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3
■SIDE  SANJI■
 
 
 
 

サンジはぐったりとした体を投げ出していた。
どうして、こんなことになったのか。
下半身がだるくて動く気もしない。
タバコも吸えないくらい、だりい。
いったい、今がいつなのかも分からねえ。

分かるのは。
ルフィに抱かれたってこと。
ぼうっとした意識の中、
チョッパーが何か言っていた。
ルフィが何か薬みてえなものをオレに飲ませた。

気がつくと、男部屋で寝ていた。
床に敷かれた毛布にくるまって再びうとうとと眠った。
時間の感覚が失われていた。

ああ、明るいな。
ふらつく足を踏みしめて、なんとか立ち上がる。
メシ・・・つくらねえと。
デッキでは皆が食事をしていた。

何で?
「サンジ−−−−!! 起きたか?」
あれは・・・夢?
夢!?
「あたしが作ったのよ」
「やっぱりサンジの料理がいいよなあ」
ウソップとチョッパーはバツが悪そうに俯き、
ゾロは不機嫌そうにメシを食っている。

サンジは無言で席につき、日が沈みかけていることに気づく。
「サンジ君、良く寝てたから」
日常の会話のように言うナミ。
オレ、一日も寝てたわけ?
サンジはぼんやりと座っていた。
座っているのがやっと。
でも、眠るのは嫌だ。

自分の居場所がない。

変わったのは誰だ。
ルフィか。
ナミさんか。
それともオレか。
最初から何一つ変わってはいないのか。

食事が終わった後、
不意にゾロが言った。
「王様ゲームやろうぜ」

ゾロの目にともる激しい炎。
ルフィの目にも激しい表情が浮かぶ。
それをナミさんは冷たい瞳で見ていた。
「おおおお、オレは止めとく・・・」
「オレも・・・」
ウソップとチョッパーが弾かれたように立ち上がり、
駆けていった。

「いいわ。ただし、サンジ君が元気になったならね」
ナミさんは神のように宣言した。
オレはただそこに座っていた。
オレをとりまく全てが変わってしまったことを感じながら。
 
 
 
 

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