肉体の悪魔

side  SANJI

*2*
 
 

オレはゾロに向かって微笑みかけた。
ゆっくりネクタイを解く。

ゾロがオレをじっと見ている。
オレはゾロに近づく。

カラダを重ねたら、答えが出るのか。
ココロは重ねられないから。
今は、カラダだけでいい。
てめえを感じさせてくれ。

オレはどこにいればいいのか分からねえ。
居場所がねえ。

満たされない、想い。
満たされない、ココロ。
満たされない、カラダ。

オレはゾロのカラダに指をはわす。

剣士の腕。
剣士の胸。
剣士の腰。

口付ける。
暖かいカラダ。

ゾロの雄に指をはわすと、それはオレの手の中で大きくなった。
ゾロの熱を感じてオレのカラダも熱くなる。
心臓がドクドクいってる。

愛して欲しい。
側にいて欲しい。
誰だっていいから。

オレの罪。
消せない罪悪感。
忘れさせて欲しい。

オレは跪いてゾロの雄に舌をからめる。
さらに量感を増すそれを舐め、口に含む。
「・・・っ」
苦しくて声が出そうになるが、すげえヤらしい気分になってる。
オレももう勃ってる。
コレはオレのものだろ。
ゾロを見上げると、欲情した目でオレを見下ろしてる。
その目をみただけで、もうイきそうになる。

オレは懸命に舌を使う。
がまんできずに、自分の雄にも手をのばす。

だがゾロの手が伸びてきて強く掴まれた。
反射的に離れかけた頭を引き戻される。
反動でオレの喉の奥までゾロが入ってくる。

一瞬息ができなくなり、喉の奥にゾロの精がたたきつけられた。
頭の中が真っ白になる。
ゾロの精を感じてオレもイっちまった。

「・・・てめ・・・乱暴じゃねえか・・・」
オレはゾロを見上げて言う。

「勝手にイっといて、よく言うぜ」
ゾロの言葉にオレは頬が熱くなる。
だが、カラダの熱は消えない。
それどころか、イったのにまた力をもっているゾロを見たら、また欲情してくる。

ゾロの指がオレの口元に伸びてくる。
飲みきれなかったゾロの精をすくいとる。
オレは口を開いてゾロの指を受け入れる。

もう何も考えられない。
はやくゾロと一つになりたい。

オレは自分からゾロの首に腕を回した。
自然と唇が重なる。

唾液と精液の混ざったキス。
むさぼるように互いを求めあう。

どうして、こんな時だけ素直になれるのか。
カラダは言葉より雄弁だ。

ゾロの手がオレの服を脱がせていく。
以外と器用な手。

オレを守っている黒いスーツ。
強くなるために。
強く見せるために。
いつの間にかなじんでいたスーツ。

普段は曝されることのないカラダ。
ゾロの前に曝される。

屈辱。
羞恥。
快感。
堕落。
逃避。
愛情。
欲望。
期待。

混乱した精神。
オレはゾロを待ってる。
こいつには全てを預けてもいい。

信頼。

いつの間にかゾロを信頼しているオレ。

てめえなら、いい。
てめえだから、いい。
もっと堕ちてもいい。



 
 

*3*



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