再び出会えぬ愛しき君に
 
 
 

シャンクス・サンジ
 
 
 
 
 

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サンジはいつもいるシャンクスの姿を今晩も見つけた。
「おー、飲むか?」
酒瓶を片手に、
サンジを呼ぶ。

どんな店の客とも違う男。
そのふざけた口から出てくるのは、
夢と冒険に満ちた言葉。

数々の武勇伝。
数々の危険。
数々の失敗。
数々の成功。

「ガキにゃ飲めねえか?」
サンジはシャンクスの酒瓶をひったくると一気に酒をのどに流し込む。
酒くらい飲める。

「へ−−−、大人になったもんだな」
「あったりめえだろ。

もう大人だ!!」

「ダメだな。
まだヒゲが生えてねえ」
サンジがあまりにも悔しそうな顔をするので、
シャンクスはおかしくてたまらない。

「男はヒゲだ!!
それから酒に女だな」
「レディは大事にしてるぞ!!」
・・・ていうか、ハート目で女の客にも完全にあしらわれてたけど。
極端だよな、コイツ。
タバコ吸やあいいと思ってる。
女に声かけたらいいと思ってる。
スーツ着りゃあいいと思ってる。

「バカだな。お前」
「うるせえ!!!
バカって言うな!!」
「わはははは。
バカだから、バカだ。
かなりのバカだ」

ふと、気になったことを思いだす。

「で、アッチの方は?」
「アッチって?」
「もう誰かと寝た?」

途端にサンジの顔が真っ赤になった。
あー、まだな訳ね。
「女も?  男も?」
「なんでオレが男となんか!!!」

ふーん。
女はあの様子じゃまだみたいだとは思ったが、
男もまだか。
意外だな。
どうみても手ついてそうなのに。

「なー、教えてやろうか?
大人になりてえんだろ?」
 
 
 
 
 

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厨房裏