厨房裏
危険物収納庫
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D



 

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4  Dの真実
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illustlation  nisi  sama
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身体が重い。
だるいし、頭も重い。

サンジは目を開いて、見覚えのない天井をぼんやり眺めていた。
光が反射して、
木の葉の影が天井に映っている。

・・・ドコだ・・・ココ。

不意に、
悪夢のような記憶が蘇り、
あわてて身体を起こした。

身体に鈍痛が走り、
夢が夢ではなかったことを知らせていた。

そして、何よりも、
サンジは何も身体に身につけていなかった。
 
 
 
 
 
 
 

「あーーー、
サンジ、起きたのか!!!!
ハラへったーーーー!!!!
メシつくってくれよ!!!」
ルフィの大声が聞こえ、
ふり向くと、
窓の近くの木の枝にサルのようにぶら下がっているルフィが見えた。

は??
メシだって?
オイ、今、何時だ?
サンジは部屋にある古ぼけた時計を見た。
もう12時を回っている。
ゲッ、昼じゃねえかよ、もう。
っていうか、
そういう事じゃなくてだな・・・・。
オレのこの状態をなんとかしろってんだよ!!!

「なーーーー、
メシ!!!!
サンジ、メシ!!!!」
だが、だだっ子のようにそればかりくり返すルフィに一瞬虚を突かれる。

「ああ、起きたのか。
メシにしてやってくれないか。
ルフィがうるさいから」
エースがつかつかと部屋に入ってくると、
洋服ダンスを開けた。
ずらりと並んだメイド服は目の錯覚でも何でもなく、
昨夜のままだ。
エースはサンジを見ると、バカにしたような笑顔を浮かべた。

「お前、こんなことで逃げたりする、
根性なしの負け犬野郎じゃないよな」

エースの言葉にサンジはカチンときた。
「あァ?
オレが根性なしの負け犬野郎だと??
冗談じゃねえぜ!!!!」

「なら、着ろ」
そう言ってエースが差し出したのは、
濃紺のメイド服だった。

サンジは一瞬固まった。
クソ・・・。
何でこんなことに・・・、
っちゅうか
確かに制服はコレらしいし、
イカれた兄弟みたいだから、
本気みたいだ。
オレはコイツらの家政婦でもダッチワイフでもないっちゅうの。
ふざけんな・・・、
こんなキ印兄弟に付き合ってられっかってえの。
隙見て逃げるか?
「・・・オレの服はドコやったんだよ・・・」

「捨てた」

はい?
今、なんて?

「ししし。
サンジはメイド服着ればいいからな。
イヤなら、
服着るな」
いつの間にか部屋に入っていたルフィが近づいてくる。

「エース、お仕置きしてもいいか?」

エースは困ったような顔をしてサンジを見た。
「サンジ、
お前が素直に"制服"を着ない場合は、
契約不履行とみなし、
ルフィに"罰"を与えさせる。
ルフィは"お仕置き"したくてうずうずしてるからな。
オレとしてはこれ以上押さえきれないな」

ルフィは落ち着かない様子で足をドンドンしはじめた。

コイツはやべえ。
ルフィは危険だ。
イカれてる。
キチガイは相手にしてられねえ・・・。
サンジは溜め息をついた。
クソ、
オレ様としたことが、
一生の不覚だが・・・・。
とりあえず着るしかねえ・・・、
メイド服・・・。
 

クソ・・・。

「分かった。
着るから、
あっちへ行ってろ!!!!!」

「本当か!!!!!」
ルフィが飛び上がって喜び始めた。
「メイドだ!!!!
メイド服だ!!!!
ししししし。
メイドだ!!!!」

ルフィは喜びながら、
その場を離れる気配がない。

サンジはヤケくそになりながら、
メイド服に袖を通した。
そのメイド服はあつらえたかのように、
ぴったりサンジのサイズだった。

「イーストブルー1の仕立て屋に写真を見せて作らせたからな」
エースが笑みを浮かべて言った。

「うおおおおお!!!!
似合う!!!!
似合うぞ、サンジ!!!!!」
ルフィは嬉しくてたまらない様子で、
メイド服を着たサンジのまわりをぐるぐると回っている。

異様に興奮しているルフィの様子にひるみながらも、
サンジは小物も身につけ始めた。

ルフィは嬉しくて、
目をキラキラさせていた。
思った通りだ!!!!
メイド服が似合う!!!!
長くて細い足には黒いストッキングをはかせ、
ガーターベルトで止めて・・・!!!

「オイ・・・パンツねえんだけど・・・」
やけくそで小物も身につけていたサンジは、
さっきから一番気になっていたことを聞いた。

「ししし。
はかなくていい」

嫌な予感は適中し、
サンジは冷や汗を流した。
反論しようとした瞬間、
メイド服のスカートを大きくめくり上げられた。

「メイドだ!!!!
まるごと食えるメイドだ!!!!」
ルフィのテンションがますます上がってきている。

「サンジ、
これでメシつくれ。
悪いが、
ルフィのテンションが上がっている。
お前がメシつくっている時間以外は身体は空かないと思った方がいい。
ルフィはまるごと食えるコックを探し続けていた。
妥協しないルフィがやっと見つけたのが、
お前だ。
コレはルフィの夢なんだ。
メシも食えて、
ヤリまくれるエロいメイド」
 
 

はァ?
・・・夢  だと?
悪夢だ・・・?
 
 
 
 

よろよろとキッチンに向かうサンジの後をルフィが嬉々としてついていく。
その二人の後姿を見て、
エースはニヤリと笑った。

悪いな、サンジ。
ルフィとオレは兄弟だからな。
好みは同じなんだよ。
イカれてるのはルフィだけと思っているようだが、
オレたちにはその方が都合がいい。
 
 
 
 

お前はオレたちのメイドになるんだ。
 
 
 

D家のメイドにな。
 
 
 
 
 
 

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5 Dの平和
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Dの食卓