*3*
サンジは静かな波の音を聴く。
夜の静寂。
オレは目を閉じると存在しなくなるのだろうか。
なんの為に存在しているのだろうか。
分からねえ。
あの食い物のない島。
絶望。
孤独。
空腹。
そして、身を切り裂きたい程の後悔。
もしも、オレの足がパーツでとりはずしできたなら、クソジジイの足につけただろう。
助けられた以上、生きなければならない。
夢のために生かされたオレ。
夢のためにしか死ねねえ。
オールブルー。
オレはそこにいけるのか。
いつか、いける日はくるのか。
金属音、足音。
話声。
ああ、来たのか。
今のオレの存在価値って、何?
重いドアがきしみ、ギンが姿をあらわす。
「サンジさん、いいコにしてたかい」
オレは生き延びる。
クソジジイの足とひきかえにするなら、オレの身体なんて、安いもんだ。
だから、考えるな。
オレは生き延びなければならねえ。
ギンを憎むな。
オレには分かる。
肉体的に痛め付けられてるのは、オレ。
だけど、精神的に傷をおってるのは、ギン。
その傷でオレを傷つけないでくれ。
「サンジさん、アイシテル」
ほとんど全裸にちかいサンジの身体にギンは手をかけた。
こんなに細えのに。
なんで強えんだ。
どんなに乱れても、堕ちねえ心。
あんたの底はどこだ。
堕として、辱めて・・・
滅茶苦茶にしてしまいたい。
オレのココロのように。
だが、あんたはオレのところには、来ない。
やさしく、したい。
でも、できねえ。
オレにはできねえんだ。
大切で大切でたまらないサンジさんを汚す。
狂った欲望で。
止まらない凶行。
くり返される暴行。
ギンの雰囲気がとげとげしくなる。
サンジは身を固くした。
くりかえされる、行為。
こんなことは何でもねえ。
何でもねえんだ。
暴力的に身体を引き寄せられ、乱暴な口付け。
サンジは観念したように、身体を差し出す。
「学習」させられた行為を経て、ギンを受け入れる。
無意識に逃れようとする腰を強くつかまれ、悲鳴があがりそうになる。
「サンジさん、声、聞かせろよ」
ギンの命令。
これは、命令なのだ。
命令を聞かないと、次に来るのは、残虐な責め。
「・・・ギン・・・・」
「あんたの泣き声が聞きてえんだよ」
嫌だ!!!
叫びたい。
無駄なのに。
分かってる。
無駄だった。
同じことをくり返すのはバカだ。
ギンは凶悪な微笑みを浮かべると、オレの勃ちあがったものを根元から紐で結わえあげた。
オレは黙って耐えている。
こんなことまで「学習」させられたから。
だけど。
どうしても、できねえことだってある。
泣き声なんて出さねえ。
そう思っても、一瞬で決意は崩れ去る。
我慢できない身体のように。
心まで崩れてしまう。
簡単に堕ちてしまう身体。
中に入れられて突かれると、もう喘ぎ声が止まらない。
「・・・いやだ・・・ギン・・・もう・・・・」
プライドなんて、持つだけバカだ。
無かったら、どんなことでも恥ずかしくねえ。
「ギン・・・イかせて・・・」
必死でおねだりをする。
止まらない、嬌声。
だが、ギンは自分が満足してからでないと、オレを解放してはくれねえ。
ギンの精がオレの中から溢れ出す程になっても、イかせてもらえない。
途切れる意識。
オレ、狂っちまう。
「サンジさん、狂えよ」
「ああああああ」
キモチいい。
苦しい。
壊れる。
バラバラになる。
ギン。
なんで・・・
てめえは何でオレを壊したい?
オレの何を憎んでる。
そうとしか思えねえ。
オレを「アイシテル」なんて、嘘だ。
こんなの愛じゃねえ。
こんなのは嫌だ。
ギン、オレ、お前に何をした?