下剋上ノススメ

*1*
 
 
 
 

サンジは朝から機嫌が悪い。
不機嫌の原因は昨夜のゾロ。
理由は、「好き勝手しやがった」から。
カラダ、だりいんだよ・・・
大体、なんで、オレが「お願い」とか「おねだり」とか、しなけりゃならんのだ。
なんか、納得できねえ。
だから、今日はぜってーに、ゾロの思うようになんてさせねえ。
そのためには、どうすりゃいいんだ。

ていうか、いっそ犯るってのも、悪くねえかも。
オレ、あいつなら犯れると思うし・・・
 
 
 
 

・・??
ゾロは昼過ぎから嫌な空気を感じていた。
サンジが変だ。
ゾロを見るとニヤリとする。
朝は、物凄く機嫌が悪かったのに。
昨夜、夜通しヤっちまったもんで、サンジはかなりグロッキー状態だった。
オレが元気なのがまた気にいらねえようだった。
朝は、「ムカツク」だの、「エロ剣士」だの、「クソヤロー」だの、「オロスぞ」だの
散々悪口雑言を浴びせられた。
ま、あんだけ言えりゃ元気なもんだ。
サンジの場合、何も言わねえのがよくねえから。

どうみても腹に一物あるような笑顔。
やっぱり、こいつアホだな。
なんかたくらんでるのがバレバレなんだけどな。
まあ、とりあえず、つきあってやるか。
どうせロクなこと考えてねえんだろうけど。
 
 
 
 
 

夕食後、ゾロが外で酒を飲んでいると、サンジが現れた。
手にはグラスを持っている。
ゾロは一瞬目を光らせた。
・・・これが、あやしいな。

サンジは喜々としてゾロに近づいた。
この前の町で手に入れた、あやしい催淫剤。
「とにかくオトコが欲しくなる薬」
そうオヤジは言っていたっけ。
コレをゾロに飲ませたら、どうなる?
それで、今、ポケットに隠している手錠で拘束すれば、もう思いのままじゃねえか。
とりあえず、動きを封じ込めたら、こっちのもんだ。
そうすれば、今まで好き勝手された仕返しもできるってもんだ。
今日こそは、オレがてめえを泣かせてやる。
オレはゾロのカラダ好きだから、イロイロやるのは楽しそうだ。
 
 
 
 
 

「なー、ゾロ。いいもん持ってきてやったぞ」
サンジはそう言うと、ゾロに微笑みかけた。
心なしか猫撫で声になっている。

・・・・。
ゾロはあまりに分かりやすいサンジに返事をするのも馬鹿らしくなっていた。

「すっげえ、いい酒だからよ、二人だけで、こっそり飲まねえ?」
ゾロの腕を引っ張るようにして普段は滅多に入ることのない倉庫にひっぱって行く、サンジ。
そこはちゃんと灯もともされていたので、酒が飲めないことはない。

へえ、ここ・・・。
「いつでも」使えそうじゃねえか。
奥だから、声も漏れなそうだし、灯つけたら、結構いけそうだ。
背後でニヤつくゾロに気づかない、サンジ。

サンジはゾロに背を向けて、薬をグラスに入れた。
液体が酒に混じり、とけこんでゆく。
準備完了。
あとはゾロに飲ますだけ。

サンジはグラスを手にして振り返る。
さあ、ココからが勝負だ。
犯るか犯られるか。
 
 
 
 
 

サンジはグラスを片手にゆっくりとゾロに近づいた。
「なあ、てめえから飲ませてくれよ」
ゾロに耳元で囁かれ、一瞬躊躇したが、酒を口に含むと、ゾロの唇にソレを流し込む。
飲まねえようにしねえと・・・
そう思ったが、不意にきつく髪を掴まれ、顔を上向けさせられた。
・・・!!!
酒がサンジの口の中に戻って来る。
やべえ!!
もがくが、強く押さえ付けられて、身動きがとれない。
ゾロの口が離れ、代わりに手のひらで鼻と口を塞がれた。

息ができねえ!!
一瞬意識が飛ぶ。
気がつくと、サンジはゾロのカラダにもたれこんで、大きく息を吸い込んでいた。
心臓がバクバクいっている。
サンジは立っていられずに、その場に座りこんだ。

「なめたマネすんじゃねえよ」
頭上からゾロの声が聞こえる。
冷たい、声。

やべ・・・。
サンジはゾロを見上げた。
ゾロは勝ち誇ったようにニヤリと笑う。
「てめえ、ほとんど、飲んだぜ」

!!!
サンジは赤面した。
や・・・べえ・・・。
なんで・・・。

「おまえみたいなアホの考えてることはオレにはお見通しなんだよ」
ゾロがバカにしたように言う。
ムカツク。
ムカツク。

身勝手なクソ腹巻きが!!

「それに、なんだ、こりゃ」
サンジがポケットに入れていた、手錠をゾロが振りかざす。

「てめえ!!人のモン勝手に!!」
「目には目を、歯には歯を、だ」
ゾロはサンジの手首を掴むと後ろ手にして手錠をかけた。

「てめえ、こんなモンで何する気だったんだよ」
悔し涙をにじませるサンジの頬をなでながら、尋ねる。
全く、このバカは何を考えてるんだか・・・。

サンジの持っていた小瓶を見る。
「ビヤク・・・ねえ」
全く何でオレに飲ませようとするんだ?
ビヤクなんていらねえよ。
手錠といい・・・

そろそろビヤクが効いてきたのだろう。
サンジのカラダがほんのりと赤くなってきた。
あーあ。
ただでさえ、カンジやすいのに。

サンジは赤い顔して必死に我慢してるみてえだけど、もうカラダが疼いてるみてえだ。
ちょっと触れただけで、ハアハア言ってる。

オレはわざとサンジにはあまり触れないようにした。
ホントは早く、こいつを脱がしてえけど、こっちの理性が飛んだら、オシオキができねえし。

こいつの欲しいもの、は、どうやらオレらしいし。
オレはゆっくり服を脱いだ。
サンジに見せつけるように。
サンジはもう、うっとりとオレを見てる。
バカみてえに。

すっかり昂ったオレのものを見せつけてやると、涎をたらしそうだ。
しつけの出来てねえ、犬か猫。
オレだって、涎たらした犬みてえになってる。
くわえさせてえけど、すぐイっちまうだろうし・・・

でも、なんでオレ達こんなガマン大会みてえなことしてるんだか。
だけど、サンジが折れるまでは絶対にキモチよくなんざしてやらねえ。
「てめえが、言う通りの事してやるよ。言ってみな」

サンジはきつく目を閉じている。
もう震えてる。
欲しいんだろ、オレが。
なんで、てめえは、それが言えねえ。
いつも、いつも。
オレだってガマンしてるんだぞ、わかってんのか。
てめえは、オレのもんなんだ。
オレはてめえがそれを認めるまで絶対に入れてやらねえ。
クソ。
こいつのアホがオレにまで移っちまった。

「きょうは言ったことしかしてやらねえ」
チクショー。
ゾロの奴!!
オレが言いたかったこと言いやがって・・。
でも、もうカラダは限界。
イキそう。
クソ、あの、ビヤクよく効きやがる。
ゾロが欲しい。
オレの中に。

でも、言ったらいつもと一緒じゃねえか。
オレの決心は?
オレはゾロの思うままになんかならねえ。
嫌なんだ。
ゾロに好きなようにされる自分が。

オレたちは共に戦うはずなのに。
いつもいつもオレが下。
何でだよ。
そりゃゾロの方が肉体的には男っぽい。
そりゃ確かだけどよ。
だからって、ここまでオンナ扱いされるのは、嫌だ。
最近オレが嫌でもほとんど力負けしてヤられちまうし。
ゾロの都合だけじゃねえか。
そんなのは嫌なんだ。
 

「なあ、サンジ、ヤリてえか?」
ゾロに耳元で囁かれるとサンジは大きくカラダを震わせた。
まさか・・・。
ゾロはサンジのズボンに手を入れた。
手にはべったりとサンジの精がついていた。

すげえ効き目。
なのに、サンジはオレの言うことをきかねえ。
コイツ・・・思い知らせてやる。
 
 
 
 
 

*2*