肉体の悪魔
 

*4*

side  SANJI
 
 
 
 
 

オレはゾロとヤるのは多分、好きだ。
多分と言うのは、自分でもよく分からねえから。
選択肢が一つしかねえ場合、アレコレ言ったってしようがねえ。

オレにとってゾロはその一つしかねえ選択肢だ。
オレを満たしてくれるのは、ゾロ。

ゾロにヤられてると、オレは一回壊れて、また生まれ変わるような、気になる。
壊してえ。
だけど、何を。
壊れたい。
でも、どうしてだ。
オレにだって、分からねえ。
ジリジリと身を焦がす想い。

満たされない。
だから、オレはゾロのカラダで確かめる。

オレの衝動を。
口にできない、想い。
バカみてえ。

好きだとか、嫌いだとか、全部嘘だ。
言葉は消えてしまう。

だから、今だけは確かめたい。
オレを見てる、ゾロ。
ゾロを見てる、オレ。

オレはてめえのもんになんか、ならねえ。
てめえも、オレのもんになんか、ならねえ。

夢のために。
オールブルー。
そのためには、何を捨てたって、惜しくねえ。
 

途切れ途切れの意識。
気がつくたびに、ちがう恰好でヤられてる。
たぶん、すげえ、こっぱずかしい恰好なんだろうけど、オレは喘ぐので精一杯だ。

バカみてえに、限界まで、高められっぱなしで声を出す、オレ。
ゾロを感じると、欲情が止まらねえ。

途切れる意識の中、オレはゾロにしがみつく。

オレを離すな。
オレをおいていくな。

てめえが、いつか夢を叶える日。
その日は来るだろう。
オレが、いつか夢を叶える日。
その日は来るだろうか。

ゾロ、オレにてめえをくれ。
てめえの強さをくれ。
迷わねえ視線をくれ。

オレは幾度も精を放つ。
ゾロは容赦なく責めてくる。
激しく突き上げられると、意識が飛ぶ。

この強さだ。
これが必要だ。
コレをオレにくれ。

オレは強くなりてえ。
誰よりも。

オレは完全に意識を手放した。
 
 
 
 
 

気がついた時にはあたりが明るくなりかけていた。
オレは、重いカラダを起こす。

辺りには昨夜の淫行のあとが残っている。
カラダからは、ゾロのものが流れ落ちている。

オレは思わず唇を噛みしめた。
こういうカタチで残されていたのは、初めてだった。

いつもは・・・
ゾロがある程度は、処理してくれていたのだ。
だが、今朝は・・・

こんなこと、どうってことは、ない。
オレがやりゃいいことだ。
だが、オレは気分が落ち込んでいくのを感じていた。
なんでだよ。
オレの負担がでけえんだから、この位したっていいのによ。

いつも以上にだるく感じるカラダ。
だが、今から、オレの仕事が始まる。

厨房に行こうとして、デッキを見ると、ゾロが剣を振っていた。
物凄い、汗。
集中しているのが、分かる。
一心不乱に、憑かれたように剣を振るゾロ。

なんだよ。
オレのことなんてほっといて、朝から特訓かよ。
オレなんてどうでもいいって訳か。

オレは沈んだ気持ちでタバコに火をつけた。
苦い味が口のなかに広がる。
オレは厨房に向かう。
料理を作ってれば、イヤなことは忘れられる。
 

てめえにとって、オレは何なんだ。
オレにとって、てめえは何なんだ。
 
 
 
 
 

*5*


サンジのすれちがい編てとこで。
まだ続くのですな。はは・・・力無い笑い。
 
 

もう、飽きた      さ、まだまだ、いこーか。