厨房裏
危険物収納庫
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D



 

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2  Dの条件
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厨房に足を踏み入れたサンジは言葉も出なかった。
・・・汚ねえ。
画期的な汚さだ。

「何だ・・・こりゃ・・・」
うす汚れた床、
散乱しているゴミ。

「前のコックが辞めてからかなりたつからな。
散らかっててすまないな」
どこかで聞いたような声がして振り返ると、
そこには帽子をかぶった半裸の男が立っていた。

「オレはポートガス・D・エース。
お前の雇い主だ」
あ、この口調、電話の男だ。
サンジはそいつをまじまじとみた。
けど、どうみてもカタギじゃねえ。

エースは人なつこい笑顔を浮かべた。
「ここにはオレと弟のルフィしかいねえんだ。
もう会っただろ。
あいつ人見知りするから、よろしく頼むよ。
なかなか条件に合うコックがいなくてね、
ずっと料理人なしだったから、
ひどいもんだよ。
いやあ、コックが来てくれて助かるよ」

屋敷や厨房の雰囲気よりまっとうな挨拶と物腰にサンジは少し安心した。
・・・案外、コイツはいい奴かもしれねえ。
言ってることとか、普通だ。
よく見ると食材も一応そろえてあるようだし・・・、
ここだって掃除すりゃなんとかなるかも。
なら、話は早い。

「よし、掃除する!!!」
サンジの言葉にエースは笑みを浮かべた。

「手伝おうか」
「いや、いい。
あんたは雇い主だろ」
サンジは次々に片付けを始めた。
エースはサンジの気に触らない程度に片付けを手伝っている。
だからどんどん片付けは進み、
厨房は見る間に整頓され、
美しくなってきた。

・・・エースって良い奴かも。

サンジの機嫌はなおり始め、
整頓の後は、
料理にとりかかった。
クソうめえ料理つくらねえと。

趣向をこらし、
様々な料理を作り、
食卓に並べた。

食卓はさほど広くないが、
上質の素材で作られていた。
まだ新品らしい。
新しい木の香りがした。
そこに所狭しと料理が並べられた。

「メシ−−−−−!!!!」
突然の叫び声とともに、
ルフィがあらわれた。
同じく真新しい木の香りのする椅子に座るやいなや、
ガツガツと食べ始めた。

「オイオイ、しょうがねえな・・・」
エースはそんなルフィに苦笑しながらも、
サンジのメシを食い始めた。

「うめえ!!!!
すっげえ上手いぞ、これ!!!!
こっちのも!!!!」
ものすごい勢いで食い続けるルフィにサンジは驚いたが、
自分の料理を褒められたら悪い気はしない。

「へへへ、クソうめえだろ」

ルフィは物凄い勢いで料理を平らげると、
どっかりと椅子にもたれた。
大きめの椅子がちょうどいいぐあいだ。
 
 
 
 

サンジは嬉しそうにルフィを見ていた。
ルフィは物凄く嬉しそうにサンジを見ていたが、
急に表情が固くなった。

「サンジ、お前、制服着ろ!!!
何で着てないんだ!!!!」

「まあまあ、ルフィ、あわてるな。
サンジはこれからずっとここにいるから、
ゆっくりやって大丈夫なんだよ。
急ぐ必要はないさ」
落ち着いたエースの答えに、
ルフィも納得したようだ。

「サンジ、明日は着るよな?」

???
たかだか制服だろ・・・。
何がそんなに問題なんだ??
そういや条件の中に制服が似合うことってのがあったよな。

「え・・・何・・・?
着るよ・・・。
着たらいいんだろ?」
サンジは首をかしげて言った。

「明日だな。
楽しみだな。
ししししし。」
ルフィの満面の笑顔に、
サンジはますます分からなくなった。
???
そういやよく確認してなかったけど、
どんな服なんだ・・??
 
 
 

「ああ、コレが制服だよ」
エースが手にしていたものを見た途端、
サンジは固まった。

・・・ガボーーーーン。

コレって・・・。
メイド服じゃねえかよ!!!!
そんなバカな!!!!

なんてこった!!!
全女性の恋人のはずのこのオレ様が!!!!
 
 

ちらりとルフィを見ると、
子犬のような表情で目を輝かせている。
うっ・・・、
期待されてる・・・。
何でだよ。
 
 
 
 

「明日はサンジはメイドになるんだ!!!!!」
 
 
 
 

 確かに契約通りだ・・・。
あまりにも嬉しそうなルフィに反論する言葉もない。

エースはサンジの様子をじっと見ていた。
やっぱりな。
ろくに確認もしないで来ていたか。
まあ、いいさ。
もうこいつに逃げ道はないしな。
しかし、思った以上にメイド服が似合いそうだな。
 
 
 
 

楽しみだ。
着せるのも、
脱がすのも。
 
 
 
 

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3 Dの現実
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Dの食卓