
化け物でも出てきそうなところだな。
ケモノ道みてえなところを半日くらいあるいてやっと見つけた塀。

こんなところに人がいるのかよ・・・。
入り口は、ドコだ?
 
 
 
 
 
 

「オイ、お前、コックか?」
 
 

頭上から声がし、
見上げると、
塀の上に誰か立っていた。

黒髪の少年だ。
サンジより年は下だろう。
 
 
 

「ああ、入口はどこだよ」

「オレの名はモンキー・D・ルフィ。
ここには入口はない!!
出口もない!!」

声とともに、ロープが落とされてきた。
掴みやすいようコブがたくさんつけられている。

・・・登るんかよ。
ルフィのいる所まで、
高度にしても50メートルくらいありそうだ。

これって、からかわれてんのか?
サンジはしばらく迷った。
もしや、ココってとんでもねえとこじゃ・・・。

「早く、登れ!!」
ルフィの声にサンジはしぶしぶロープに手をかけた。
 
 
 
 

ルフィはだんだんと近づいてくるサンジの金の頭をずっと見ていた。
かなり時間がかかったが、気にならない。
ぴかぴか光ってきれいだな。
もうじきこっちに来る。
オレ達の所に来る。
待っていたものが。
 
 
 
 
 

サンジは汗だくになりながら、
やっと塀までたどり着いた。
その塀から、屋敷が一望できた。

石で作られた、
巨大な建物がそこにはあった。
至るところ緑でおおわれている。

・・・妖怪屋敷か、幽霊屋敷って感じじゃねえか。
とんでもねえとこに来ちまったみてえだ。
 
 
 

ため息をついて、
側にいるルフィを振り返った。

「はやく食いてえな」
ルフィの言葉にサンジは笑みを返した。

「ああ、食わせてやるよ」
オレはコックなんだから。

オレは料理するために来たんだ。
食いてえ奴には食わしてやる。
それがオレのモットーだからな。
 
 
 
 

・・・でも、ここ来ちまったのは失敗かも・・・・。
 
 
 
 
 

しかし、もう時すでに遅かった。
サンジの運命は決まったのである。
その屋敷には本当に出口も入口もなかったのだ。
 
 
 

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2 Dの条件
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Dの食卓